落屑症候群(らくせつしょうこうぐん)という疾患を聞いたことがありますか?
偽落屑症候群(ぎらくせつしょうこうぐん)とも呼ばれます。
瞳孔縁や水晶体表面に白い沈着物が粉状~膜状に付着している状態をいいます。
Exfoliation syndrome(落屑症候群)は,白い繊維状でアミロイド様の偽落屑物質(PE)が,虹彩瞳孔縁や水晶体前面,Zinn小帯,隅角,毛様体などのほか角膜内皮や結膜内に蓄積し,沈着する結合組織疾患です。
このPEはさまざまな眼組織だけでなく,皮膚,外眼筋,心臓,肺,腎臓,胆嚢などの間質,髄膜,血管内壁など全身で検出されることから,現在では落屑症候群は全身性疾患と考えられています。
下の写真は、落屑症候群の眼球で、瞳孔の縁に白くフケ状の物質が認められます。左の写真では水晶体前面の白い沈着物も明瞭に分かります。
(Revew of Ophtalmology より転載)
落屑症候群は、病気というより体質と捉えている医師も多いです。
これをお持ちの方は、そうでない方よりも、高眼圧症、緑内障、白内障に明らかになりやすい体質があります。
高齢になればなるほど、この症候群になりやすく、80歳以上では5〜10%でみられますが、50歳以下ではまれで、特に30歳以下では皆無です。また、この症候群になると、散眼(点眼薬で瞳を大きくさせること)しづらくなり、チン氏帯(水晶体の支持組織)も弱くなりがちですので、白内障手術が少しずつ難しくなっていきます。
落屑症候群だけでは何の自覚症状もなく視力も視野も正常ですので、他の疾患でたまたま眼科を受診した時や、人間ドックの眼科検診で発見されます。
落屑症候群と言われても、治療の必要はないと言われることが多いですが、滋賀県湖北地方には本症以外にも、結膜結石、尿路結石、胆石など、いわゆる「石ができやすい人」が多いことが知られています。
また、偽落屑症候群では、通常より少し早めの白内障手術を検討される方が、その方の将来を考えるとより安全と言えます。
白内障の早期発見・早期治療も重要です。
これらは同じ身体を流れる『血液』からの生成物質という点で共通原因があると考えるべきです。
特に地域で共有している「飲料水」に私は注目しています。
次回は、何故、この「偽落屑」が湖北地方の人に多いのかを解説させていただきます。
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