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備忘録

四隅が暗い写真

2009-04-07 21:12:15 | 雑記録

四隅が暗い写真

少し前に、写真の捏造を巡る議論がありました。ネットで見られる写真を見た限り、いくつかの不審点があります。その点をまとめてみました。

●証拠写真の不審なポイント
証拠写真の疑問点は大きく分けて次のものがあります。
・夜間に撮影したように妙に青っぽく写った写真(一部)
・周辺光量が著しく低下した(四隅が暗い)写真(多数)
・周辺部の歪みが大きいわりに画角が狭い写真(一部)

今回は、妙に四隅が暗い写真に的を絞って比較検討してみます。

●横並びで分かる周辺光量の低下
ネットに出回っている証拠写真をざっと見ても、中心部は明るいけれども、四隅が異様に暗くなっている写真が目に付きます。そもそも、カメラはレンズを通った光がフィルム(デジカメは撮像素子)上に像を投影します。投影された像は、中心部が明るく周辺が暗い円形の光(イメージサークル)になります。これを四角のフィルムや撮像素子で切り取る訳ですから、写真の四隅が暗くなることは避けられません。

しかし、いくつもの証拠写真で周辺部が異様に暗くなっています。極めて不自然な暗さなのです。しかも、それが1枚や2枚ではない。なぜか多くの写真にこの傾向が見られるのです。

この傾向をはっきりさせるために、コントラストを上げて強調して並べてみました。

周辺光量低下1

最後にある2枚は日陰にある証拠を撮影するために、フラッシュを焚いています。このため、周辺部が暗く写っています。この2枚は異常だとは言えません。しかし、ほかの写真はどうでしょう。フラッシュを焚いていないのに異様に周辺部が暗くなっていますよね。

周辺光量低下3

さらに、台紙と一緒にスキャンされた写真もありますが、台紙は暗くなっていないのに写真だけが暗くなっています。従って、スキャン時に暗くなったわけではありません。

●普通は周辺部が目立って暗くなることはない
試しに私がデジカメで撮影した写真で検証してみました。背景の空が一様なので暗くなる影響が出やすくなります。機体が真っ暗になるほど、コントラストを上げてみましたが、ほとんど影響がありません。

周辺光量低下2
この写真で空の片隅が少し暗く見えますが、これは空の青さのグラデーションが変わっているものです。

フィルムとデジカメの違いはありますが、実用上差し支えるほど周辺部が暗くなることはほとんどありません。証拠写真のように、あんなに暗く写るのは欠陥レンズと言っていいでしょう。たまに間違えて、周辺部が暗くなる「ケラレ」がありますが、レンズフードが写り込むとか、レンズを間違えて使用する*1などの失敗写真なのです。

*1:撮像素子が小さいAPS-Cサイズのデジカメ専用レンズをフィルムカメラまたは35mmフルサイズのデジカメに使用するなど。実際は、証拠写真の撮影でこういう誤使用はまず起こらないでしょう。

このように考えれば、あの写真は複写撮影したネガでプリントしたように見えます。複写することでコントラストが強まったのでしょう。これはアナログのコピーによる精度の劣化現象とも思えます。

複写撮影したかどうかネガを見れば分かるでしょう。国賠訴訟で写真の捏造について訴えられています。警察は正当なネガが出せますか?


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