子育てファンクラブ高知

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連載第4回 若草幼稚園「すくすくの森」と子どもたち・・・生命の尊さと生命のつながりを学ぶ(その5)

2011年11月23日 | 携帯からの記事

連載第4回 若草幼稚園「すくすくの森」と子どもたち・・・生命の尊さと生命のつながりを学ぶ

 (その3 生き物にはそれぞれに生きる場所がある ④森の中で)

 

       高知市若草幼稚園 園長 岡林道生 執筆 〔『保育の実践と研究』(第16巻第1号)より転載〕

 

4 森の中で

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 季節は巡ります。春、夏、秋、冬と毎年花が咲き、実がなり、さまざまな生き物が森に集います。一見同じように見える森は、決して同じではありません。自然の営みは、ゆっくり変化しているように見えて、めまぐるしい程の変化も見せます。一日として同じではありません。

そんな森の中で子どもたちは縦横無尽に駆け巡り、時に足を止め、座り込み、季節の移ろいに身をゆだねて遊びます。風の音、木々のざわめきに驚き、水の流れる音、鳥の声、虫の声に耳を澄ませます。また季節ごとに咲く花に目を留め、かぐかわしい香りに囲まれて、自然の贈り物に舌鼓を打ちます。そして、自然が落としてくれたものをおもちゃや道具にして夢中になって遊びます。

さまざまな体験の中で、子どもたちは生命の息吹を感じ、それを慈しむ心を育んでいきます。だから、保育者の話や絵本、図鑑で知った大切なことを素直に受け入れて、実行します。

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生命は自分だけのものではないこと、家族やまわりにいる人々のものでもあること、生命を育むためには、それぞれにふさわしい生きる場所があること、生命はつながっていて、それぞれが生きるために、子孫を残すために工夫して生きていること、簡単そうに見えて実は一生懸命生きていることが、わかってくるのです。

生命の営みやつながりを学ぶと、自分だけが嬉しくても楽しくてもいけないと感じるようになります。だからこそ、約束事が生まれます。

こうした子どもの育ちを支えていく上で、やはり、大人の存在は欠かせません。感性が問われることは言うまでもなく、私たち大人が、生命の輝きに気づいていなければなりません。しかし、森は、大人にもこの生命の輝きを教えてくれ、感性を開かせてくれます。森においでよ、多くの生命輝くところへ。

(注)こうやすすむ、「どんぐり」、『かがくのとも傑作集』、福音館書店、1983

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連載第4回 若草幼稚園「すくすくの森」と子どもたち・・・生命の尊さと生命のつながりを学ぶ(その1 )

2011年08月27日 | 携帯からの記事

連載第4回 若草幼稚園「すくすくの森」と子どもたち・・・生命の尊さと生命のつながりを学ぶ

 (その1 自分だけのものではない生命 )

       高知市若草幼稚園 園長 岡林道生 執筆 〔『保育の実践と研究』(第16巻第1号)より転載〕

 

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生命の尊さと生命のつながりを学ぶ 

 

 すくすくの森には多くの生命の営みがあります。その生命の営みに囲まれて子どもたちは一日を過ごします。草花を摘み、虫や小さな生き物を追いかけ、捕まえて遊びます。その行為が相手の生命を奪っているとか、そこに暮らす動植物の生命の営みに影響を及ぼすなどとはその時は気づきません。

 

しかし、虫や小さな生き物に対する親しみが増すに連れて、彼らにも家族がいるに違いないと考えるようになったり、なぜ草花はそこに咲くのだろうと考えるようになります。そして先生と一緒に「どうしてかな」と考えたり、絵本や図鑑をひもときます。そのなかで、自然の中にあるものは、それぞれに役割があり、つながりあって生きているということがわかるようになります。

 

すると子どもたちは、段々、むやみに花を摘んだり、虫を捕まえて乱暴に扱ったりしなくなります。以下では、子どもたちが実際に生命とかかわる中で、何を感じ、何を学んでいくのかについて述べていきたいと思います。

