BLOG 思い遥か

日々新たなり/日本語学2020

意味と意義と

2021-11-24 | 日本語学21

ことばのちがいをとらえて、意味と意義とを説明するのは難しい。
辞書の解説などにも似たようなことが書いてある。

広辞苑で引用すると、つぎのようである。
そこに解説らしく見えるのは、意義の項目で、
>言語学では、特に「意味」と区別して「一つの語が文脈を離れてもさし得る内容」の意に使う
と述べるところである。

これは言い得て妙とすべきである。
語構成からすれば、熟語としての用法であるとして、国語は文字を分解して理解のためにそれぞれを見ている。
意字は共有し、味字と義字との異なりをとらえるかどうか。
そうとらえないとしても解釈にはそれが現われる。

漢字には形音義をもってゆるぎなくとらえるところである。
そこで興味のある事実に気づく。

日本語の意味はその範囲に意味領域をとれば意義を含む、
意味>意義
となる。一方で、
意味←→意義の関係では、
意義⇒意味
となる。
意義素という用語が、翻訳ではある、用いられるゆえんである。

意味する  国語で言う、漢語サ変動詞になる
意義がある  存在文で表現する

この言い方が意義の原初であることを示す。
 *意義する
意義がある ⇒意味になる ⇔ 意味する

次は、広辞苑に拠る。
いぎ‐そ【意義素】
〔言〕
①(sememe)形態素がもつ意味。もとブルームフィールドの用語。形態意味素ともいう。
②(sémantème フランス)ポティエ(B. Pottier1924〜)によれば、形態素の意味を構成する意味的特徴の集合。

い‐み【意味】
①記号・表現によって表され理解される内容またはメッセージ。
㋐特に言語表現によって表される内容。言語表現が指し示す事柄または事物。→意義1。
㋑言語・作品・行為など、何らかの表現を通して表され、またそこから汲み取れる、その表現のねらい。「何を言いたいのか―が分からない」「―ありげな笑い」
②物事が他との連関において持つ価値や重要さ。「そんな事をしたって―がない」

い‐ぎ【意義】
①意味。わけ。言語学では、特に「意味」と区別して「一つの語が文脈を離れてもさし得る内容」の意に使うこともある。
②物事が他との連関において持つ価値・重要さ。「参加することに―がある」


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いみ‐ろん【意味論】
(semantics イギリス・sémantique フランス)
①〔言〕語や句・文などの表す意味、その構造や体系性を研究する言語学の一分野。統語論・音韻論と共に言語研究の主要な領域。
②記号論の一分野。記号とその指示対象あるいはそれが引き起こす反応との関係を研究。
③〔論〕論理式の解釈や文の真理値を決める原理などを研究する論理学の一分野。


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