とね日記

理数系ネタ、パソコン、フランス語の話が中心。
量子テレポーテーションや超弦理論の理解を目指して勉強を続けています!

発売情報: ヴィジュアルガイド 物理数学 ~多変数関数と偏微分~: 前野昌弘

2017年07月10日 12時59分10秒 | 物理学、数学
ヴィジュアルガイド 物理数学 ~多変数関数と偏微分~: 前野昌弘

内容紹介:
「自然という敵は強大で難物。数学はそれに立ち向かう武器である。」いろもの物理学者が「初学者にとって飛び越える行間の少ない本」を目指して書いた、数学シリーズ第二弾。 数式の意味を正しく理解できる特徴的な図や、変数や定数、演算子を簡単に区別できる色付き文字など「見てわかる」にこだわったカラーの参考書。1変数関数と常微分方程式の復習からはじめ、多変数関数と偏微分へと進む。さらに、実際の場面で使える数学のためにベクトル解析の基礎や偏微分方程式も扱う。
2017年7月刊行、217ページ。

著者について:
前野昌弘(まえのまさひろ): Twitter: @irobutsu
1985年 神戸大学理学部物理学科卒業。1990年 大阪大学大学院理学研究科博士課程修了。1995年より琉球大学理学部教員。現在 琉球大学理学部物質地球科学科准教授。
著書は「よくわかる電磁気学」、「よくわかる量子力学」、「よくわかる初等力学」、「よくわかる解析力学」、「ヴィジュアルガイド物理数学(シリーズ)」(東京図書)、「今度こそ納得する物理・数学再入門」(技術評論社)、「量子力学入門」(丸善出版)
(以上のサポートページは
http://irobutsu.a.la9.jp/mybook/index.html
にあり)
ネット上のハンドル名は「いろもの物理学者」

ホームページは
http://irobutsu.a.la9.jp/
http://www.phys.u-ryukyu.ac.jp/~maeno/cgi-bin/pukiwiki/index.php

前野先生の著書: Amazonで検索


今朝出勤しようと玄関を出たとき、ちょうど本書が配送された。前野先生の物理数学シリーズ第2弾である。配達員から受け取ってそのまま出勤。昼休みに取り急ぎ発売情報記事として書いてみた。

前作は発売されたときに「ちょっと気になる常微分方程式の本」という記事に追記しただけで、単独の記事にはしていなかった。2冊揃ってめでたしめでたしである。

物理数学を学び終えている僕のような者でも欲しくなってしまう本。「こんな本があったらいいのになぁ。」という思いが現実化した本である。

図版だけならわかるが、変数や矢印にまで色をつけてしまう凝りようだ。「いろもの物理学者」の「いろもの」ってそういう意味だっけ?

今回も相変わらずカラフルである。こういう先生に教えてもらえる学生って恵まれているよなと先生のツイートや本を見るたびに思うのだ。

サンプルページ(クリックで拡大)



前作と一緒にぜひお買い求めいただきたい。誤植訂正や補足情報はサポートページで確認いただける。

東京図書「ヴィジュアルガイド物理数学」サポートページ
http://irobutsu.a.la9.jp/mybook/vgmath/index.html

ヴィジュアルガイド 物理数学 ~1変数の微積分と常微分方程式~: 前野昌弘
ヴィジュアルガイド 物理数学 ~多変数関数と偏微分~: 前野昌弘

 

第1作の章立て(詳細目次とサンプルページ

第1章 関数
第2章 指数関数と対数関数
第3章 微分
第4章 いろいろな関数の微分
第5章 微分の応用
第6章 テイラー展開
第7章 積分
第8章 積分の技法と応用
第9章 常微分方程式---序論
第10章 線形微分方程式
第11章 常微分方程式の応用例
付録A 基礎知識の補足
付録B 発展
付録C 問題のヒントと解答

第2作の章立て(詳細目次とサンプルページ

第1章 1変数の微積分
第2章 常微分方程式
第3章 多変数関数とその微分
第4章 全微分
第5章 2次元以上の座標系と微分
第6章 多変数関数の積分
第7章 ベクトル解析の基礎
第8章 偏微分方程式
付録A ベクトルの計算則
付録B いくつかの補足
付録C 問題のヒントと解答


関連記事:

よくわかる電磁気学:前野昌弘
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/3f7e34e15a862a7c6471d5eb60be0273

よくわかる解析力学:前野昌弘
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/bd9d328483de3bc3f9a3ad14ec6fe078