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Ⅰ 自分だけのものではない生命 

  

あるとき、昆虫の大好きなU太とU輝が、すくすくの森に着くとさっそく虫探しに草むらへと入って行きました。草が少し動いたことに目ざとく気づき、「何かおる」とU太、「どこ、どこ」とU輝、「そこよね、そこ」とU太が言いながら指をさすと、カマキリがごそごそと動いていました。「ほんとや捕まえよ」と言うや否やカマキリはU太の指にはさまれていました。

 

U輝「おっ怒っちゅうでこのカマキリ、見て、カマを振り上げて、おもしろいね」 

U太「ほんまや、ほんまや」 

U輝「なんで怒るがやろうかね」

U太「つかまるがが嫌やきよ」

U輝「そうでね」

U太「けんど、せっかくつかまえたきよ、幼稚園に持って帰って飼おうよ」

U輝「そうしよう、そうしよう、虫かごもあるきよ」

U太「先生によ言わないかん、黙って持って帰ったらいかんで。」

U輝「園長先生どう思う?」と側にいた私に聞いてきました。

私「どうかな。幼稚園に持って帰ってうまく飼えるかな。」

U太「大丈夫でね」U輝「大丈夫で。」そして、二人は担任を探して歩き始めました。

U太「U輝くん、このカマキリよ、ちょっと小さいね、子どもやろか」

U輝「そうでね、大人のカマキリはもっともっと大きいでね」

U太「そうでね」

 

二人は向かい合ってしばらくカマキリを上にしたり下にしたりして眺めていました。カマキリは、観念したのか、疲れたのか、もう抗うこともなく、指の間で目を右に左に動かすばかりです。

 

U輝「もし子どもやったらどうする?」

U太「連れて行かれたら一人になるで、寂しいでね」

私「そうか、カマキリにも家族がおるもんね。」

U輝「お父さんお母さんが探すかも知れんし」

U太「もとのところに返しちゃる?」

U輝「そうでね、そうしよう」

 

 また、ここにくれば会えるだろうし、今度会った時には大人になっているのかもしれないと、二人はもとの所にカマキリを返しに行きました。きっと、おとなしくなってしまったカマキリが、かわいそうになったのでしょう。子どもたちは、生き物の形や大きさから、自分や自分の家族に重ねて考えることがよくあります。この時も、このカマキリが子どもなら自分、自分だったら家族がいると思ったに違いありません。二人は勇んでカマキリを返しに行き、放ったときはホッとした表情さえ見せました。

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 このエピソードに限らず、子どもたちは虫やカエル、イモリ等いろいろな小さな生き物を捕まえて遊びます。大事そうに持っていると大概、まわりに友だちが集まってきます。そして、「それは何?何処で捕まえたが」から会話が始まり、捕まえたものを見ながら、捕まえた物の色や形、感触等について会話が弾んでいきます。

 

捕まえた物の家族構成に話がいくのは、子どもの特性なのでしょうか。以前、私たちが子どもに投げかけた言葉が脈々と受け継がれているのでしょうか。不思議にこれはお父さんやろか、お母さんやろか、子どもやろかと話が進んでいきます。そして、いなくなったら寂しいに違いない、悲しむに違いないと言い、帰る時には元いた場所か近くの草むらに返して帰ります。

 

子どもたちは、このような経験を繰り返しながら、生命は自分だけのものではなく、まわりの人々にとっても大切なものだということがわかってきます。

 

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連載第3回 若草幼稚園「すくすくの森」と子どもたち・・・知的好奇心を育む(その7 年少児から年長児へ )

2011年04月02日 | 携帯からの記事

連載第3回 若草幼稚園「すくすくの森」と子どもたち・・・知的好奇心を育む(その7 年少児から年長児への育ちと知的好奇心 )

          高知市若草幼稚園 園長 岡林道生 執筆 〔『保育の実践と研究』(第15巻第4号)より転載〕

 

