とね日記

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よくわかる解析力学:前野昌弘

2013年10月20日 00時55分00秒 | 物理学、数学
よくわかる解析力学:前野昌弘

内容
解析力学は本来「力学を簡単にする方法」。本書では「ラグランジアンのおかげでこんな問題が簡単になるよ」という点を具体的に語っていく。

著者略歴
前野 昌弘:ホームページ: http://irobutsu.a.la9.jp/
1985年神戸大学理学部物理学科卒業。1990年大阪大学大学院理学研究科博士後期課程修了。1995年より琉球大学理学部教員。現在、琉球大学理学部物質地球科学科准教授


理数系書籍のレビュー記事は本書で233冊目。

「自然という書物は数学という言葉で語られている」という名言をガリレオは残したが、みなさんはこの言葉を聞いたときどのような数式を思い浮かべただろうか?

アインシュタインのE=mc^2や重力場の方程式だと答える人もいれば、量子力学のシュレディンガーの方程式や素粒子の標準理論の数式を思い浮かべる人もいるだろう。これらの数式は自然が見せるそれぞれの側面を見事に表している。また、これらの数式をすべて含んでいる超弦理論の数式が、ガリレオのこの名言を象徴している究極の数式なのかもしれない。

けれども、これらの数式を導く過程で必ず使われているのが解析力学だ。あらゆる物理法則で共通に用いられる原理で、ラグランジアンやハミルトニアンという一般化された物理量を使って自然法則の根底にある摂理を定量的に数式で表現する物理学の分野である。

僕には解析力学で展開される数式導出こそ、ガリレオの名言を象徴していると思えるのだ。


物理学の教科書には解説や数式導出を必要最小限に抑え、学生が自分で手を動かして数式導出をしなければならない「優等生向きな教科書」と、説明や数式導出が省略されず、わかりやすい「学生の立場で書かれた教科書」がある。前者は授業を受けながら読むことが必要で、独習には向かず、後者は授業を受けなくても独習することができる。本書はもちろん後者である。前野先生の著書はどれも「先生から直接授業を受けているように」読めるのだ。

僕は6年前「解析力学(久保謙一著、裳華房)」を読んでいたが、この本はページ数が最小限に抑えられ、必要不可欠な事がらだけを解説している本だった。記述がやさしいので独習も可能だったが、詳しく理解できないところが残ってしまっていた。また、この本には具体的な問題演習が少なく、ラグランジアンやハミルトニアンを使って力学の問題が簡単に解けるという「ご利益」を実感することができなかった。だから、解析力学の実践や具体的な応用問題は他の本で学ぼうと思い、「ゴールドスタインの古典力学()()」を買い揃えていた。


よくわかる解析力学:前野昌弘」が発売されたのを知り即購入。今週は悪天候が続き、毎晩のウォーキングができなかったので読書に集中することができた。

本の帯には「で、結局ラグランジアンって何なのよ!」というコミカルなキャッチ・コピーが大きく書かれている。また「ラグランジアンのおかげでこんな問題が簡単になるよ」という文が内容紹介に書かれていたので、本書は解析力学の「ご利益」を示すことがメインなのだと思っていた。

読んでみると確かにそれは正しかった。しかし、それだけではなかった。本の帯のキャッチ・コピーをはるかに越える内容で、期待していた以上の本なのだ。特に僕には不足していた実践問題がたっぷり学べる本だった。

第8章までの章立てを見てわかるように、第4章から始まる「導入篇」、「発展篇」、「実践篇」では実にさまざまな問題の解き方を学び、理解を深めることができる。そして第8章の「保存則と対称性」で第一幕はいったん終わる。

第1章 解析力学入門の準備
第2章 簡単な変分問題
第3章 静力学―仮想仕事の原理から変分原理へ
第4章 ラグランジュ形式の解析力学?導入篇
第5章 ラグランジュ形式の解析力学?発展篇
第6章 ラグランジュ形式の解析力学―実践篇1・振動
第7章 ラグランジュ形式の解析力学―実践篇2・剛体の回転
第8章 保存則と対称性

