途中ちょっとだけウトウトしてしまいましたが、94%は覚えていますよ!
ニコラス・ケイジ主演映画『8mm』では、アダルトショップの店員マックス(ホアキン・フェニックス)が読んでいた「アナル秘書」のブックカバーの下にはカポーティの「冷血」が隠されていた。裏世界の犯罪者の愛読書なのかと先入観を持ってしまっていたので、この映画に登場する一家4人惨殺事件の犯人の1人ペリー(クリフトン・コリンズJr.)の姿に驚きを隠せませんでした。トルーマン・カポーティについての知識も全く持ち合わせていなかったので、『ティファニーで朝食を』の原作者だったことにも驚いてしまいました(無知ですみません・・・)。
社交界でも饒舌、変人と見られるほどであるが天才的な小説家カポーティ。ゲイであることも相まって性格も読みづらい。しかし、さすがはアカデミー賞主演男優賞を獲得したフィリップ・シーモア・ホフマンがその難しい役作りを見事にこなしていました。1959年の凄惨な事件を知り、意欲的に取材に取り組むことになったのですが、犯人が捕まると、その心理を追求したくなり、長編ドキュメンタリー小説を書きたくなる。
興味本位からスタートして、彼の生い立ちを知るにつれ徐々に共感を覚え、優秀な弁護士を紹介して控訴まで持ち込む。「冷血」というタイトルをも決めて、前編を発表したりもするが、犯人ペリーにのめり込むにつれ、小説のタイトルを彼に伝えられなくなってしまうのです。被害者の友人からも刑事からも日記を借り、真相を追究する姿勢は気迫に満ちたものでしたが、ペリーの日記だけはそれが裏目に出てしまったのかもしれません。
事件当日の真相を知りたい。その一心で彼に心をぶつけるが、逆にペリーの方も親近感を覚え、接見で涙を流すほどに・・・恐ろしい事実を知ったときには「早く死刑執行されればいい」と考えも変わったのでしょう。その辺りは微妙な葛藤、ジレンマ。ホフマンとコリンズのやりとりが徐々に表情が変化、犯行当日の真相を聞きだす時点で一変するところが見ものなのです。だけど、カポーティが冷血なのかというとそうでもないような気がする・・・彼を救おうとしたけど、できなかったという自責の念をもこめた作品発表だったのだと思います(かなり推測)。
面白いのは助手としてカポーティを手伝っていたネルが『アラバマ物語』を発表した席。彼は駄作だつぶやいていましたが、映画は名作。黒人青年を助ける熱血弁護士の話と、最終的に見放してしまったカポーティとのコントラストがとても皮肉なコントラストになっていました。
★★★★・
『名探偵登場』出演
『悪魔をやっつけろ』脚本
『終着駅』脚本
ニコラス・ケイジ主演映画『8mm』では、アダルトショップの店員マックス(ホアキン・フェニックス)が読んでいた「アナル秘書」のブックカバーの下にはカポーティの「冷血」が隠されていた。裏世界の犯罪者の愛読書なのかと先入観を持ってしまっていたので、この映画に登場する一家4人惨殺事件の犯人の1人ペリー(クリフトン・コリンズJr.)の姿に驚きを隠せませんでした。トルーマン・カポーティについての知識も全く持ち合わせていなかったので、『ティファニーで朝食を』の原作者だったことにも驚いてしまいました(無知ですみません・・・)。
社交界でも饒舌、変人と見られるほどであるが天才的な小説家カポーティ。ゲイであることも相まって性格も読みづらい。しかし、さすがはアカデミー賞主演男優賞を獲得したフィリップ・シーモア・ホフマンがその難しい役作りを見事にこなしていました。1959年の凄惨な事件を知り、意欲的に取材に取り組むことになったのですが、犯人が捕まると、その心理を追求したくなり、長編ドキュメンタリー小説を書きたくなる。
