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日々新たなり/日本語学2020

文字には

2022-01-14 | 日本語学21

文字は記号かどうかを考える。文字は言語記号である。こういう説明で記号とされている。そうであるとすれば言語記号としての記号とは何か。辞書の説明を見比べてみて広辞苑には記号という解説が載っていない。百科事典に詳しく説明がある。文字は、もんじ という、言葉そのものである。広辞苑にあるように、文字を用いることは文言ひいては文章、学問であった。それを言葉をもって記号という説明が見えるようになったのは言語記号のとらえ方によるものである。また言語記号の考え方たとともに、
>言語あるいは言語行動という場合には主として音声言語ないしは音声言語行動をさしていうのが普通で,文字を媒介として成立する文字言語(行動)は言語の研究において第二義的な位置が与えられてきた。 世界大百科事典 第2版
と、言語の見方がある。

>ことばをしるす記号。 字通
>単語や音素のような言語単位に対応し,線的に配列されてその言語を表わすための,視覚的記号の体系。その体系をなすひとつひとつの記号 letter; characterも日本語では文字と呼ばれることが多い。 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
>音と意味が結合して特定の言語を表す記号。 百科事典マイペディア
>「もんじ」ともいい、言語を点や線の組合せで単位ごとに記号化するもの。 日本大百科全書

それぞれに、ことば、言語の記号体系、言語とのかかわりで文字をとらえる。その言語は音声を一義にするようであるから、言語記号とは音声言語によるものとなる。それでは、ことばとは何か、言語とは何か、ここに文字がかかわるようである。言語を記号としてみるのは記号が存在することをとらえてそれを語単位としていることに規定する。言語記号は記号であり語である。文字は言葉である。
文字があって、漢字があり、仮名がある。




もじ
【文字】
言語を書き記すための記号。字。「目に―がない」(無学だ)。(字と区別せずに)言葉や文章。
 「珠玉の―」
Oxford Languagesの定義

出典:デジタル大辞泉
も‐じ【文字】 の解説
《「もんじ」の撥音の無表記から》
1 言葉を表記するために社会習慣として用いられる記号。個々の字の性質から表意文字・表音文字、また表語文字(単語文字)・音節文字・音素文字(単音文字)などに分けられる。もんじ。
2 文章。また、読み書きや学問のこと。
「―を見る眼は中々慥にして」〈福沢・学問のすゝめ〉
3 言葉。文言 (もんごん) 。
「ただ―一つにあやしう」〈枕・一九五〉
4 字の数。音節。
「―のかずも定まらず」〈古今・仮名序〉
5 (近世、関西地方で)字の記された銭の面。〈物類称呼〉
6 語の後半を省き、その語の頭音または前半部分を表す仮名の下に付いて、品よく言い表したり、婉曲に言い表したりする語。→文字言葉


も‐じ【文字】
[一]〔名〕
①もんじ。字。「―を覚える」
②ことば。文言。源氏物語花宴「聞きたがへたる―かな」
③字の音おん。徒然草「想夫恋そうぶれんといふ楽は、女、男を恋ふる故の名にはあらず。本は相府蓮そうふれん、―のかよへるなり」
④仮名であらわされる字の数。すなわち音節数。古今和歌集序「歌の―も定まらず」
⑤学問。文章。浮世床初「―の方へも入つて見ろ」
⑥(畿内で)銭の面の文字のある方。転じて、銭。
[二]〔接尾〕
物の名の頭字の下に付けて、婉曲に表現する語。もと、女房詞として行われた。「鮓すもじ」「髪かもじ」「湯もじ」などのようにいい、これらを「もじことば」ともいう。
広辞苑 ページ 19488




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