ここまでで本の帯の「で、結局ラグランジアンって何なのよ!」の説明をするという約束が果たされる。


しかし、その後に続く第二幕は帯には書かれていない「それじゃ、ハミルトニアンって何なのよ!」である。

第9章 ハミルトン形式の解析力学
第10章 正準変換
第11章 ハミルトン・ヤコビ方程式
第12章 おわりに 解析力学と物理

第9章を読み始めたとき「本の帯のキャッチ・コピーはずいぶん謙遜している。」と思った。ラグランジアンやハミルトニアンをとおり一辺倒に解説するだけでなく、さまざまな問題を解きながらその意味を深く掘り下げて読者に示してくれているからだ。ラグランジュ形式で解いた問題をハミルトン形式や正準形式を使って解くなど、同じ問題を多角的に解いて見せてくれるのだ。

またハミルトン形式から正準変換、ハミルトン・ヤコビ方程式へと理論を一般化していく過程の説明はていねいで、間に挿入された問題と解法が説明の補足として上手に活かされている。学生が勘違いしやすい点、疑問に持ちやすい点もこと細かに取り上げて解説されているのはとてもありがたい。

2Dや3DのCGを使った図版がたくさん挿入されているのも前野先生の教科書の特長だ。回転運動における角運動量やエネルギーの保存則、ハミルトン形式の説明にでてくる位相空間など、実際の問題に対応する形でCGが示されるので、解答の持つ物理的な意味がとてもイメージしやすくなっている。

このような前野先生らしい特長は本書前半の変分法とラグランジュ形式の解析力学の説明や後半のハミルトン形式の説明で発揮されている。しかしその後の「正準変換」と「ハミルトン・ヤコビ方程式」の章については少し説明を急ぎすぎている印象を受けた。もともと内容が高度で豊富なことと図示に向かない内容なのでやむをえないのだと納得した。このあたりをもっと噛み砕いて説明していたら350ページ余りある本書はさらに50ページほど厚みを増していたことだろう。

最終章の「解析力学と物理」では相対論、統計力学、量子力学と解析力学の関係が説明されている。特に量子力学に対する寄与は大きい。単純明快なニュートン力学を一般化していくことで積み上げられていった力学の抽象化が、物理法則の本質を浮き立たせ、その後の物理学を研究する上で必要不可欠な原理になっていった事実を見るにつけ、不思議だと思わざるを得ない。

解析力学から量子力学にかかっている橋は少なくとも6つある。

- ハミルトン主関数から(光)量子にかかる橋
- ハミルトン-ヤコビ方程式からシュレーディンガー方程式にかかる橋
- ハミルトニアンを使った時間発展の式からハイゼンベルクの運動方程式にかかる橋
- 最小作用の原理からファインマンの経路積分にかかる橋
- ポアッソン括弧から量子力学における交換関係にかかる橋
- 解析力学の位相空間の面積から量子力学の不確定性関係にかかる橋

本書の第9章以降、量子力学のにおいがプンプンしてくるのだ。物理学者ハミルトンの没年が1865年、つまり量子力学誕生の60年前だったことを考えるとハミルトンの功績を超える「何か」を感じてしまうのは僕だけだろうか。


付録では本書で使われる「行列計算」、「偏微分、ルジャンドル変換」、「座標系の計算」など、基本的な計算テクニックが解説されている。特に「ルジャンドル変換」はきちんとおさえておきたい。

付録A 行列計算
付録B 偏微分に関係するテクニック
付録C 座標系に関して
付録D 問いのヒントと解答


あと本書に限らず前野先生の著書のよい点として次の2つがある。

1)用語や数式の参照がしやすいこと

理数系の教科書ではときどき「式 1.2.5を参照」のように前の章の数式を参照することがある。このような場合そのすぐ下にグレーの文字でページ番号が明記してあるので、該当箇所をすぐ見つけることができる。また用語についてもページ番号が振られているので、本書の中で最初にその用語を説明した箇所をすばやく見つけることができる。

2)3D CGによる視覚化やサポートページで動きを見せて解説しているので直観的に理解できる。

物理学の教科書で動画によるシミュレーションを使って説明している本はとても少ないのだ。


解析力学は高校の物理とはまったく違う「大学生らしい物理学」だ。初めて学ぶ学生にとってはハードルが高い。けれども理解が深まるにつれて物理学の奥深さを感じることができる魅力たっぷりの学問なのだ。

