システム担当ライブラリアンの日記

図書館システムやサービス系の話題を中心に。最近、歩き旅の話題も。

『ケーキの切れない非行少年たち』(新潮新書、2020)

2024-05-19 18:13:51 | 本の紹介
『ケーキの切れない非行少年たち』(新潮新書、2020)
ISBN: 978-4106108204

図書館の窓口近くで発見して、借りてみました。
かなり早く読める本ながら、内容は深くて有用と思えました。

タイトルがキャッチーで、それだけで何か分かった気になってしまいそうでした。
いろいろなことが書かれていますが、私的に思いっきり要約すると、、、
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・問題行動をしないために、あるいは社会生活を送るために、基本的な学力が必要。
・それは「勉強したら習得できる(教育によって)」という単純な話ではない(…という子どもがそれなりに存在する)
・例えば、「漢字を覚える」ためには、「書き取り練習」の前に「図形を写す(形を認識する)」ことができる必要がある。

・日本の学校教育は、学習指導要領で洗練されているが、上記のようなことは配慮されていない(と書いてあったような記憶)。

・また、そのような基本的な学力がない(境界領域の?)子どもを発見する手段ないし時間があまり取られていない。

・例えば、p.128の小見出しは「全ての学習の基礎となる認知機能への支援を」となっています。
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私が詳しい分野ではありませんが、小さな頃から、ちょっとした遊び(外遊びや、屋内で積み木遊びでも)が実は大切なのだなぁと改めて感じました。

p.167~にあるトレーニング例として、複数のペットボトルにそれぞれ「くるしい」とか「ふあん」の感情を割り当てて、袋(心?)に入れるものは、大人にも役立つのではないかと思いました。
このトレーニングでは「いかり」ペットボトルは特に大きなものです。このペットボトルを誰かに投げつけたらどうなるか、という説明もあるようです。
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