よくわかる量子力学:前野昌弘
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/08beb004bf1a5c9e6f6192439045c120

今度こそ納得する物理・数学再入門:前野昌弘
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/8777ea8175e9c48e0170df5b930f42d9


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ヴィジュアルガイド 物理数学 ~多変数関数と偏微分~: 前野昌弘



はじめに

はじめにiii
第1章 1変数の微積分
1.1 1変数関数
1.2 微分とはなにか
1.2.1 独立変数の微小変化と従属変数の微小変化
1.3 微分の計算法
1.3.1 微分という演算の持つ性質
1.3.2 いくつかの公式
1.3.3 三角関数の導関数
1.3.4 指数関数と対数関数の導関数
1.4 高階微分の意味とテイラー展開
1.4.1 高階微分
1.4.2 テイラー展開
1.5 積分
1.5.1 積分の意味
1.5.2 微分積分学の基本定理と原始関数
1.5.3 不定積分
1.5.4 積分の計算方法
1.6 章末演習問題

第2章 常微分方程式
2.1 常微分方程式
2.2 一階常微分方程式と解曲線
2.3 線形常微分方程式
2.3.1 線形常微分方程式とその分類
2.3.2 重ね合わせの原理
2.3.3 線形非斉次微分方程式の例
2.4 定数係数の線形斉次微分方程式
2.4.1 特性方程式
2.4.2 複素数を使って解く線形微分方程式の例:減衰振動
2.4.3 線形非斉次方程式の例:強制振動
2.5 章末演習問題

第3章 多変数関数とその微分
3.1 多変数関数
3.1.1 多変数関数と自由度
3.1.2 多変数の微分
3.2 偏微分の定義と記号
3.3 高階の偏微分
3.3.1 二階偏微分の意味
3.3.2 2 変数関数のテイラー展開
3.3.3 2 変数関数の極大極小
3.3.4 偏微分の交換可能性
3.4 偏微分ならではの注意点
3.4.1 ∂a∂b≠1∂b∂a∂a∂b≠1∂b∂a
3.4.2 ∂z∂y∂y∂x≠∂z∂x∂z∂y∂y∂x≠∂z∂x
3.4.3 2 変数の一般的変数変換
3.5 章末演習問題

第4章 全微分
4.1 全微分
4.1.1 全微分と偏微分
4.1.2 全微分が0 になる条件
4.2 全微分形
4.2.1 全微分形でない微分方程式を全微分形にする
4.3 積分可能条件と積分因子
4.3.1 積分可能条件
4.3.2 積分因子
4.4 章末演習問題

第5章 2次元以上の座標系と微分
5.1 2 次元の座標
5.1.1 2 次元の直交座標
5.1.2 直交座標から別の直交座標への変換
5.1.3 2 次元の極座標
5.2 2 次元の方向微分
5.3 平面座標と偏微分
5.3.1 座標変換による偏微分の変換
5.4 2 次元の微小変位ベクトル
5.4.1 直交座標と極座標の微小変位
5.4.2 2次元直交曲線座標系での微小変位ベクトルと∇⃗ ∇→
5.5 3 次元の座標系
5.5.1 3 次元極座標
5.5.2 3 次元円筒座標
5.6 3 次元の微小変位ベクトル
5.7 章末演習問題

第6章 多変数関数の積分
6.1 2 次元の線上の積分
6.1.1 2 次元面の線上でスカラー関数を積分する
6.1.2 線の長さ
6.1.3 ベクトル関数の線積分
6.2 線積分の応用
6.2.1 仕事と位置エネルギー
6.2.2 線積分の例:アンペールの法則
6.3 2 次元面上の面積分
6.3.1 直交座標での面積
6.3.2 面積分とヤコビアン
6.3.3s⇝kip 面積積分の応用:ガウス積分
6.4 3 次元空間内の面積と体積
6.4.1 3 次元空間内の面積
6.4.2 一般的な面積要素
6.4.3 体積積分
6.5 章末演習問題

第7章 ベクトル解析の基礎
7.1 2 次元ベクトル場と微分演算子
7.1.1 2 次元スカラー場の勾配:grad
7.1.2 2 次元ベクトル場の発散:div
7.1.3 2 次元ベクトル場の回転:rot
7.1.4 2 次元のdiv とrot の面積分
7.1.5 ラプラシアン
7.1.6s⇝kip 2次元極座標でのgrad,div,rot
7.2 3 次元ベクトル場と微分演算子
7.2.1 勾配(grad)
7.2.2 発散(div)
7.2.3 回転(rot)
7.2.4 3次元極座標でのgrad, div,rot
7.3 ベクトル解析の微分演算子相互の関係
7.3.1 rot とgrad
7.3.2 div とrot
7.3.3 ラプラシアンとdiv, grad
7.3.4 ストークスの定理
7.3.5 ガウスの発散定理
7.4 章末演習問題