ぜひ、多くの人に本書で学んでほしい。


前野先生は今年の2月に初等力学の入門書もお出しになっている。解析力学以前に力学も学び直してみたいという方は、合わせてお読みになるとよいだろう。

よくわかる初等力学:前野昌弘」(紹介記事
よくわかる解析力学:前野昌弘

 


本書のサポートページ(「はじめに」や「正誤表」が読める。)
http://irobutsu.a.la9.jp/mybook/ykwkrAM/

ネットで解析力学を学んでみたい方は「EMANの解析力学」がお勧め。

EMANの解析力学
http://eman-physics.net/analytic/contents.html


関連記事:

発売情報:よくわかる解析力学:前野昌弘
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/76788ea9487df778de38782d5826a15a

よくわかる初等力学: 前野昌弘
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/eb79689d93c90d828009843857b20a13

よくわかる電磁気学:前野昌弘
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/3f7e34e15a862a7c6471d5eb60be0273

よくわかる量子力学:前野昌弘
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/08beb004bf1a5c9e6f6192439045c120

今度こそ納得する物理・数学再入門:前野昌弘
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/8777ea8175e9c48e0170df5b930f42d9


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よくわかる解析力学:前野昌弘


はじめに

第1章 解析力学入門の準備
 1.1 ニュートン力学の復習
  1.1.1 運動の法則
  1.1.2 保存則
  1.1.3 角運動量の保存
 1.2 力学を簡単にするために
  1.2.1 「仕事」を使いこなす
  1.2.2 より高い視点から「運動」を見る
 1.3 経路
 1.4 座標とその変換
 1.5 章末演習問題

第2章 簡単な変分問題
 2.1 変分による計算
  2.1.1 変分とは
  2.1.2 等しい周で最大面積の長方形
  2.1.3 等しい周の三角形
 2.2 光学におけるフェルマーの原理
  2.2.1 反射の法則
  2.2.2 屈折の法則
  2.2.3 光の直進
  2.2.4 極座標での直線
 2.3 関数の変分に関するまとめと例題
  2.3.1 オイラー・ラグランジュ方程式
  2.3.2 一般的な図形の等周問題
  2.3.3 最速降下線
 2.4 章末演習問題

第3章 静力学―仮想仕事の原理から変分原理へ
 3.1 仮想仕事の原理
  3.1.1 一個の質点の場合
  3.1.2 複数の質点からなる系における仮想仕事の原理
 3.2 剛体に対する仮想仕事
  3.2.1 剛体に起こり得る仮想変位
  3.2.2 剛体に対する仮想仕事
  3.2.3 仮想仕事が0 になるための条件
 3.3 仮想仕事の原理を使う例題
 3.4 位置エネルギー
  3.4.1 仕事とエネルギー
  3.4.2 位置エネルギーを表現する座標を変えてみる
 3.5 3 次元の仮想仕事と位置エネルギー
  3.5.1 積分可能条件とrot
  3.5.2 異なる座標系で計算したポテンシャルの安定点
 3.6 静力学における変分原理
  3.6.1 動力学の変分原理のモデルになる静力学の問題
  3.6.2 懸垂線の方程式
  3.6.3 一般座標におけるラプラシアン
 3.7 章末演習問題

第4章 ラグランジュ形式の解析力学?導入篇
 4.1 「作用」を`作る'
  4.1.1 作用とは何か
  4.1.2 ダランベールの原理による仮想仕事の原理の拡張
  4.1.3 確認:作用は本当に極値を取っているか
  4.1.4 運動方程式としてのオイラー・ラグランジュ方程式
  4.1.5 なぜ位置エネルギーは引かれるのか??
 4.2 1 次元運動の例題
  4.2.1 簡単な例題
  4.2.2 加速する座標系内の自由粒子
  4.2.3 速度に比例する抵抗
 4.3 複合系をラグランジアン形式で
  4.3.1 定滑車
  4.3.2 動滑車
 4.4 多次元のラグランジュ形式
  4.4.1 2 次元以上の変数のラグランジアン
  4.4.2 棒に繋がれた2 物体の平面内運動
  4.4.3 一般的ポテンシャルによる相互作用をする2 物体
 4.5 章末演習問題

