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どうも、こんにちは。
今回は、本シリーズでも何度も登場していただきました、京都で活躍中の妖怪絵師・伝道師・葛城トオル氏に、先月(2019年7月)ドライブにつれて行っていただきました。
シリーズ前々回と前回に引き続き、その3回目は……このドライブの第一目的、毎年7月に葛川明王院で行われるという荒行「葛川夏安居(かつらがわげあんご)」に行く比叡山修行僧の一行を観に行ったレポート記事です。
シリーズ前回の続き、葛城氏の運転する車で葛川明王院を目指していきますと。
途中で「葛川夏安居(かつらがわげあんご)」へと行く比叡山修行僧の皆さんの姿を見つけることができました。
この道案内をしているのは、葛野常満(くずのじょうまん)・葛野常喜(くずのじょうき)の二人です。
葛川明王院を開基した天台宗の高僧・相応和尚(そうおうかしょう)は、この付近に住んでいた常満・常喜に案内され、さらに明王院を開いた時にこの2人に堂守を任せたという故事があり、それ以来現在でも、常満・常喜両家の血筋の人がその役割を担い続けているとされています。
そしてこの一行を率いているのが、「阿闍梨(あじゃり)」と呼ばれる高僧です。
阿闍梨とは通常、指導的立場にある高僧を指すそうですが、現在毎年この「葛川夏安居」の一行を率いているのは、比叡山千日回峰行という恐るべき荒行を成し遂げたとされる「北嶺大行満大阿闍梨」(「大行満」、「大満行者」)。まさに「生身の不動明王」ともされる超人的な高僧なのです。
因みに、その相応和尚は千日回峰行を始めた人物でもあり、鬼や怨霊を打ち負かす、皇族の病気を加持祈祷で平癒させる等の霊験譚も伝えられている異能者でもあります。
本シリーズの比叡山関連の記事でもとりあげたい人物の一人でもあります。
阿闍梨さんご一行より先に、葛川明王院を目指します。
明王院より川ひとつ隔てて隣の地主神社へ。
「葛川夏安居」の間、修行僧の皆さんは、一日一回ここに参拝する以外は、明王院の境内から一歩も出ることなく荒行に励むそうです。
地主神社から明王院の境内へ続く赤い橋。
この赤い橋を阿闍梨さんご一行が渡ってしまうとその先はもう「聖域」。
関係者以外(特に女性)は立ち入り禁止となってしまうそうです。
橋の上から、下の明王谷を流れる川を観ました。
阿闍梨さんご一行は、まずここで足を洗い、身を清めます。
ここを開基した相応和尚は、古い地主神である思古淵明神(※シリーズ前回で紹介)から夢のお告げを受け、この上流にある「三の滝」で不動明王の姿を見ます。相応和尚は滝壺に飛び込み近づくと、そこには一本の桂の古木がありました。和尚はその古木に不動明王像を刻み、小堂を建てて安置しました。それがここ明王院の起こりだと伝えられています。
余談ですが、この話をある若い女の子に、葛城氏ドライブの話と共にこの話をしたら、「極限状態で幻覚を見たんじゃないですか」という返答が。
……。
う~ん。
伝説や伝承のほとんどが実はそんなものかもしれないですが・・・しかしそれでは夢もロマンも無い(苦笑)。
その先の境内へ。
さらに長い階段を上って明王院本堂へ。
ここから本堂内へ入りますが、今回はここまで。
この続きはシリーズ次回、後編にて。
*葛川息障明王院のHP
http://www.biwa.ne.jp/~k-katura/index.html
*葛城トオル氏のTwitter
https://twitter.com/yokaido
*『京都妖怪探訪』シリーズまとめページ
https://kyotoyokai.jp/
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