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3.知的好奇心を育む 

(5)年少児から年長児への育ちと知的好奇心 

年少児は、出会うもの全てに驚きながら、模倣を通して対象物が何であるのかにせまっているようです。知の扉を開く時期と言えるでしょう。

 

そして、年中児になると、自分の姿、形、生活の仕方を通して、あれはなんだろう、どうしてだろうと考えるようになります。興味、関心をもった物にこだわり、虚と実を行ったり来たりしながら、対象物を自分とは違うものとして見ることができるようになります。

 

年長児になると、相手を対象化できるようになり、自分とは違う存在を「知る」ことの喜びが膨らんできます。そして、知るために、聞く、調べるといった具体的な方法を用いて、対象物の在り様を理解できるようになるのです。

 

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 友だち同士のかかわりにも特徴があります。

年少児は、同じ空間を共有するなかで、自分と同じように楽しむ他者の存在を感じていきます。

 

年中児は、同じ興味、関心を持つもの同士で様々なことを語り合い、つながりを深めていきます。

 

年長児になると、それぞれの興味や関心にしたがってわかったことを情報化して伝え合い、お互いに刺激し合ながら知の世界を深め、広げていきます。

 

子どもたちは、すくすくの森で多くの物に出会い、多くの出来事に出会います。見て、聞いて、触れて、身体と心を動かして、それぞれの時期における知的好奇心を満たしていきます。急ぐことなく、この発達のプロセスをしっかりと通過していくことが、とても大切だと思います。

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連載第3回 若草幼稚園「すくすくの森」と子どもたち・・・知的好奇心を育む(その6 対象化する年長児 )

2011年04月02日 | 携帯からの記事

連載第3回 若草幼稚園「すくすくの森」と子どもたち・・・知的好奇心を育む(その6 対象化する年長児 )

          高知市若草幼稚園 園長 岡林道生 執筆 〔『保育の実践と研究』(第15巻第4号)より転載〕

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3.知的好奇心を育む 

(4)対象化する年長児 

出会うものに驚き、その動きに同調し、模倣しながら身体で違いを感じるような年少の時期、自分の姿、形、生活の仕方と比較しながら対象物が何か、なぜそうなっているのかを知ろうとする年中の時期を経て、年長児は出会うものを対象化して、ありのままに捉えることができるようになります。そして、それが何か、何故そうなっているのかについて知ろうとする意欲や態度が著しく育っていきます。 

 

②知の深まりと広がり

 

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 年長児になると、知的探究心が旺盛になり、聞く、調べるということを積極的に行います。興味や関心を持ったものについて、名前だけでなく色々なことを知りたくなります。

 

卵から幼虫、幼虫から成虫になる蛾や蝶の仲間、池に産卵するトンボの様子、そしてヤゴからトンボへ、卵からオタマジャクシ、やがてカエルになっていく様子をつぶさに見る子どもたちは、その生態に興味を持つようになります。

 

そこから、仲間について語るようになり、分類らしきこともするようになります。また、どんな所に住み、どんな物を食べているのかも積極的に調べます。

 

花が咲いて実がなり、落ちて芽が出る様子を見て、なぜ実を落とすのだろうと考え始めます。絵本や物語を通して、生き物の営みや生態系のことを知ると、森にあるものを大切にしようとする心も芽生えてきます。森は、知の宝庫です。

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連載第3回 若草幼稚園「すくすくの森」と子どもたち・・・知的好奇心を育む(その5 対象化する年長児 )

2011年04月02日 | 携帯からの記事

連載第3回 若草幼稚園「すくすくの森」と子どもたち・・・知的好奇心を育む(その5 対象化する年長児 )

