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備忘録

高知白バイ事件 検証  準備中8より  【LIVE】ワールドツアー・ジャパンオープン 大会5日目

2018-06-10 20:15:21 | 雑記録

 

(オ)については、交通事故解析の専門家である山崎俊一氏は、捜査関係事項照会書回答(再検9。以下「山崎回答書」という)において、①本件タイヤ痕の写真からは、スリップ痕の溝が細く印象されていると認められる、② 衝突の入力により、本件バスが左斜め方向に移動し、わずかにスリップ角が ついたこと、あるいは、本件バスが右折しようとしていたために、タイヤが 若干右に向いていたことから、本件タイヤ痕に太い溝が形成されなかったと考えられるとの見解を述べている(11頁)。また、大慈彌鑑定は、衝突により本件バスの前部が横に移動し、前輪に横すべりが生じたもので、本件タイヤ痕は横滑り痕(ヨーイング痕)であり、タイヤが溝の方向に対して横方向に移動したため、本件タイヤ痕には溝が生成されなかったとの見解を述べている。


もっとも、山崎回答書の上記①の細い溝は、写真を見ても確認することができない。大慈彌鑑定が本件タイヤ痕を横すべり痕と断定する点についても、ブレーキによる制動痕であるという山崎回答書と対立しており、そのように断定できるかについては疑問がある。しかし、本件バスが右横から右前部に衝突されて前部が左に移動し、本件バスの進行方向とタイヤの溝の方向がずれたことが本件タイヤ痕にタイヤの溝が形成されなかった理由として考えられるという点では、両者の見解は一致しており、また、そのような理由付けが不合理であるとはいえない。そうすると、(オ)の点は、本件タイヤ痕のねつ造を疑わせるものとはいえない。


 


(ア)及び(ウ)については、確定判決審において既に指摘されており、(イ)についても、写真撮影報告書(甲2 3)等の旧証拠から認識できることである。


その点を措くとしても、(ア)については、山崎回答書(11頁)は、本件タイヤ痕の先端が濃くなる原因の一つとして、擦ったタイヤの摩耗粉がトレッドの下に集まったことが考えられると述べ、大慈彌鑑定も、停止した位置にはタイヤ表面から剥離したゴム質がタイヤと路面の間に多く残って(溜まって)濃く見えることがあると述べている。いずれも可能性を述べるにとどまるが、このような解釈が可能なのであるから、先端が濃くなっていることが特に不自然であるとはいえない。


 


(ウ)については、山崎回答書は、上記の場合、風などが吹けば摩耗粉は飛んでなくなると述べ、大慈彌鑑定も、タイヤ表面から剥離して停止位置に残っているゴム質は、路面部への付着力は弱く、すぐに路面から取れると述べており(ただし、稀有ではあるとも述べる)、不合理な説明とはいえない。三宅鑑定書は、タイヤのスリップ痕とは、ゴム質が摩擦熱で溶けて路面に付着したものであって、簡単には消えないから、実況見分の間に薄くなっているのは不自然であるという(石川和夫作成の平成2 675日付け意見書19頁等も同旨)が、山崎回答書及び大慈彌鑑定がいう摩耗粉ないし剥離したゴム質であれば、それは摩擦熱で溶けて路面に付着した物質ではないのであるから、簡単には消えないという批判は当たらない。


 


(イ)については、山崎回答書に記載がなく、大慈彌鑑定人も原因は分からないと証言しており、本件タイヤ痕が真正のタイヤ痕であるとした場合、その原因は不明といわざるを得ない。


 


ウ ところで、本件擦過痕群については、それがねつ造された疑いがあるという三宅鑑定書意見書の見解は採用できないところこの本件擦過痕群、とりわけL字型の痕跡は、確定判決が認定したとおり、本件白バイが見取図④地点で本件バスに衝突し、その後、転倒した状態で、本件バスのもともとの進行方向である東向きに進んだことを示している。また、本件バスの右前部の損傷状況によれば、本件バスの衝突部位が車体右前部付近であることは明らかである。この衝突状況を本件バスの側からいえば、本件バスは④地点にいたときに、その右前部が本件白バイと衝突し、その後、⑤地点まで約2.9m進んで最終停止したことになる。本件タイヤ痕を衝突後のブレー キ又は横滑り、あるいはその双方による制動の痕跡とみた場合、その存在は、本件擦過痕群が示す本件バスの進行、停止状況と整合しているといえる。本件白バイの破損状況や破片等の散乱状況との矛盾もうかがわれない。


なお、松本晃治作成の鑑定書(再弁37。以下「松本鑑定書」という)には、本件バスの制動力(ブレーキによる制動)は0.6Gとするのが相当である旨(同人による別の鑑定書〔再弁9〕も、大型車の摩擦係数は低く、0.6G程度とする)、また、一般に0.6Gの場合にはスリップ痕は発生しない旨の記述がある。しかし、前者は妥当であるとしても、後者の0.6G場合にはスリップ痕が発生しないという点については、その根拠は示されていない上、この見解によれば、大型バスの場合には、およそスリップ痕が形成されないことになってしまい不合理である。

 
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