第5章 ラグランジュ形式の解析力学?発展篇
 5.1 オイラー・ラグランジュ方程式と座標変換
  5.1.1 オイラー・ラグランジュ方程式の共変性
  5.1.2 2 次元極座標でのオイラー・ラグランジュ方程式
  5.1.3 循環座標
  5.1.4 変数変換に関する注意|ルジャンドル変換の必要性
  5.1.5 2 次元で万有引力が働く場合
 5.2 3次元の直交曲線座標で記述する運動
  5.2.1 直交座標から他の座標系へ
  5.2.2 3次元の極座標
  5.2.3 球対称ポテンシャル内の運動
 5.3 拘束のある系
  5.3.1 拘束条件の分類
  5.3.2 ラグランジュ未定乗数の利用
  5.3.3 変数の消去
 5.4 章末演習問題

第6章 ラグランジュ形式の解析力学―実践篇1・振動
 6.1 単振動
  6.1.1 簡単な単振動
  6.1.2 微小振動
 6.2 連成振動
  6.2.1 二体連成振動
  6.2.2 二体連成振動の行列を使った変数変換
  6.2.3 質量が異なる場合
  6.2.4 二重振り子
 6.3 三体からN 体の連成振動へ
  6.3.1 三体連成振動
  6.3.2 3つのモードの表現
  6.3.3 N 個の物体が連結されている場合の振動
 6.4 連続的な物体への極限
  6.4.1 振動解の物体数を増やす
  6.4.2 作用の書き換え
 6.5 章末演習問題

第7章 ラグランジュ形式の解析力学―実践篇2・剛体の回転
 7.1 剛体の回転運動
  7.1.1 剛体の運動エネルギー
  7.1.2 主軸変換
7.2 オイラー角で表現する回転運動
  7.2.1 物体に固定された座標軸
  7.2.2 オイラー角と角速度ベクトル
  7.2.3 外力が働かない剛体の回転運動
  7.2.4 角運動量の保存
  7.2.5 特定の軸に回りに回っている時の近似計算
 7.3 エネルギー保存と角運動量保存から言えること
  7.3.1 自由に回転する剛体
 7.4 章末演習問題

第8章 保存則と対称性
 8.1 空間並進と運動量保存則
  8.1.1 ハミルトンの主関数
  8.1.2 「ハミルトンの主関数の端点微分」としての運動量
  8.1.3 運動量保存則の導出
 8.2 運動量の一般化
 8.3 時間並進不変性とエネルギー保存則
   8.3.1 作用の時間微分としてのエネルギー
   8.3.2 エネルギー保存則の導出
 8.4 一般論|ネーターの定理
 8.5 角運動量保存則
 8.6 章末演習問題

第9章 ハミルトン形式の解析力学
 9.1 ハミルトン形式(正準形式)とは
  9.1.1 運動量と座標を使った表現
  9.1.2 ハミルトニアン
  9.1.3 簡単な例題
  9.1.4 ラグランジュ未定乗数としての運動量
 9.2 変分原理からの正準方程式
 9.3 位相空間
  9.3.1 位相空間とは
  9.3.2 位相空間で表現した「運動」
 9.4 リウヴィルの定理
 9.5 ポアッソン括弧
  9.5.1 時間微分とハミルトニアン
  9.5.2 ポアッソン括弧の性質
  9.5.3 ヤコビ恒等式の証明
  9.5.4 ポアッソン括弧が0 になることの意味
 9.6 ハミルトン形式で考える角運動量と剛体
  9.6.1 角運動量とのポアッソン括弧
  9.6.2 外力が働かない剛体の回転
  9.6.3 対称コマのハミルトニアン
  9.6.4 軸先が固定された対称コマ
 9.7 章末演習問題