          高知市若草幼稚園 園長 岡林道生 執筆 〔『保育の実践と研究』(第15巻第4号)より転載〕

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3.知的好奇心を育む 

(4)対象化する年長児 

出会うものに驚き、その動きに同調し、模倣しながら身体で違いを感じるような年少の時期、自分の姿、形、生活の仕方と比較しながら対象物が何か、なぜそうなっているのかを知ろうとする年中の時期を経て、年長児は出会うものを対象化して、ありのままに捉えることができるようになります。そして、それが何か、何故そうなっているのかについて知ろうとする意欲や態度が著しく育っていきます。

 

①よく見る、試す、調べる、比べる、わかる

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 すくすくの森は、目に付くもので125種の昆虫がおり、虫が好きな子どもにとっては垂涎の的です。ある時、T先生が草の幹に捕まっている4cmほどの幼虫を手に「これ何かなー。」とつぶやきました。

目ざといUくんが「虫や!」と走り寄るとNくんも飛んできて、「虫やないで幼虫で。」と言いました。すると「幼虫も虫で、」と言い返し、「そうやないで。」と言い合っているところに、Yくんがやってきて「何の幼虫やろうか。」と言いました。「うーん、わからん。」とUくん。通りかかったAくんとHくんも仲間に入り、先生を囲んでそれぞれが思いつくことを口々に言い始めました。

 

A「先生、貸して。(幼虫を目の高さに持っていき) 

ウーン、どっちが頭でどっちがお尻やろう。」 

(ここで、取り合いになりますが、通りかかったKさんにケンカしていてはわからないままだといわれ、気を取り直して虫に集中します。)

A「あのよー、おじいちゃんが尖っちゅう方がお尻って教えてくれたで」

H「両方尖がってんじゃん。」

A「けんどよー、ちょっとこっちが尖っちゅうでね。」

他の4人は、半信半疑の様子で幼虫をながめています。身じろぎもしない幼虫に

H「動けばわかるんじゃない?前がさー、頭で後ろがお尻でしょ。」

U「けど後じさりするかもよ。」N「触ってみる?うごくかもしれん」

Y「どうやって触る?」N「毛虫かもしれん」Y「毛は無いで、Nくん、触ってみたら?」

H「そっとさー、触ったら大丈夫じゃないの?大丈夫だよ。」

そしたらHくんが触れと、5人はグロテスクな幼虫に少し怖気づいてるようです。Hくんは、触らないで息を大きく吹きかけました。「動いた!!」と5人。虫は、草にぶら下がるようにして動いています。

K「あっ、逆さになっちゅう、落ちん!」(走ってきて、こう言うとまたどこかへ)

U「えっ、本当や何で落ちんが」Y「見てみ、足がいっぱいあって草にくっついちゅう。」

A「足がタコの吸盤みたいになっちゅうでね。」

Hが今度は手で押すように触ると、幼虫は緑の小さな固まりを排泄しました。

U「あっ、ウンコした。」

A「やっぱりおじいちゃんの言うとおりや、尖っちゅう方がお尻やった。ウンチした方が尖っちゅうで、ほら。」今度は4人とも頷きながら、

N「この幼虫は、草を食べるがでね、ウンチ草色やきね。」

U「そうそう、僕らーも食べた色のウンコが出るき。」

N「触ったき、腸が動いたがやろうかね。」

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このように、5人は幼虫に出会ってから40分以上も、見て、触って、持っている知識や意見を交換し続けていました。5人は、蛾の幼虫か蝶の幼虫であるところまで推測し、そこで帰る笛がなってしまいました。

この幼虫が何の幼虫か知りたい気持ちが強く、持って帰りたいといいましたが、すくすくの森の約束ではもって帰らないことになっています。「写真に撮ってもらう」とUが言い、みんなでそうしてもらおうということになりました。

Uが担任の先生に頼みに行き、「先生がね、絵に描いて行きややと。」と戻ってきました。紙と鉛筆を使って、Aが描き始めました。描いている様子を見て周りの仲間が「そんなに大きくないじゃん。」などというので、一度Hに交代し、また「もう少し小さい。」「足がそこにない。」と周りが言うので、なんと私にまわってきました。

