はりぶろぐ

鍼灸師のブログです。東京都国分寺市にて孔和堂鍼灸院を開業しています。
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「ゆるい生活」を読んで

2016-03-05 00:22:44 | 養生
患者さんから、群ようこさんの「ゆるい生活」が面白かったと聞いたので、読んでみました。
群さんの本を読むのは、おそらく20年ぶり。
おいしいもの好き、猫好き、という印象がありましたが、それは今も変わらないようです。

この本では、群さんご自身の身に起きた症状が、友人から紹介された漢方薬局に通い、漢方薬とリンパマッサージで改善していった過程が描かれています。
主な症状はめまい。原因として、群さんは水はけのよくない体質であること、その割には甘いものを摂りすぎたこと、と書かれてありました。

水はけのよくない体質、というのは、例えれば泥が水を含むとなかなか水分が抜けていかないように、いつまでも余分な水分が体内に滞りやすいということ。私自身もその体質ですし、来院されている患者さんにも結構いらっしゃいます。
そのような体質の人に限って、甘いものが大好き。だから食生活を変えていく必要があります。

群さんの場合は、執筆中は傍らに和菓子やチョコレート、日本茶や紅茶を置き、1度にまんじゅうを6個食べたりすることもあったとのこと。
めまいの原因が全て甘いもののせいだということではないけれど、かなりの部分を占めていたのは確実。煎じ薬を飲みつつ、甘いものも極力減らしていく日々は、かなりの苦行だったようです。
頚・肩・胸・背中が滞った老廃物により盛り上がってもいたそうで、リンパマッサージの時の痛みはかなりのものだったようです。
その辺りはかなりユーモラスに表現されているので、興味のある方はご一読を。


漢方薬局の方が施術をしながらいろんな説明をされているのですが、私も普段患者さんにいろいろと説明したり、食事の内容など具体的にアドバイスすることもあるので、共感しつつ読み進めました。
自ら体調管理に気を付けるのはもちろん、その患者さんにとって良くない習慣がある場合は、心を鬼にしてはっきり言った方が改善に向かうのだということを、今回改めて感じました。

ここ数年で、健康に良いとされる情報は増々飽和状態になってきています。特にネットで検索すると膨大な情報が出てくるので、何を信用していいか分からないこともあります。
中でも東洋医学に関する情報は、中途半端なアドバイスをしていたり、一人一人体質が異なるのに一括りでアドバイスしていたりするので、うーん、と思わず言ってしまうことが多いです。

自分の体質のことで悩んだり、ご自身で対策しているにも関わらず改善が見られない場合は、ぜひきちんとした東洋医学の専門家に相談してみるのもおすすめします。

群さんのように、余分な水分を排出しやすくしたり、リンパ液のながれを良くしたりするのは、東洋医学の得意とすることの一つ。
マッサージでも鍼でも効果はありますので、ぜひご活用ください。
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