第10章 正準変換
 10.1 1 次元系の時間によらない正準変換
  10.1.1 正準方程式の変換
  10.1.2 位相空間の面積を変えない変換の例
  10.1.3 ポアッソン括弧の変換
  10.1.4 より大胆な正準変換
  10.1.5 ポアッソン括弧を使って無限小正準変換を記述する
 10.2 変分原理と正準変換
  10.2.1 正準変換による作用の変化と母関数
  10.2.2 正準変換の変数の取り方
  10.2.3 母関数を使った正準変換の例
  10.2.4 変換から母関数を作る
 10.3 時間に依存する変換
  10.3.1 作用の変化
  10.3.2 時間に依存する正準変換の例
 10.4 多変数の正準変換
  10.4.1 多変数のポアッソン括弧の変換
  10.4.2 多変数の場合の母関数
  10.4.3 多変数正準変換の例
 10.5 章末演習問題

第11章 ハミルトン・ヤコビ方程式
 11.1 ハミルトン・ヤコビ方程式
  11.1.1 K = 0 となる正準変換の母関数を求める
  11.1.2 作用とハミルトン・ヤコビ方程式
 11.2 ハミルトン・ヤコビ方程式の解
  11.2.1 変数分離
  11.2.2 簡単な例
  11.2.3 2 次元放物運動
 11.3 球対称ポテンシャル内の3 次元運動
 11.4 章末演習問題

第12章 おわりに 解析力学と物理
 12.1 解析力学と相対論
 12.2 解析力学と統計力学
 12.3 解析力学と量子力学

付録A 行列計算
 A.1 行列の基本計算
 A.2 行列を使う利点
 A.3 添字を使った表現
 A.4 直交行列
 A.5 直交行列でない行列の逆行列
 A.6 固有値と固有ベクトル
 A.7 行列式の計算
 A.8 固有ベクトルによる対角化

付録B 偏微分に関係するテクニック
 B.1 多変数の関数の微分
  B.1.1 偏微分
  B.1.2 全微分と変数変換
 B.2 体積積分とヤコビアン
  B.2.1 面積積分
  B.2.2 体積積分
 B.3 ラグランジュ未定乗数の方法の意味
 B.4 オイラー・ラグランジュ方程式
  B.4.1 1変数の場合
  B.4.2 多変数の場合
 B.5 ルジャンドル変換
  B.5.1 必要性?もしルジャンドル変換をしなかったら
  B.5.2 ルジャンドル変換とは

付録C 座標系に関して
 C.1 ベクトルの表現
  C.1.1 直交座標の基底ベクトル
  C.1.2 一般的な直交曲線座標の基底ベクトル
  C.1.3 曲線座標とベクトル
  C.1.4 テンソル
 C.2 回転を記述する方法
  C.2.1 2 次元回転
  C.2.2 オイラー角

付録D 問いのヒントと解答
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25 コメント

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Unknown (クワガタ)
2013-10-21 01:32:58
ラグランジアンの方程式の構造自体が自然法則の本質を表しており、この式そのものが自然法則を表すものと位置づけるべきなのかもしれませんね。歴史的には、ニュートンの方程式が最初に発見されましたが。 方程式の構造そのものがどういう意味がもっと深く検討してほしいところ。なぜ2次微分は含まれないのかな? そういう検討はなされているのですよね? とあんまりわかっていない私の妄想。
返信する
クワガタ様 (とね)
2013-10-21 09:49:48
クワガタ様

コメントありがとうございます。
ラグランジアンやオイラー・ラグランジュ方程式の構造や意味は、この教科書に書かれているとおりでしたので、あえて記事には書きませんでした。本書で扱われている内容は広範ですので、詳しく書きだすと「解説書」のようになってしまいますのでご容赦をお願いいたします。

なお、なぜ2次微分は含まれないのかということについては「作用の停留条件」つまり1次微分係数=0を満たす解を求めるので、微分は1次になるのだと思います。
返信する
2次微分 (hirota)
2013-10-21 13:33:41
一般相対論だとラグランジアンにスカラー曲率が使えますが、これには2次微分が入ってますね。
「場の古典論」には、これから2次微分を消去する変形が載ってますから、出てくる運動方程式に問題はありませんが。
返信する
Re: 2次微分 (とね)
2013-10-21 14:08:29
hirotaさん