「えっ、先生が?」というとUくんが「もう時間がないし、急がんといかんし、園長先生絵が上手ながやろ。」とどきっとする発言ですが、ここは度胸で引き受けました。それから、ああじゃない、こうじゃない、ここが違う、そこが違う、足の数、点々の数、背中には毛もあるといわれ、「うるさいなー」と思いながらもその観察力に感心しました。

担任がやってくると、「まぁまぁに園長先生が描いてくれたき、帰ったら図鑑で調べるが」とのこと、担任のねらいはわかっていたので思わず私と担任で顔を見合わせ笑いました。

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 幼稚園に戻ると、手洗いうがいを済ませて5人は図鑑にまっしぐらです。昆虫図鑑を真ん中に顔を寄せ合って、調べ始めました。最初は、絵と見比べるというよりは、それぞれの記憶している特徴をああでもない、こうでもないといいながら調べており、キマダラヒカゲかヒメアカタテバ、キタテハ、アカタテハではないかというところまで突き止めました。

そこから、図鑑と、記憶と絵を比較し始め、キマダラヒカゲには毛がなく、キタテハは小さいということで、アカタテハかヒメアカタテバということになりました。そこでAがすくすくの森でアカタテハが飛んでいたと言い、他の子どもも見たことがあるということで、アカタテハと言うことになりました。

しかし、足と毛の生え方からいってすっかり納得したわけではなく、今度行ったらもう一度見つけるといっていました。他の子どもたちも、図鑑を手に取り、その日出会った生き物について色々と調べ、意見交換しています。その姿はとても生き生きとしていて、知る喜びとそれを共有する喜びにあふれています。

 

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連載第3回 若草幼稚園「すくすくの森」と子どもたち・・・知的好奇心を育む(その3 年中児の知的好奇心)

2011年03月25日 | 携帯からの記事

連載第3回 若草幼稚園「すくすくの森」と子どもたち・・・知的好奇心を育む(その3 年中児の知的好奇心)

           高知市若草幼稚園 園長 岡林道生 執筆 〔『保育の実践と研究』(第15巻第4号)より転載〕


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3.知的好奇心を育む 

(3)年中児の知的好奇心(興味、関心)の特徴

 

①自分の姿、形、生活の仕方を通して、興味、関心を持つ

 

 年中児になると、年少の時に比べて色々なことに気づいてよく質問してくるようになります。その年中児の質問には特徴があって、自分の姿、形や生活の仕方を通して質問してきます。 

A「先生」

T「なんですか?」

A「あのよー」の後、しばらく間があくので、

T「うん?何?」

A「あのよー」

T「何?」

A「先生、」

T「何を聞きたいが?」

A「あのよ、先生、イチョウの木は葉っぱを落としてしまうろう。」

T「そうね、秋になったら黄色くなって落ちてしまうね。」

A「なんでかなー。僕は寒くなったら洋服今よりもっと着るでねー。イチョウの木は服を脱いでしもうて、寒うないろうか。」

T「ほんとうね、寒うないろうかね」

と、こんな具合です。

ある時、森を奥へ進んだ谷川の手前でMくんが念願のカブトムシを見つけました。大喜びです。「みんなー、カブトムシがおったでー。」と知らせ、男の子数人が飛ぶようにしてかけつけました。

カブトムシがいることはわかっていましたが、なかなか見つからないで本当にいるのかどうかも疑っていたくらいでしたから、先生も駆けつけました。あまり大きなものではありませんでしたが、正真正銘、オスのカブトムシでした。ワイワイガヤガヤいうなかで、見つけたO君くんがカブトムシをひっくり返し、「どれが手?」と言い出しました。

