システム担当ライブラリアンの日記

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愛媛大学、院生による学修支援が「補習」!? 2006年の読売新聞

2015-02-12 22:00:40 | ユーザサービス一般
2006年3月7日の読売新聞にこんな記事が。

「甘やかしすぎ?生き残り作戦?
 “ゆとり1期生”に補習 愛媛大が来月から」

少々否定的な記事に見えます。
 #記事の背景など推測も混じってますが。
記事の主人公は愛媛大でFDなどを積み重ねてこられて、国内のリーダ的な存在で、2013年度から大阪大学に着任した佐藤浩章先生。

今では比較的多くの大学で取り組まれている院生による学修支援。
"大学生にそんなことまで?"というニュアンスを感じる記事です。

「新学習指導要領で学んだ「ゆとり教育世代」の1期生にあたる新入生のうち希望者を対象に、大学院生が英語や数学、理科などを教える「補習」を行う。学力低下が懸念される新入生が講義に付いていけず、嫌気がさして退学するのを防ぐ狙い。」

「大学院生5人を“専任講師”として採用し、付属図書館内に新設する「補習室」で、月曜から金曜まで毎日、希望者を対象にマンツーマンで指導する。問題の解き方のほか、リポートの書き方、勉強のスケジュールづくりまで伝授する。」

「補習室」も本当にそんな名前だったのでしょうか。
「…まで伝授する」って。

「森毅・京都大名誉教授の話「…自分たちの力で何とか頑張っていた。大学も学生の人気を取るのに必死なのかな」」

やはり否定的な記事と感じます。

確かに、大学生(高校生)の学力低下が注目され、大学に入ってそんなことまで? と思われた時期もあるでしょう。(もしかしたら、この記事で愛媛大の取組が否定的な印象で広がったり、当事者である高校側からも疑問を投げかけられていたとすると悲しいことです)

最近はしかし、その状況を受け止めつつ、大学教育をどう改善するかという議論が大きくなっていると感じます。今なら"そんな以前からこの課題に取り組んでいたんだ"というプラスの印象もあってしかるべきでしょう。

しかし、先駆者、アーリーアダプターというのは、そういう風に思われるものでしょうか。
"次世代OPAC"も、ラーニング・コモンズもしかりでしょうか。
だから、"外"に仲間を求めることもあるでしょうし、必要なのでしょう。

私自身は、自分が要らない/重要じゃないって思った時、疑うようにしています。自分が疑うことを反証する根拠を得るのは難しいので、単に自分を信じないようにしたり!? 他の人に意見を求めたり。

9年前の記事に驚いたので紹介しました。

※読売新聞の記事を、例えば「佐藤浩章」で検索すると、2007年以降は大学教育改革を比較的好意的に扱っている記事が多いので、この記事だけたまたまなのかもしれませんが。
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