興味本位からスタートして、彼の生い立ちを知るにつれ徐々に共感を覚え、優秀な弁護士を紹介して控訴まで持ち込む。「冷血」というタイトルをも決めて、前編を発表したりもするが、犯人ペリーにのめり込むにつれ、小説のタイトルを彼に伝えられなくなってしまうのです。被害者の友人からも刑事からも日記を借り、真相を追究する姿勢は気迫に満ちたものでしたが、ペリーの日記だけはそれが裏目に出てしまったのかもしれません。
事件当日の真相を知りたい。その一心で彼に心をぶつけるが、逆にペリーの方も親近感を覚え、接見で涙を流すほどに・・・恐ろしい事実を知ったときには「早く死刑執行されればいい」と考えも変わったのでしょう。その辺りは微妙な葛藤、ジレンマ。ホフマンとコリンズのやりとりが徐々に表情が変化、犯行当日の真相を聞きだす時点で一変するところが見ものなのです。だけど、カポーティが冷血なのかというとそうでもないような気がする・・・彼を救おうとしたけど、できなかったという自責の念をもこめた作品発表だったのだと思います(かなり推測)。
面白いのは助手としてカポーティを手伝っていたネルが『アラバマ物語』を発表した席。彼は駄作だつぶやいていましたが、映画は名作。黒人青年を助ける熱血弁護士の話と、最終的に見放してしまったカポーティとのコントラストがとても皮肉なコントラストになっていました。
★★★★・
『名探偵登場』出演
『悪魔をやっつけろ』脚本
『終着駅』脚本
お返事が遅れまして申し訳ございません。
『ティファニーで朝食を』はもうご覧になったのでしょうか?転げ落ちるってのがどこのシーンなのかよくわかりませんけど、変な東洋人が出てくるので注目です(謎)
>由香さま
俺もこの映画を観るまでは全く知らなかった作家でした。これほどまで苦悩した小説家だったんですね。
殺人犯の深層心理に迫りすぎるとよくないのかな。プロファイリングやってる人も大変なのかも。
さすがにオスカー受賞するだけあって、微妙な顔の動きとか、研究してるな~と驚きました。実際のカポーティを知らなくても・・・
私も全くカポーティについての予備知識もなく観たのですが、物凄く興味深い人だなぁ~と思いました。
始まりは、純粋な好奇心や小説への熱意だったと思うのですが、段々犯人と関わるにつれて、自分でも何が何だか分からない感情のジレンマに苦しめられていましたね~
事件当日の夜に、本当は何があったのか・・・スミスの口から聞いた時のカポーティの表情は印象的でした。ショックを受けながらも興奮して鼻孔がふくらむという微妙な顔が上手かったなぁ~と思います。
あの助手のネルは、『アラバマ物語』の作者だったんですね~
以前wowowで映画を観ましたよ。
先日の『冷血』の放送ですが、私も見逃しました~残念!!
カポーティが映画を見て、椅子から転がり落ちたという、『ティファニーで朝食を』を見なくちゃ~と思いました。
アラバマ物語は感激しました。
カポーティをイメージした役ディルは、どんな役だったか覚えていませんが・・・(^_^;)
TBさせて頂きます。
なるほど~そういう見かたもあるんですね~
変人だと思っていたら、実は恋人だった!
まぁ、ゲイなんだから、そういう男に惹かれるというのもわからんでもないですが・・・・
それにしてもフィリップ・シーモア・ホフマンがいい感じにキモかったです。
観てから1ヶ月も経たないのに、この映画の記憶は9.4%くらいに落ちています。
上の方でもバラしていますが、『8mm』は最近観たものだから、記憶が鮮明なのは当たり前なのです(汗)
さすがに「アナル秘書」なんて・・・覚えられないっす。
あ、でもでも、映画の『アラバマ物語』はぜひぜひご覧になってくださいね。名画DVD、400円で売ってます。
すご~~い。凄い記憶です!!
流石、殿!!(笑)
『アラバマ物語』も知らないのでそういう違いがあったのか、と思うと無知って損だなぁ~~と痛感(⌒▽⌒)アハハ!
