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どうも、こんにちは。
今回は、本シリーズでも何度も登場していただきました、京都で活躍中の妖怪絵師・伝道師・葛城トオル氏に、先月(2019年7月)ドライブにつれて行っていただきました。
今回から3回ほどそのドライブのレポート記事を。
その第1回目は、『源氏物語』主人公・光源氏のモデルとも言われる平安時代の貴公子・源融(みなもとのとおる)を祭神として祀る、その名も「融(とおる)神社」を訪れます。
周りは湖の見える田園風景が広がる道をひたすら車で行きます。
後で調べたら、JR湖西線「堅田」駅から、江若バスの堅田葛川線の「南庄」停留所からも行けるそうですが、バスの便数が少なそうなので、やはり車で行くのが無難なようです。
その田園風景の中に、こんもりとした森に覆われた場所があり、その中に融神社は建っています。
森の中に大きな鳥居が。
葛城氏と共に鳥居をくぐり、境内へ。
この地はかつて、源融の荘園であり、寛平年間(889年〜898年)に融本人が現在の社地に閑居を設け、そこに一面の鏡を埋めたそうです。
その後伊香立の荘官(荘園の管理を委ねられた人)がこの鏡を掘り出し、源融を祭神として祀ったのがはじまりと伝えられています。
舞殿へ。
源氏舞(『源氏物語』を舞の作品に仕上げたもの)が奉納されていたり、大きな弓が奉納されていたりしているようです。
葛城氏と他のドライブ同行者の皆さんと共に、本殿へ礼拝。
ところで源融といえば・・・。
本シリーズの第15回『河原院跡』でも、紹介したことがありましたよ。
確か、かつての融の邸宅「河原院」やその跡に怨霊となって現れ、宇多上皇の御息所(みやすどころ)を求めたり、人妻を襲ったりなどの伝承が遺っているので、「うわー、光源氏のモデルというけど本当にロクでもないヤツだな」という印象しか私にはないのですが(苦笑)。
さらに、大分以前ですが、葛城氏からこんな話を聴いた記憶が。
『源氏物語』で、主人公・光源氏に想いを寄せる女性の一人として、六条御息所(ろくじょうみやすどころ)という有名な女性キャラが居ますが。
本シリーズでは、第27回「野宮神社」でとりあげたことがありました。
恋する光源氏に生き霊となって付きまとい続け、彼の愛した女性たちにも祟りを為したという女性ですが。
実は光源氏と六条御息所の二人のエピソードは、源融と宇多上皇の御息女・京極御息女との話が元になっているという説もあるそうです。
なお、「六条」と「京極」という名には、どちらも「京の都の外側」、極端に言えば「外の世界」という意味合いもあるそうです。「京極」とは京の町の極み、「六条」は当時の荒れ果てた都の現状からすれば、都の統治や管理が行き届いてない外側のようなものでしたから。
「六条」と「京極」。どちらも魔や闇の存在に魅入られる者にふさわしいような名の持ち主だった、ということでしょうか。
ただし、元ネタになった男女と、『源氏物語』の男女とは、つきまとう側とつきまとわれる側とが逆になっているようですが・・・。
本殿前でこんな、ご祭神にとっては大変失礼な話を思い出してしまいました。
ところで葛城氏は、境内の一角に面白いものがあるというのでついていきます。
「縁結び神・出雲大神」。
夫婦の鬼の像が。
縁結びで出雲の神様と言えば、シリーズ第24回で紹介した「清水寺・地主神社」を思い出しますが。
ここで「出雲とは何か」「どういう国だったか」という葛城氏の解説が。
古代日本において出雲国は、北は新潟付近、西は本州西端までの広大な領域を持つ大きな国であったそうで、その中心地は現在の丹後の地、現在の元伊勢籠神社の地にあったそうです(※シリーズ第379回で少し紹介したこともありました)。
それに比べたら、当時の大和の勢力は人口4000人ほどの本当に弱小勢力にすぎなかったのですが・・・。
しかしそれが、出雲を支配し、飲み込んでしまった。
一体、何故!?
そんな疑問を口にしたら、葛城氏の口からまとも驚くべき説が。
その説は・・・ここではあえて言わないでおきましょうか。
ご興味ある方は、葛城トオル氏に直接尋ねられるか、或いは妖怪堂を訪れてみるとか、或いは関連イベントに参加されて聴いていただきたいと思いますね。
今回はここまで。
シリーズ次回は葛城氏とのドライブ2回目の記事です。
*融神社の周辺地図はこちら。
*融神社のHP(滋賀神社庁より)
http://www.shiga-jinjacho.jp/ycBBS/Board.cgi/02_jinja_db/db/ycDB_02jinja-pc-detail.html?mode:view=1&view:oid=4
*葛城トオル氏のTwitter
https://twitter.com/yokaido
*『京都妖怪探訪』シリーズまとめページ
https://kyotoyokai.jp/
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