第8章 偏微分方程式
8.1 偏微分方程式と常微分方程式
8.2 偏微分方程式の解き方
8.2.1 変数分離による解法
8.2.2 特性曲線による解法
8.3 熱伝導方程式
8.3.1 変数分離による一般解
8.3.2 境界条件と初期条件
8.4 波動方程式
8.4.1 変数分離形を仮定して解く
8.4.2 微分演算子を「因数分解」する方法で解く
8.5 ラプラス方程式
8.5.1 2 次元ラプラス方程式
8.5.2s⇝kip ラプラス方程式の解の一意性167 8.6 章末演習問題

付録A ベクトルの計算則
A.1 和と差、分解
A.1.1 ベクトルの和と実数倍
A.1.2 ベクトルの分解
A.1.3 ベクトルの差
A.2 内積
A.2.1 内積の定義
A.2.2 内積の交換・結合・分配法則
A.2.3 内積の成分表示での計算法
A.2.4 内積を使った成分の分解
A.3 外積
A.3.1 外積の定義
A.3.2 外積の交換・結合・分配法則
A.3.3 外積の成分表示での計算法
A.4 内積・外積の公式
A.5 2 次元ベクトル場を複素数で表現すること
A.6 一般的な基底ベクトルと共変ベクトル・反変ベクトル

付録B いくつかの補足
B.1 極座標でのラプラス方程式
B.1.1 2 次元極座標のラプラス方程式
B.1.2 3 次元極座標のラプラス方程式
B.2 デルタ関数
B.3 2 変数のうち片方を変えるときの注意

付録C 問題のヒントと解答
C.1 【問い】のヒント
C.2 【問い】の解答
C.3 章末演習問題のヒント
C.4 章末演習問題の解答

おわりに
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2 コメント

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今は恵まれている (やす (Krtyski))
2017-07-11 10:45:22
とねさん

今回ご紹介の本は、今週頭に書店で見つけて、このような本が30年ほど前に有ったらどんなに良かったのにと思い、衝動買いしていました。

民間企業に就職して最初に配属されたのが、流体力学の博士が率いる研究グループで、特殊な流体特性を持つ材料を開発せよというテーマを与えられました。数学が得意な上司 (とある分野での数学的解析で論文賞を取ったような人)で何事も数式と理論からという空気のグループで、私には違った言語を話し異国にやってきた感じでした。

化学専攻なのに電磁気学や量子化学が必修でその単位をとっているという私の成績証明書を見てスカウトされた形でした。実際は通り一遍の理解しかなく、使いこなすほどの理解はありませんでした。

しかし、そのあたりの数学の基礎が分かっている前提で議論を要求されたものだから、当時私は困惑するばかりでしたのを思い出します。

当然ながら数学の猛勉強をしました。その当時に今回のような本があればどんなに役だったかと思います。多変量のベクトル解析は未だに完全に分からないことは告白しておきます。

その後、化屋ならではの手法で目標の材料開発は成功。上司は、どんな魔法を使ったのか?と聞いてきました。

頭の中で「自分が分子のサイズまで小さくなって思考実験したのが役立つ」といった説明をしたら、上司はあきれ顔で、それこそ魔法だよ、と化屋の手法を認めてくれた瞬間でした。

そんな苦労を思い出させてくれる本です。
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Re: 今は恵まれている (とね)
2017-07-11 12:16:03
やすさんへ
そうなんです。今の学生は恵まれています。前野先生の学生を想うお気持ちや図版の作成にかける熱意や凝り方には敬服せざるを得ません

30年前に同じことをしようとしてもPCやソフトウェアの環境がなかったですから、現代ならではの手法ですね。

やすさんも思わぬところで多変量ベクトル解析に悩まされることになったのですね。大学ってどの学部、学科に進んでも仕事で必要な内容をすべて網羅して学べるわけではないから、学生には自分が履修している科目以外もたくさん学んでほしいです。(なかなか難しいと思いますが。)

「少年老い易く、学成り難し」は昔も今も同じですね。
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