今回も、94%覚えています・・・受けました。
冴えてますね~~
とてもわかりやすい喩え話をありがとうございます。
深入りすると結婚させられそうになるのが嫌だったんですね(笑)弁護士を準備しなかったことへの言い訳をするときにその感情が表れて冷や汗をかく雰囲気が面白かった。
死刑台で見守るカポーティの心も深そうでしたよね。泣いたところで人間本来の感情が戻ってきたような気がしました。
俺は「冷血」の映画が観たいです・・・
終盤、ペリーからの手紙や電話を避けようとするカポーティの姿が、“嫌いではないがもう付き合って行けない恋人と、自然消滅を狙う彼氏”のように見えてなりませんでした。
でも、最後にペリーを見捨てなかったカポーティの姿に、涙です。
原作も是非読みたいです。
「草の竪琴」ですかぁ、メモメモ。なんだかそそられる内容ですね。孤独なカポーティの原因となる部分がつかめるのかもしれませんね。
俺は「ティファニーで朝食を」を知っていたのにカポーティの名前を知らなかった・・・「冷血」の存在は知っていたのに同じ作者だとも思っていなかった(恥)
「心の中を覗いてしまう作家」であることを考えると、この映画もわかりやすくなりますね~彼が孤独であるがゆえにそうした内向描写にこだわってしまうのでしょうか、ますます興味深くなってしまいます。が、彼の頭が良すぎるので、ついていけないかもしれません・・・
「冷血」を書き始める前のカポーティをもっと知りたくなりました。順風満帆すぎて面白くないのかもしれませんが、天才の頭の中を覗いてみたいです・・・
樹の家で暮らし、草の竪琴の調べを聴く彼らの、自由で孤独で夢幻的な姿は、カポーティーと通じるものがあります。
「夜の樹」「ミリアム」「遠い声 遠い部屋」と、アメリカ南部の空気と幼少年期の幻想世界が入り混じった、独特のおどろおどろしくも美しい作品を送り出したカポーティーが、なぜ、「冷血」を書こうとしたのか、なぜ、「冷血」の後、一冊の本も書けなくなったのか、長く疑問に思っていました。
その疑問はこの映画で、幾分、解消されましたが・・・。
作家というか、表現者の、業の深さに心が痛む作品でした。
劇的な戦場写真を撮るために、ハイエナのように血の匂いに誘われてしまう写真家にも似て、もっともっとと極限を求めてしまう。
同じ孤独な魂を持っていることで魅かれていっただけに、引き裂かれるような思いが、痛々しい。
カポーティーは、外の世界より、人間の心の中に目を向けてきた作家です。一転して、現実世界をありのままに描こうとしても、やはり、心の中を覗いてしまうのかも。特に、自分と同じ種類の人間だと思うとね。
‘冷血'には徹しきれなかったと思います。
外見や話し方やゲイっぽい仕草で、いつも、世間に溶け込めない違和感を感じていたカポーティ。
すんなり世間に溶け込めるネルには、頼りになるヤツと思う反面、ちょっとやっかみもあったかも。
ノンフィクション・ノベルなみに淡々とした描写が続く前半は、確かに、6%くらい眠いかも。
そっくりサンと言われても、本人を知らないから、なんとも、ね~。
シャンパンの泡のようにはかない会話は得意でも、現実の社会とは、ずっと、ずれていると感じていたようなカポーティー。
その孤独な心と、葛藤する姿を見ることができただけでも、観てよかったと思える一本でした。(でも、カポーティーに興味ない人にはどーなんでしょう?)
