はりぶろぐ

鍼灸師のブログです。東京の国分寺市にて孔和堂鍼灸院を開業しています。
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健康な状態を長く維持するためにできること

2022-02-15 19:32:11 | 養生

年齢を重ねるにつれて様々な症状を感じるようになります。

目が見えづらくなったり、耳が聞こえづらくなったり、関節に痛みが起きたり。これらの症状は比較的自覚しやすいため、異常を感じて医療機関を受診される機会もあるのではないかと思います。

それとは反対に、自覚しづらい症状が表れている指標となるのが、血液検査による数値です。

肝臓、腎臓、尿酸、炎症反応、脂質系、糖代謝系、血球系の検査を皆さんも受けたことがあると思います。

肝機能の数値が悪い、尿酸値が高い、脂質異常が疑われている、等々、皆さん健診結果は把握しているのですが、それを改善するために生活習慣を変えたり、適切な医療を受けたり、行動に移す方は少ない印象です。

40代以降は、特定健診を受けることが推奨されています。メタボリックシンドロームになる可能性が高くなるからです。

メタボリックシンドロームとは、内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさることで、心臓病や脳卒中などになりやすい病態のことをいいます。よく耳にする動脈硬化はこれらの要因で起きることが分かっています。

今すぐにどうこうなる訳ではありませんが、そのまま放置しておくと確実に寿命が短くなります。

 

厚労省の『人口動態統計(令和2年度)』によると、日本人の死因(総数)は以下の通りです。

1位 悪性新生物(腫瘍)

2位 心疾患

3位 老衰

4位 脳血管疾患

5位 肺炎

この内、2位の心疾患と4位の脳血管疾患はいずれも動脈硬化が原因となって起こるが多いとされています。

内臓肥満・高血圧・高血糖・脂質代謝異常のどれか一つでも危険因子となりますが、幾つか重なるとそれぞれの程度が低くても心疾患や脳血管疾患の危険が高まります。

 

患者さんと話していると、検診結果のコメント欄に医療機関を受診してくださいと表記されていても、まだ大丈夫かなと思われている方が少なくありません。

コロナ禍が長期化しているため、医療機関の受診を控え続けている方もおられます。

死因1位の悪性新生物(腫瘍)も、医療機関で適切な検査を受けなくなった人が増えたため、発見時には病期(ステージ)が進んでしまっているケースが以前よりも増えてしまっているようです。

検査結果が良くないと分かった方、自覚症状にこれまでとは違ったものが出てきた方で40代以降の方は、なるべく早く受診して頂けたらと思います。

何事も絶対、ということはありません。ただ、健診などで気付かぬうちに進行しつつある病を発見できるのはラッキーなこと。とにかく早めに対処することが少しでも長く元気で過ごせることにつながるのではないかと思います。

 

私は12歳の時の血液検査でコレステロール高値を指摘されました。家族からは遺伝だから仕方ないと言われていたこともあり、医療のことを学ぶまでは大したことではないと考えていましたが、決して仕方ないで終わらせてよいことではありません。分かっていても30代まではなかなか受診しようという気にならず、40代になってもそろそろ行かなければと後回しにしていました。市民検診でコレステロール値が段々悪くなっていったため、昨年医療機関を受診、脂質異常を改善するための服薬治療を開始しました。これまで基準値に収まったことは一度もありませんでしたが、服薬開始後2ヶ月ほどで基準値に収まりました。また、検査により頸動脈にプラーク(脂肪などが血管壁にこびりついてできるかたまり)が発見されました。今後このプラークが成長しないよう、定期的な受診と検査を受けていこうと思っています。

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