京都の夏の風物詩としても有名な祇園祭。
今年もまた、祇園祭の時期がやってきました。
何故、祇園祭が「京都妖怪探訪」というシリーズでとりあげるのか? ……などと疑問に思われた方もおられるかもしれませんが、大いに関係あるのです。
何しろこの祇園祭とは、怨霊や疫神などを祀るための宗教的儀礼だったのです。
そしてこの祭りを主催している八坂神社で祀られている祭神は、日本神話で有名なスサノオ神と習合された牛頭天王(ごずてんのう)。
極端な言い方をすれば、疫神など妖怪たちの大ボスを、「邪神」とか「破壊神」とも言える怖い神様を祀るための儀式だったのです。
だいぶ以前にもとりあげましたが、まずここでおさらいしてみましょう。
元々祇園祭は、祇園御霊会(ぎおんごりょうえ)と呼ばれていました。
御霊会(ごりょうえ)というのは、「御霊」という言葉からもおわかりかもしれませんが、いわゆる怨霊など祀り、鎮魂し、その祟りを防ぐための宗教的な儀礼なのです。
平安時代などに広まった、怨霊信仰。
天変地異や疫病の流行などの災厄は、怨霊や悪霊、疫神やもののけなどの仕業と考えられ、それらを鎮めるための儀礼が行われるようになりました。
平安時代の貞観11(869)年、当時流行した疫病を鎮める祈願を込めて、66本の矛を立て、神輿3基を送り、疫神・牛頭天王(=スサノオ)を祀り御霊会を行ったのがその起源だとされています。
室町時代に商工業者(町衆)の自治組織両側町が成立すると、町ごとに風情を凝らした山鉾を作って巡行させるようになりました。
その後、応仁の乱や第二次世界大戦などでの中断はあるものの、現在まで千年以上も続けられています。
祇園祭といえば、毎年7月の中頃に行われる「山鉾巡行」を思い浮かべる人も多いようです。
実際には、7月1日に行われる「吉符入り(きっぷいり」から、7月31日に行われる「夏越祭」までの一連の行事が「祇園祭」なのです(祇園祭のHPに日程が記されています)。
今回は祇園祭行事のうち、7月10日に行われました「神輿洗」の様子をお届けします。
7日夜8時前頃の八坂神社の南楼門前。
あまりうまく撮れていなくてすみませんが、「神輿洗」の行列を観るために、大勢の人が集まっていました。
間もなく、行列がやってきます。
八坂神社前の交番付近を行進しているところです。
行列は、四条通りを西へ、四条大橋を目指して進みます。
3基の神輿のうち、主祭神を祀る「中御座」の神輿と、4本の大松明が担がれていきます。
神輿が京都・南座付近を巡行しているところです。
四条大橋の上に到着。
かけ声と共に神輿が回転させられます。
大松明も、一旦降ろされています。
神輿も一旦、降ろされています。
この時、「神水桶」に入れられた早朝に汲んだ鴨川の水によって、神輿が清められます。
ただ今回は残念なことに、多くの見物客・観光客でごった返す中、場所取りに失敗したために、神輿が清められる様子を間近で見ることができませんでした。
それが残念、そしてその様子をお届けできなかったことが、読者の皆様にも申し訳ない!
この神輿洗いの儀が終わりますと、神輿は再び八坂神社へと担がれて還っていきます。
神輿洗が終わった後の、八坂神社・南楼門前。
それでは、今回はここまで。
また次回!
*祇園祭ののHP
http://www.gionmatsuri.jp/
*八坂神社のHP
http://web.kyoto-inet.or.jp/org/yasaka/index.html
*京都妖怪探訪まとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm
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