たしかにそうですよね。
彼の演技がなければ凡作で終わった可能性があります。ジェイミー・フォックスの「RAY」なんてのも同じです。
死刑が延期になるたびに微妙な表情で驚く彼の演技が最高でした。それと事件当日の真相を聞いたときの驚く様子がなんともいえない味を出してましたよね~
ま、そうした結末を書く勇気がもてなかったという異色心理ドラマといったところもよかったかな。俺はきっかけがあっても何にもしない人です・・・せめて映画を観なくては。
この映画の成功は、ホフマン氏のさすがの名演によるところが大きいと思います。
が、私は「彼が犯人に同化(?)してしまった」ところまでは理解できるのですが、「彼が死刑にならないと小説は完成しない」というところを不思議な気持ちで聞きました。
小説なんだから、少し手を加えて犯人を死刑にするなり、生き延びさせるなり、自分が一番よいと思われる結末を書くことはできなかったのですか?そんなに忠実なドキュメンタリーを書きたかったのかな。
そういう問題じゃないのかな?私が小説ってものをわかってないだけかもしれませんが、偉大な歴史小説だって、みんな手を加えてあるのに。
ちなみにこの映画がきっかけで「冷血」を読み始めました。
リアルでしたね~
13階段なんてないじゃん・・・などと考えていても、あれを目の前で見たら卒倒しそうです。
カポーティもあの現場を見なければ小説も中途半端になってしまったかもしれませんよね。
あんなもの目の前で見ちゃったら、
本も書けなくなちゃうかもしれないなぁ~。
眠くさせるほどの喋り方も演出のひとつだったのかもしれませんよね。
後半に激しい葛藤があるためにしょうがないこととは思いますが、その落差が面白かったです。
見る前に「整体」にいったせいかな?とも思いますけど
そういう作風だよね(笑)
でも、後半はカポーティの気持ちの起伏が激しく見せ場でしたね。
たしかにあの声が続くと子守唄になってしまいそうです。会話することで緊張感は保てるんですけどねぇ・・・
日本じゃどうなんだろ・・・とか言ってみても、映画ブロガーの方はかなりご覧になっているようですね。
>charlotte様
そんなに真似する人がぁぁぁ。
俺の周りでは映画館に行く人が少なくて・・・旧作の話題ばかりになってます(汗)
彼の天才ぶりのせいか、真の姿を理解してくれる人が少なかったのも苦悩を増幅させたんでしょうねぇ。酒に溺れるのもわかりますが、離乳食に酒を混ぜるなんてのは幼児性も秘めていたんでしょうか・・・面白いところです。
>bakabros様
自分をコントロールすること。人と会話するという社交性は持ってたわけですが、そこまで彼の心をわかってくれる人がいなかったのでしょうか。
ゆれる心理描写が見事でしたね。
>misao様
そうなんですよね。
後半にすごい葛藤を持ってくるために中盤の盛り上がりに欠ける映画でした。
そんなに本物そっくりだったんですかぁ~最近の伝記映画って凄いですよね~
旦那はアメリカ人にもかかわらず途中で寝てましたよ・・・それにしてもご本人の本物の写真にそっくり・・
自分で自分をコントロール出来なくなるほど激しい、異なる2つの想いに引き裂かれていく、カポーティの心の動きが鮮烈な印象を残す映画でした。
どうも彼の真似が私の周りでは流行ってまして。
クレヨンしんちゃんに迫る勢いです。爆
・・・結構この独特な毒のある外見だけがクローズアップされがちかなと思ってましたが、見てみたらホフマンをちょこっと見直しました。
カポーティってウォッカばかり飲んでいたようですが、そういうものに逃避したくなる気持ちが結構痛々しくて、その後の人生を変えてしまうほどのめりこんでいたんだなと思うとやりきれないです・・・
わたしも あのシーモア演じるカポーティの声が
子守り歌になりそうで、、、、
あちらの評論家たちが好きそうな作品だなぁ、と
思っちゃいました。
期待しすぎたかな。。。
『冷血』観たいで~~す。
最近wowowで見たのは『吸血鬼』。
ちょっと違いました(笑)
俺も2度目はしばらく遠慮したいのですが、もう1度あの心理変化を楽しみたかったりもします・・・
>ミチ様
なりすまし事件での心労お察しします。
「アラバマ物語は駄作だ」という台詞がかなりいい味付けだと思いましたよ。犯罪者(被告人)を救うという点で自分と重ね合わせたのでしょうね~それとも「そんなに簡単に被告人を助けることはできない」ということを言いたかったのかもしれませんね。
ネルもちょっと謎があったりして、この人も伝記化されるのでしょうか・・・
>とらねこ様
いや、実は最近見たのです(汗)
そんなの覚えれるわけないじゃないですかぁ~~(笑)
『アラバマ物語』は泣けましたよ。
あれだけ昔の映画なの人種差別をしっかり描いていたことにも驚かされました。機会があればぜひ!
kossyさんよく覚えててスラスラ出てきますね♪
『アラバマ物語』って名作なんですね、見てみたくなりました。
この映画の中でカポーティが『アラバマ物語』をイマイチといっているシーンがありましたが、オイオイ!って思ってしまいましたよ~(笑)
あれは名作ですよね~。
いつも寄り添っていたネルの存在がとても印象深いです。
アカデミー最優秀男優賞受賞は納得なんですが・・・
やっぱこの映画好きじゃないなぁ(^^;