子育てファンクラブ高知

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「すくすくの森」と子どもたち~21年の歩み~・・・連載7 「すくすくの森」でのルール 2

2010年12月14日 | 保育所・幼稚園

若草幼稚園 岡林道生 園長にご相談して、「高知ファンクラブ」でも連載させていただく事にしました。 

高知市若草南町にある若草幼稚園は、幼稚園が所有する「すくすくの森」を活用した体験教育を早くから実施している事で有名です。

いま全国的な盛り上がりの中で、高知市神田の「アジロ山自然の森」をはじめ、県下でも「森のようちえん」に関する取り組みが高まって来ています。

この盛り上がりを一過性のブームに終わらせないで、

森林率84%で全国一を誇る、"森の国・高知"ならではの、「かしこくてたくましいこどもを育てたい」という、親をはじめとする、みんなの共通の願いを実現するための、取り組みの大切な一つとして、「もりのなかでこどもはかがやく」を応援していけたら・・・と考えています。

先進の「若草幼稚園」と連携しながら、高知にふさわしい「森のようちえん」について、今後特集しながら、みんなで考えて行けたら・・・と思っています。 

すくすくの森で、焼いもイベント・・・若草幼稚園児に同行しました

若草幼稚園 「すくすくの森」と子どもたち~21年の歩み~・・・連載1

若草幼稚園 「すくすくの森」と子どもたち連載2 社会の変化と子どもの問題

若草幼稚園 「すくすくの森」と子どもたち連載3 「すくすくの森」との出会い

若草幼稚園 「すくすくの森」と子どもたち~連載4 「すくすくの森」について1

若草幼稚園 「すくすくの森」と子どもたち~連載5 「すくすくの森」について 2

若草幼稚園 「すくすくの森」と子どもたち~連載6 「すくすくの森」でのルール 1

 

 

sukusukunomorig2.jpg「すくすくの森」と子どもたち21年の歩み~

                              若草幼稚園 岡林道生

  

 

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3 「すくすくの森」でのルール  (前号よりのつづきです

、   ハチに会ったら、しゃがんで、ゆっくり後ろ向きに離れます。(ジェスチャーで示す)そして、先生にハチがいたよーと教えてください。 

 スズメバチはまず、「これ以上近づくな」という偵察役のハチが飛んできます。見つけたら、みんなでそのエリアからすぐ離れることにしています。

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 七、   木の枝を振り回したり、石を投げません。 

子どもたち(特に男の子)は、木の棒が大好きですが、大勢で行くこと、木々に囲まれて空間が狭いこと等があって危険度が高いので止めています。また、斜面で石を投げると、下に友だちがいるのに気づかないことがあり、当たって大怪我をする危険性があります。

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八、   急な坂道は走りません。 

 森の中でケガをする子どもはいませんが、セメントの急な坂道を走り下りて転び、顔面に大ケガをする子どもがいました。特にその坂道は走らないことにしています。

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九、   木の枝やお花を勝手に折ったり、とったりしません。山のものは、帰るときにはお山に返します。 

 白つめ草で冠を作ったり、花の茎で遊んだり、銭ゴケで耳のそばで割る音を楽しんだり、製作用に葉っぱをとったり、どんぐりを集めたりしますが、森のものは森に返すことを基本にしています。

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動物の場合は、自分の家族関係に置き換えて「どうなるの?」と問いかけています。草花や木の実も自分たちのものだけではなく他の動物の餌でもある話を、命のつながり等を題材とした絵本を通して話していきます。 

また、絶滅危惧種もあるので、みんなで気をつけるようにしています。2008年には動物の生態系の頂点と言われる猛禽類ふくろうもこの森にやってきました。「すくすくの森」の豊かな生態系を壊さない為にも、森のものは森に返すことが本当だと思います。  

十、   笛が鳴ったら先生のところに集まります。 

 子どもたちは、三角広場、わんぱくの森、冒険の森などと名づけられたエリアごとに遊びます。一つのエリアはかなりの広さがあり、集合の合図が必要です。一度目の笛はお弁当、二度目の笛は帰る支度と決めていますが、何かあったときも笛の合図で知らせることになっています。 

 毎回聞かされるこのルールは、話し終えるまで10分くらいはかかります。年長児になりますと百回近く聞かされることになるのですが、もう知っていると話をさえぎる子どもはなく、毎回、耳を傾けて聞きます。 

聞いて、理解して、確かめて、守っていかなければ生命に直結すると思わせる力が森にはあるのでしょう。だからこそ私たちは、80数名の子どもを保育者6人だけで連れていくことができるのです。

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 次回は、「すくすくの森」で遊ぶ子どもたちの具体的な姿から、そこで育まれていくものについて述べたいと思います。 

(注)河合雅雄、「子どもと自然」、岩波新書、1990、p223 

(文中の画像は、若草幼稚園より提供していただいたものを中心に、編集者が選んで挿入したものです)  〔『保育の実践と研究』(第15巻第2号)より転載〕 

 

HN:ちるどれん

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