若草幼稚園 岡林道生 園長にご相談して、「高知ファンクラブ」でも連載させていただく事にしました。
高知市若草南町にある若草幼稚園は、幼稚園が所有する「すくすくの森」を活用した体験教育を早くから実施している事で有名です。
いま全国的な盛り上がりの中で、高知市神田の「アジロ山自然の森」をはじめ、県下でも「森のようちえん」に関する取り組みが高まって来ています。
この盛り上がりを一過性のブームに終わらせないで、
森林率84%で全国一を誇る、"森の国・高知"ならではの、「かしこくてたくましいこどもを育てたい」という、親をはじめとする、みんなの共通の願いを実現するための、取り組みの大切な一つとして、「もりのなかでこどもはかがやく」を応援していけたら・・・と考えています。
先進の「若草幼稚園」と連携しながら、高知にふさわしい「森のようちえん」について、今後特集しながら、みんなで考えて行けたら・・・と思っています。
すくすくの森で、焼いもイベント・・・若草幼稚園児に同行しました
若草幼稚園 「すくすくの森」と子どもたち~21年の歩み~・・・連載1
若草幼稚園 「すくすくの森」と子どもたち~連載2 社会の変化と子どもの問題
若草幼稚園 「すくすくの森」と子どもたち~連載3 「すくすくの森」との出会い
「すくすくの森」と子どもたち~21年の歩み~
若草幼稚園 岡林道生
2 「すくすくの森」について
若草幼稚園は、高知市西部の住宅街にあり、周りにはまだ所々に田畑が残っています。「すくすくの森」は、この園からスクールバスで10分ほどのところにあります。広さは、3300坪、431種の植物、昆虫類が目につくもので125種、両生類が4種、哺乳類が6種、爬虫類が5種、野鳥が33種、確認されています。その中には、絶滅危惧種が植物で7種、動物で4種も含まれています。
スクールバスを降りて、果樹園を上に登ると「三角広場」と呼んでいる原っぱがあります。そして、木いちご、梅、びわ、山桃やすもも、柿の木の間にある小道をたどると、岩山から滝の流れ落ちる池があります。この池には、岩亀やヤモリ、カエルやミズスマシ、トンボなどが住んでいます。野鳥は、この池を水場に集まっ
てきます。
池を過ぎると竹林があり、子どもたちの「すくすくの森」遊びは、この竹林の竹の子堀から始まります。竹林を通っていくと、突然視界がさえぎられ、ひんやりとした空気と静けさに足が止まります。中を覗くようにしながら、大きく深呼吸をして一歩踏み込み、倒木を潜ったり飛び越えたりして小道を辿っていくと、目の前にぽっかりと穴が開いたような不思議な空間に出会います。
ここは、50年、80年以上を経て19メートルの高さを誇るアラカシやコナラ、ハゼや山桜の大木に囲まれていて、大きな岩が点在しています。木漏れ日が差し、風が遠くを渡っていくような場所です。大木だけを残して整備し、「わんぱくの森」と名づけたこの場所で、子どもたちは斜面を駆け登ったり下りたり、ロッククライミングしたりしています。子どもたちの賑やかな声が、森に吸い込まれていきます。
わんぱくの森を抜けると、雨の降った後に小さな滝ができる沢があり、時々、沢ガニに出会うこともあります。その沢の横を登っていくと巨大な岩山にぶつかります。岩山にぶつかって小道を右に行くと元に戻り、左に道をとると、太陽の光が目に飛び込んでくるように視界が開けます。
坂道を少し登るとまた原っぱに出ます。ここには、愛らしい野の花が季節を通して咲いており、昆虫たちの住家になっています。夏休みを過ぎて9月、この原っぱに足を踏み入れると、バッタやイナゴが一斉に飛び出し、そのあたりの空気の色が変わるほどです。またここには、アキグミの木があちこちにあって、冬になると子どもたちの味覚を楽しませ、渡り鳥たちのえさ場にもなっています。
HN:ちるどれん