京都の闇に魅せられて(新館)

高島の坂下・思子渕大明神 @ 京都妖怪探訪(644)





(記事中の写真はクリックで拡大します。プライバシー保護等の為、人の顔部分に修正を加えていることがあります)


 どうも、こんにちは。
 今回は、本シリーズでも何度も登場していただきました、京都で活躍中の妖怪絵師・伝道師・葛城トオル氏に、先月(2019年7月)ドライブにつれて行っていただきました。
 シリーズ前回に引き続き、その2回目は河童(かっぱ)の伝説が遺る「七シコブチ」のひとつ、「坂下思子渕(しこぶち)大明神」を訪れました。


 シリーズ前回の融(とおる)神社から、さらに車で進んでいきます。
 途中で降りて、小さなお堂に寄っていきます。












 礼拝していきます。
 祀られているのは薬師三尊でしょうか。








 葛川明王院(葛川息障明王院)で、毎年7月16日から20日の間、比叡山延暦寺の修行僧によって行われるという荒行「葛川夏安居(かつらがわげあんご)」。
 その日(7月16日)は、その荒行の為に比叡山修行僧の一行が葛川明王院を訪れる日なのです。
 その修行僧の一行を率いるのは、比叡山の 千日回峰行(せんにちかいほうぎょう)というもの凄い荒行を成し遂げた「大阿闍梨(北嶺大行満大阿闍梨)」という超人的な高僧です。
 実は今回の葛城氏とのドライブの第一目的は、この阿闍梨さん一行を観る為です。
 ここも一行の通るポイントのひとつだったようですが、この時既に一行は通過した後だったようです。


 さらに車で阿闍梨さん一行を追いますが、葛城氏によれば「一行が葛川明王院に到着するまでまだ時間がある」ということです。
 それを聞いた私は、「それならせっかくですから、途中でシコブチ神社に寄って頂けますか」と言ってみました。
 幸い、葛城氏やツアーに同行された皆さんにもご了承を頂けました。

 シコブチとは。
 京都府と滋賀県を流れる安曇川流域の固有信仰神である「しこぶち神」を祀る神社であり、七シコブチと呼ばれる主要な7社があるそうです。
 なおこの「思古淵(シコブチ)」は、これから目指す葛川明王院とも関係のある神様でもあるのです。葛川明王院を開基した天台・比叡山の高僧・相応和尚(そうおうかしょう)は、この地の古い地主神であった思古淵明神から夢のお告げを受けて、滝の中で不動明王に相まみえることが出来た、という伝説が遺されています。


 山道を進み、安曇川沿いにある集落を目指します。











 かつて安曇川沿いは林業が盛んで、伐採した木で筏(いかだ)に組んで運搬する「筏流し」が行われていたそうです。
 しこぶち(思古淵)神は、川下りの事故や魔物などの危険から守ってくれる神様として、信仰されていたようです。






 車を停めるスペースがありましたので、我々はそこに車を停めます。
 なお、この付近には他にも本シリーズでとりあげたくなるような妖怪伝承地もあるようです。








 が、今回はそこまで行く時間も無いので別の機会に。


 境内へ。








 ここは思古淵神を祀る七シコブチのうち、滋賀県大津市葛川坂下の坂下思古淵大明神のようです。

 さて、ここで思古淵神の伝説について。
 昔々、朽木村の筏師であった「しこぶちさん」が、山から伐りだした木で組んだ筏で息子と共に川下りをしていた時のこと。
 続が原の日ばさみという場所で、筏が岩に引っかかって立ち往生した時、河童の川太郎が現れ、息子を川底に引き込もうとしてきました。
 「しこぶちさん」は竿で川太郎の頭の皿を割って、河童に「これからはもうしません」と約束させて、息子を救い出します。
 一旦は謝罪し、逃げた川太郎でしたが、中野の赤べえという所にさしかかった時、再び川太郎が現れ、筏の航行を邪魔します。
 激怒した「しこぶちさん」は川太郎を完膚なきまでに叩きのめしました。
 川太郎は謝罪、「これからは菅笠にガマの脚半(きゃはん)をはいて、辛夷(こぶし)の竿を持っているいかだ師さんには手を出しません」と約束し、さらに約束の印として手に持っていた杉の枝を逆さに突き出しました。
 「しこぶちさん」は川太郎を許してやります。
 その後、その逆さの杉の枝が成長して、安曇川・中野の「さかさ杉」になり、「しこぶちさん」は「川の魔物を退治する神様」として祀られるようになった、と伝えられています。

 急な石段を上り、大きな岩の上に祀られている社へ。











 元は林業に従事していた普通の人間だったのが、妖怪を打ち負かしたことにより、神様にまでなった「しこぶちさん」。
 この「しこぶちさん」の人物像や、伝承に出てくる「さかさ杉」が何を意味していたのか等、現在となってはわからないことも多いようですが。
 当時の川下りがまさに命がけの仕事であり、その安全確保が重大な課題であったということは想像できます。


 礼拝を済ませた我々一行は、阿闍梨さん一行を追って、次の目的地・葛川明王院へ。





 今回はここまで。
 シリーズ次回は葛城氏とのドライブ3回目の記事です。




*坂下・思古淵大明神の周辺地図はこちら



*融神社のHP(滋賀神社庁より)
http://www.shiga-jinjacho.jp/ycBBS/Board.cgi/02_jinja_db/db/ycDB_02jinja-pc-detail.html?mode:view=1&view:oid=4




*葛城トオル氏のTwitter
https://twitter.com/yokaido





*『京都妖怪探訪』シリーズまとめページ
https://kyotoyokai.jp/




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