教えていただきありがとうございました。
一般相対論ではたしかにラグランジアンに2次微分が入っていますね。
これまでに学んだ本ではラグランジアンを使っていなかったので、(そのうち読もうと買い置きしていた)内山龍雄先生の「一般相対論」で確認いたしました。

クワガタ様

失礼いたしました。一般相対論ではラグランジアンに2次微分が入ってきます。
ただし、この記事で紹介した範囲、つまり空間が曲がっていないニュートン力学の範囲ではラグランジアンに含まれる微分は1次になります。
返信する
ラグランジアン方程式の構造 (クワガタ)
2013-10-22 00:10:07
δL/δq - dt(δL/δq・) = 0の 構造そのものが基本であって、この方程式の構造の本質的意味が重要なのでは?という意味です。 私もこの本を読んでみます。

2次微分は高橋康さんの本だったか、あるいは、菅野礼司さんのゲージ理論の解析力学、微分形式の解析力学に触れられていた記憶があります。そのことが頭にあったので触れてみた次第です。 まあよくわかっていないので適当なこと言っていますが。
返信する
Re: ラグランジアン方程式の構造 (とね)
2013-10-22 02:05:54
クワガタ様

オイラー-ラグランジュ方程式の構造(微分の次数)のことをお尋ねになっていたのですね。

僕は高橋康さんの本と朝倉物理学体系の解析力学(I,II)しか持っていませんが、今夜は遅い時間になってしまったのと明日は予定が入ってしまっているので、あさっての夜になってしまいますが調べてみますね。
返信する
クワガタ様へ (とね)
2013-10-22 10:15:24
クワガタ様

ウィキペディアの英語版には高階微分タイプのオイラー=ラグランジュ方程式についての記述がありました。
これについておっしゃっていたわけですね。
僕はこのような式があることを今回初めて知りましたが、この記事で紹介した前野先生の解析力学の本のレベルを超える内容です。

ウィキペディア(Euler-Lagrange equation)
http://en.wikipedia.org/wiki/Euler%E2%80%93Lagrange_equation

Variations for several functions, several variables, and higher derivatives
返信する
クワガタ様へ (とね)
2013-10-22 11:36:37
クワガタ様

http://math.stackexchange.com/questions/489030/why-euler-lagrange-equation-does-not-depend-on-the-second-derivative-of-the-func

のページに次のような記述があるのを見つけました。

The reason that the Euler-Lagrange equation is usually cited for Lagrangians depending only on the first order derivatives is due to convenience in the original setting - in classical mechanics, the state of a system depends only on the current configuration and the instantaneous rate of change - this is enough to predict its future motion. Thus it's convenient to formulate the mathematics in this restricted setting. As described in the wikipedia page that Scott linked in the comments, there's no mathematical difficulty in generalising to functionals involving higher-order derivatives. You just end up with a more complicated Euler-Lagrange equation: a generic nth order Lagrangian gives you a 2nth order Euler-Langrange equation.

One example of a higher-order Lagrangian in physics is the Einstein-Hilbert action for general relativity, which is defined in terms of the second derivatives of the metric - however in this very special case the third and fourth order terms in the Euler-Langrange equation cancel out, leaving you with the second-order Einstein equation.
返信する
クワガタ様へ (とね)
2013-10-22 13:03:20
クワガタ様

高橋康・柏太郎著「量子場を学ぶための場の解析力学入門」の60ページ「3.2 場の量についての微分および変分」の中に「場の微分による偏微分」が定義され、これをEuler-Lagrange微分と呼んでいます。数式の見かけとして分母に∂∂があるので2次微分に見えます。でも、この方程式の実質的な意味はオイラー-ラグランジュ方程式と同じ1次微分ですね。
見当違いの補足かもしれませんが。。。
返信する
こんばんは (大学生)
2013-10-22 20:35:07
詳しい書評にはとねさんのすごさが伺えます。
「よくわかる解析力学」は必ず読みます。

コメントの内容としては、「よくわかる初等力学」についてです。この本の内容はどんなものですか?
教えていただけたら幸いです。
返信する

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