S「えっ、足が6本で。」

M「けんどよ、僕には手と足がある。カブトムシにはなんで手がないがよ。

  先生、手が本当に無いが?」

S「無い。無いがよねー。人間と違うき。」

M「カブトムシはよ、ケンカするとき、どんなにするが?」

S「ケンカする時は、前足を使うが。」

M「えっ、蹴るが?」S「違うで、掴むがで。」

M「ほら、掴むがやったら手やんか、ねー、先生。」

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と、同意を求めるMくんの横でSくんが「ウーン」と考え始めました。カマキリを見つけたときも、MくんとSくんの仲間は、大人か子どもかオスかメスかで喧々諤諤です。

「大きいき、お父さん。家で一番大きいもんね。」「僕、もっと大きいカマキリ見たことあるで。お母さんやない?」「お母さんやったらお腹が大きいで。」「えっ、けんど僕のお母さんはお腹大きくないで。」「やっぱり子どもやない?」「子どもやったら、もっと小さいで。僕らーと同じくらいやない?」「えっ、そしたら若草幼稚園に行くが?」「行くわけないやん、虫やき。」「けどここは若草幼稚園の森でね。」「やっぱり僕らーと一緒くらいの年でねー。」とへんな納得の仕方に吹き出すしかありませんが、年中児の疑問や質問、互いの会話の多くは、このように自分を通して行われます。

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「すくすくの森」と子どもたち~21年の歩み~・・・連載2 社会の変化と子どもの問題

2010年12月07日 | 携帯からの記事

若草幼稚園 岡林道生 園長にご相談して、「高知ファンクラブ」でも連載させていただく事にしました。

高知市若草南町にある若草幼稚園は、幼稚園が所有する「すくすくの森」を活用した体験教育を早くから実施している事で有名です。

いま全国的な盛り上がりの中で、高知市神田の「アジロ山自然の森」をはじめ、県下でも「森のようちえん」に関する取り組みが高まって来ています。

この盛り上がりを一過性のブームに終わらせないで、

森林率84%で全国一を誇る、"森の国・高知"ならではの、「かしこくてたくましいこどもを育てたい」という、親をはじめとする、みんなの共通の願いを実現するための、取り組みの大切な一つとして、「もりのなかでこどもはかがやく」を応援していけたら・・・と考えています。

先進の「若草幼稚園」と連携しながら、高知にふさわしい「森のようちえん」について、今後特集しながら、みんなで考えて行けたら・・・と思っています。

すくすくの森で、焼いもイベント・・・若草幼稚園児に同行しました

 

「すくすくの森」と子どもたち21年の歩み~

若草幼稚園 岡林道生

  

  

1 なぜ子どもたちに森を

 

  

(2)            社会の変化と子どもの問題

 

 高度経済成長とともに、子どもたちの遊び場が失われていったことは周知の事実です。所々に公園が設置されていても、もはや子ども一人で自由に行ける場所ではありません。そして今の子どもたちは、戸外で友達と遊ばなくても十分に楽しめて夢中になれるテレビやビデオ、ゲームなどで多くの時間を費やすようになりました。

  

 

CIMG0616.jpg今から、32年前のことだったと思います。3歳で入園してきたAくんは、幼稚園にいる間中、ガッチャマンのポーズをとりながら「ガッチャマン、ガッチャマン、」といって走り回り、何を聞いても「ガッチャンマン」としか答えませんでした。お母さんに聞いたところ、赤ちゃんの頃からガッチャンマンのテレビが大好きで、それを見ていればおとなしくしているので、起きている殆どの時間をそれで過ごしていたのです。また、そのことにお母さん自身もまったく問題を感じてこなかったようでした。

  

Aくんの姿は極端な例であるにしても、戸外で群れて遊ぶ条件を失うことで、子どもたちが段々変わってきていることが肌で感じられました。自ら戸外に出て身体を使って遊ぼうとしない子ども、汚れることが嫌いな子ども、暑さや寒さに弱くなり、ちょっとした環境の変化に戸惑い、泣く子どもが多くなりました。

  

