BLOG 思い遥か

日々新たなり/日本語学2020

認知言語学cognitive linguistics

2021-12-10 | 日本語学21

認知言語学 cognitive linguisticsは、人間の一般的な認知能力の反映として言語を捉えることで、一般的な能力の発現とみて、言語の運用という面から言語の実態を記述、説明する。
 記号化、カテゴリー化、ゲシュタルト知覚、イメージスキーマ、身体性、メタファー・メトニミーなど
ゲシュタルトGestalt、ドイツ語で、形、形態、状態の意味である
 事態把握、語用論的面をもとにダイナミックな概念化として、図と地の分化、焦点化、プロファイル、推論などの作用
これまでいわゆる言語知識(competence)と考えられてきたものが実は言語運用(performance)から説明可能であることを示すモデル

>ジョージ・レイコフを中心としたメタファー・メトニミー・イメージスキーマ(Image schema)を用いて言語の実態を究明していく理論を特に認知意味論と言い、ロナルド・ラネカーを中心とした、概念化・用法基盤モデルから文法を構築していく研究を特に認知文法(cognitive grammar)と言うことがある。

ジョージ・P・レイコフ(George P. Lakoff, 1941年5月24日 - )、アメリカの言語学者、カリフォルニア大学バークレー校教授。
生成意味論の研究を行って、チョムスキーの提唱する生成文法から離れ、認知言語学を提唱する

ロナルド・ラネカー(Ronald W. Langacker 1942年12月27日 - )、アメリカの言語学者、カリフォルニア大学サンディエゴ校名誉教授。
認知文法論の提唱の他、ユト・アステカ語族の比較言語学的研究
認知言語学の第一人者、主要な著書に認知文法の基礎理論(foundation)、Foundations of Cognitive Grammar がある。

以上、ウイキペディアの項目より


https://www.youtube.com/watch?v=0bamP-nMHAs
認知言語学:普遍性と固有性 1 (南雅彦)
くろしお出版による南雅彦先生(サンフランシスコ州立大学教授・国立国語研究所客員教授)の講義配信、「認知言語学」第1回目の講義です。
【本講義の内容】
・イントロダクション
・「人間発達・言語発達」
・「翻訳と認知」
[翻訳、オノマトペ、階層分類、認知・言語の普遍性からプロトタイプ理論までを概観します。]
【キーワード】
経験主義(empiricism)を提唱したイギリスの哲学者ジョン・ロック(John Locke),タブラ・ラーサ(ラテン語: tabula rasa 「人は白紙で生まれてくる」の意), 経験主義 vs. 生得(自然)主義(nativism),生得要因(heredity 生まれ) vs. 環境要因(environment 育ち)[注:ことわざ「氏より育ち」を想起されたい],アメリカ心理学,John B. WatsonやBurrhus Frederic Skinnerに代表される行動主義(behaviorism),言語生得説を提唱したNoam Chomsky,和製英語【例:「サヨナラ本塁打」 vs. walk-off homerun,「デッドボール」 vs. hit by a pitch,「フルタイムリーガルアシスタント」】

https://www.youtube.com/watch?v=VMfSUe6dcMA
認知言語学:普遍性と固有性 2 (南雅彦)
くろしお出版による南雅彦先生(サンフランシスコ州立大学教授・国立国語研究所客員教授)の講義配信、「認知言語学」第2回目の講義です。
【本講義の内容】
・「言語普遍性と言語固有性」(1)
[人間言語に共通する様相・現象は単なる偶然なのか、それとも人間言語の普遍性を示唆しているのか、こうした問題を音象徴、前置詞・助詞、意味論から探ります。]
【キーワード】
翻訳,日英比較,英語における無生物主語(言語固有性),言語共通性【例:「滑らかさ」を表す/s/,「血縁関係ではなく非常に親しみがある男性の仲間」という意味での"brother"(兄弟)】,時間を表す英語の前置詞/日本語の助詞),音象徴,言語接触

認知言語学:普遍性と固有性 3 (南雅彦)
くろしお出版による南雅彦先生(サンフランシスコ州立大学教授・国立国語研究所客員教授)の講義配信、「認知言語学」第3回目の講義です。
【本講義の内容】
・「言語普遍性と言語固有性」(2)
[日本語では、有声音(濁音)のオノマトペが無声音(清音・半濁音)のオノマトペよりも大きな音や激しい程度【例:ごろごろ vs. ころころ、ざらざら vs. さらさら】を表しますが、英語ではそうした有声音と無声音の対立の体系的使用は認められません。つまり、すべての言語が普遍的な音象徴を必ずしも同じように使っているわけではないことがわかります。]
【キーワード】
言語共通性,「朝」の概念(ドイツ語 Morgen),認知文法,認知文法理論の創設者Ronald W. Langackerが唱える心理的な意味構築,construal(解釈・捉え方),認知言語学,比喩【例:感情の容器としてのカラダ),Mixtec(ミシュテカ:メキシコの原住民の言語[空間における参照物体の形状によって異なる語彙の使用]】,言語固有性【例:日本語のオノマトペ,有声[濁音] vs. 無声[清音・半濁音]】,音象徴
【参考文献】
Lakoff, George (1987) Women, Fire, and Dangerous Things: What Categories Reveal
about the Mind. Chicago: University of Chicago Press.


https://www.youtube.com/watch?v=JMKc3dWJvhc
認知言語学:普遍性と固有性 4 (南雅彦)
くろしお出版による南雅彦先生(サンフランシスコ州立大学教授・国立国語研究所客員教授)の講義配信、「認知言語学」第4回目の講義です。
【本講義の内容】
・「言語普遍性と言語固有性」(2)
・「認知の普遍性」(1)
[英語を母語とする子どもが言語習得の過程でbaggage(luggage)・clothing・furnitureなど「常に単数扱いの集合名詞」を複数にしてしまう誤りをしないのはどうしてでしょうか、その理由を考えます。]
【キーワード】
ダジャレ,擬声語・擬音語・擬態語などのオノマトペや外来語を組み込んだ商品名,同音化(順行同化・逆行同化),異文化におけるスピーチスタイルの相違,階層分類(上位レベル,基本・一般レベル, 下位レベル),認知的制約・経済性(経済効率),言語習得(核から周辺への拡張)

https://www.youtube.com/watch?v=d7sV24MNaI8
認知言語学:普遍性と固有性 5(南雅彦)
くろしお出版による南雅彦先生(サンフランシスコ州立大学教授・国立国語研究所客員教授)の講義配信、「認知言語学」第5回目の講義です。
【本講義の内容】
・「認知の普遍性」(2)
[日本語では粉雪・牡丹雪など下位・従属レベルに分類されている雪の種類が、エスキモー語・イヌイット語では縦に上昇し基本レベルになっていますが、その理由を天候・気候などの環境要因から考えることから本講義を始めます。]
【キーワード】
階層分類【例:日本語とエスキモー・イヌイット語における「雪」の階層分類における相違と環境要因の関係】,認知的制約・経済性,認知普遍性(色彩の知覚),プロトタイプ理論・典型事例【例:Ludwig Wittgensteinの
「家族的類似性」,「鳥らしい鳥」はどんな鳥なのか,「果物らしい果物」は何か,「野菜らしい野菜」は何か,女性の役割[婦人警官?看護士?フライトアテンダント?]】


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。