「一条百鬼夜行」や「モノノケ市」、「妖怪電車」に「三井寺妖怪ナイト」など、これまでの多くの妖怪イベントを開催してきた妖怪藝術団体『百妖箱』。
その『百妖箱』が、酒所としても有名な伏見で、今年(2023年、令和5年)の11月4~5日に開催した大規模イベント、『伏見モノノケ市』と『伏見百鬼夜行』と、そして『伏見妖怪酒まつり』。
なんと妖怪イベントやグッズだけでなく、「利き酒会」や、地元のコラボ店の食べ歩きなど、妖怪コンテンツだけでなく、酒とグルメも楽しめるという、何とも欲張りで贅沢な、そして面白いお祭りが。
これは是非とも参加したい。
というわけで、11月の4・5日の両日に行ってきました。
今回と次回との2回に渡って、そのレポート記事を。
最寄りの交通機関には、近鉄「桃山御陵前」駅か、もしくは京阪電車「伏見桃山」駅があります。
1日目は前者から、2日目は後者で行きましたが、大手筋通りを東へ。
大きな鳥居をくぐったその先に、『伏見妖怪酒まつり』のメイン会場ともいうべき御香宮神社の門が見えます。
この御香宮神社にも妖怪伝承があったのですが、それについて詳細は今回は省略し、それはまたシリーズ別の機会に。
今回は『伏見妖怪酒まつり』の話に絞ります。
この時は昼過ぎ頃ですが、門には看板が。
とは言っても、多くの屋台やブースが並ぶ境内参道はまだ準備中だったようです。
っと思っていたら、妖怪さんの一人が迎えてくれたり。
とはいえ、各出店が開かれるのはまだ先なので、一旦は近鉄電車で「東寺」駅から「東寺・みほとけ行脚」へと行ってきます。
その後、15時過ぎてから再び訪れたら・・・。
ご覧の通り、各屋台やブースが既に出揃っていて、多くの人で賑わっていました。
「伏見百鬼夜行」の一般参加者と思われる妖怪さんたちも。
この時既に、「東寺・みほとけ行脚」で結構、散財していましたので、「今回は散財を控えよう、控えよう」とか思っていたのですが・・・。
私は意志が弱かったのか、妖怪とかこういうグッズにとことん弱かったのか。
やはり、またもや散財してしまいました(苦笑)。
いろんな妖怪グッズを売っている屋台やブースが数多くあったので、さすがにその全部は紹介しきれませんので、今回自分が買ったものを中心に、以下紹介しておきますね。
まずは「カレー工房ギャーの河童カレー。
シリーズ前回の「みほとけ行脚」で、妖怪書画家・蘭陵亭子梅さんが紹介してくださったブースであり、ここで買った河童カレーです。
黒部和牛の希少部位をカッパというそうですが、それを妖怪の河童にかけたわけですか。
パッケージの河童の絵は、確かに蘭陵亭さんの絵です。
なお、この辛口バージョンも。
パッケージの河童の表情からして辛そうです。
なお後日、実家の家族たちがたまたま部屋に放置してあったこれを知らずに勝手に空けて食べたところ、あまりの辛さの為ひと口で食べるのを断念し、結局残りを私が食べることになりました。
確かに辛かった・・・しかし、過去にはこういうものも一人でおいしくたいらげてしまった私にとっては、十分に許容範囲。
辛さも混じった独特の味を堪能しました。
なお、「カレー工房ギャー」さんは、向日市にお店があるようで、一度訪れてみたいものです。
お次はこちらの漫画。
漫画家・河内愛里さんの作品、『ククリヒメ』。
4分間だけ死者を蘇らせ、その声を聴くという能力を持つ「ククリヒメ」こと賽原ミミ。
そんな主人公が、霊が視える若い刑事・蟻星義正(ありぼし・よしまさ)と組んで事件を解決していくという話。
最初は第1巻(一冊目)だけを買っただけですが、読んで面白かったので、第3巻(三冊目)まで買ってしまいました。
次はこちらの図鑑。
「様々な妖怪の姿を描いてます」という生ムさんの河童図鑑『KAPPA WORLD』。
独特の絵柄で描かれたこの図鑑、私も多くの妖怪本を見てきたつもりですが、河童専門の妖怪本はまだ見たことがありませんでした。
しかも伝承地・関連地から出典などまで、結構詳細かつ本格的な、かなり気合いの入ったマニア本です。
これは是非とも購入しないわけにはいかない。
というわけでこれもゲット。
利根川の「ねねこ河童」などの有名なものから、「岩泉町のうさぎ河童」という非常に珍しいものまで。
これまた面白い、いいものを手に入れることができました。
4つ目はこちらのイラストとポストカードと小冊子。
これらは酒井望奈未(さかい・みなみ)さんの作品です。
これらもまた独特の絵柄です。
そして何より目を引いたのが小冊子『鬼とは何か・異形と現世で出逢う旅』です。
内容を見ますと、酒呑童子や大嶽丸(おおたけまる)、牛鬼や土蜘蛛、清姫など、何人もの鬼の解説やエピソード、さらに鬼ゆかりの地まで紹介されていて、私のように妖怪伝承地を求め回っているような者にとってはありがたい一冊です。
最後の方は「鬼とは何か」とか、「鬼の色には仏教的にどんな意味があるか」とか、「鬼と神仏、妖怪の違い」などの総論的な話。
鬼についてよく調べている、鬼の入門書としてはよく出来た一冊だと思います。
著者の酒井さんには、私と同じく「妖怪オタク」と名乗っておられることもあって、親しみを感じる一方で。イラストなどの他、企画デザイン、ウェブマーケティング、アートセラピーもしておられる他、大学講師まで務められている非常に多才でハイスペックな人のようで・・・私にはちょっと近寄りがたいかな、とも(苦笑)。
気が付いたら・・・今回はなるべく控えようかと思っていたのに、またまた散財してしまいました。
これは・・・単に私の意志が弱いだけなのか。
それとも、妖怪オタクだからこういうグッズやイベントにもとことん弱いのか・・・。
多分、その両方でしょう(苦笑)。
今回はここで一旦切ります。
シリーズ次回、後編では、『伏見妖怪酒まつり』の食べ歩き・飲み歩きと、『百鬼夜行行列』の様子をお届けします。
*『京都妖怪探訪』シリーズ