また、自分の気持ちを相手にうまく伝えられなかったり、すぐにあきらめたり、衝動的なふるまいをする子どもも増えてきたように思いました。気になる子どもが目にとまるようになり、何かがおかしいと感じるようになりました。

  

 

CIMG0619.jpg河合雅雄氏は「子どもと自然」のなかで、「私がことあるごとに自然に親しもうと呼びかけてきたのは、密室から出て物との対話から離れ、いのちあるものとの対話の日常を親しむようにしないと、感性は潤いを失って無機質になり、やがて萎縮してしまうのを恐れるからである。」(注)と述べています。

  

この本には後年出会い、多くの示唆を受けたのですが、自然の中にいる子どもたちは、水を得た魚のように本来の力を発揮し、生き生きと活動します。もっと、子どもたちを自然の中に連れ出したい、生命のあるものに触れる生活をさせてやりたい、このような思いをのせて、森探しが始まりました。

 

 

CIMG0119.jpg(文中の画像は、若草幼稚園より提供していただいたものを中心に、編集者が選んで挿入したものです) 

                  〔『保育の実践と研究』(第15巻第2号)より転載〕

 

 

 

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2010年10月26日 | 携帯からの記事
10月11日、快晴の秋空の下、鏡川トリム公園で第1回鏡川こども祭が開催されました。

10月11日、 第1回  鏡 川 こ ど も 祭

実行委員会の予想をはるかに上回る、千人を超える親子が参加して、ボランティア団体に用意していただいた15を超える体験型メニューに、じっくりと取り組んでいました。



第1回鏡川こども祭・・・沢山の親子でにぎわいました(その1)オープニング・川の中の生き物探し

第1回鏡川こども祭・・・沢山の親子でにぎわいました(その2) 貝の話と水質検査・アユの生態ほか

第1回鏡川こども祭・・・沢山の親子でにぎわいました(その3)  水切り大会

第1回鏡川こども祭・・・沢山の親子でにぎわいました(その4) いかだに乗って遊ぼう!

第1回鏡川こども祭・・・沢山の親子でにぎわいました(その5) "けん玉大会"

第1回鏡川こども祭・・・沢山の親子でにぎわいました(その6) ドミノ倒し

第1回鏡川こども祭・・・沢山の親子でにぎわいました(その7) 川の安全の話


第1回鏡川こども祭・・・沢山の親子でにぎわいました(その8) 

岩崎弥太郎が語る坂本龍馬の紙芝居



あれ、ヒゲをはやしたこの人は、だれでしょう?岩崎弥太郎さんでは、ないですか!

皆さん、弥太郎さんが、おいでてます。弥太郎さんが、この鏡川で、遊んだ坂本龍馬のことをおはなししてくれますよ。

本部前に集まって、集まって!紙芝居が、始まります。

それでは、岩崎弥太郎さんこと宮本典晃(のりあき)さん、お願いします。













岩崎弥太郎が語る「龍馬ものがたり」・・・高知駅前で紙芝居を実演中!


キリンビール元高知支店長の宮本さんの紙芝居・・・岩崎弥太郎が語る「龍馬ものがたり」

休日には、高知駅前にある土佐・龍馬であい博会場で実演されているそうですが、この会場でも"大うけ"でした。

3月21日、第26回龍馬脱藩祭を和霊神社(高知市神田)で開催!その5



岩崎弥太郎が語る「龍馬ものがたり」・・・紙芝居の宮本典晃 さんに関する記事



HN:鏡川

”鏡川こども祭”に関するページ

鏡川流域の情報交流会 に関するページ

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県立池公園 に関する記事

2009年08月18日 | 携帯からの記事
県立池公園 に関する記事







県立池公園・・・わんぱく広場

高知市池、高知医療センターの南、トンネルの手前を東に入ります。

主な施設:テニスコート・エントランス広場、遊具・公衆トイレ(男女・身障者)・ビオト-プ・駐車場



お勧め記事:県立 池 公園




県立池公園・・・わんぱく広場のご案内



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