はりぶろぐ

鍼灸師のブログです。東京都国分寺市にて孔和堂鍼灸院を開業しています。
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年越しそばといなり寿司を作る

2016-12-12 12:11:02 | 養生
ヨーガのお料理クラス、「さまらさの台所」に行ってきました。
前回参加したのは6月、月日の経つのは本当に早いです。

年末も近いので、今回のメニューは年越しそば(ねぎのかき揚げのせ)といなり寿司。




ねぎは年中出回っていますが、冬のねぎは格別に甘くて美味しいです。また、風邪予防になることも知られています。
ねぎを使ったかき揚げは海苔にのせて揚げるのですが、サクサクしてねぎの旨味と海苔の風味の相性が良くて最高でした。
花かつおをたっぷり使ったお出汁も絶品。シンプルなのに贅沢な一品でした。

いなり寿司はより簡単に作れる方法を教えてもらいました。思った以上に簡単にできたし、美味しいし、いなり寿司好きの私にはありがたい機会となりました。
またすぐにでも作って食べたいくらいです。


調理を始める前に、そばについて説明がありました。
年越しそばには各地域で様々な云われがあり、切れやすい特徴からその年の厄落としとして食べたり、細く長いことから長寿の象徴とされていたり、その云われによって年越しそばを食べるタイミングが異なるというのは面白いと思いました。
また、仙人は霞を食べると云われますが、その霞がそば粉だったのではという説もあるそうです。

今回聞いた説明の中で特に印象に残ったのは、日本最古の医学書とされる『医心方』(984年に丹波康頼が朝廷に献上した書物)からの引用部分です。
「そばは五蔵の汚れたカスを洗い流して、精と神をつなぐ。その葉を煮て、野菜として食することもできる。耳と目の働きを非常によくして、気を下げる。」
そばは土地気候を選ばず繁茂する、強い穀物です。栄養が豊富なこと、消化が良いことから、浄化作用のある食材として古くから認識されていたのかもしれません。
東洋医学では、「精」は五行でいう「心」に属し、「神」は「腎」に属し、「心」と「腎」の関係はとても重要とされています。
「精と神をつなぐ」というのは、「心」と「腎」のバランスを良くして、健康を保つということなのかなと思いました。
耳は「腎」に属しているので、そばを食べることで働きが良くなるのも頷けます。目に関しては「肝」に属していますが、「肝」は血を蔵して全身を巡らす働きがあり、「心」も血に大きく関わっているため、結果として目の働きを良くするとされているのかなと思います。
食材の陰陽の区分では、「涼性」。冬は温かくして食べるのが良いでしょうね。食べ過ぎにも注意です。


今年の年越しは、今回教わったメニューを作る予定です。
師走もそろそろ半分終わりかけて何かと慌ただしい日々ですが、そんな時こそ気持ちを切り替えてじっくり丁寧に料理に取り組みたいです。


コメント
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