ロシアの北都 サンクトペテルブルク紀行

2005年秋から留学する、ロシアのサンクトペテルブルク(旧レニングラード)での毎日を記します。

一家に一台欲しい端末

2006-02-16 21:22:22 | Weblog
2006年02月13日
ロシア滞在通算155日目
【今日の写真:トロリーバスの架線を利用して走る、ちょっと変わった作業車に出くわした。洗濯屋前の交差点にて。】

今日の主な動き
08:56 出かける
09:04 マヤコフスカヤ駅
  メトロ マヤコフスカヤ(09:08)→バシレオストラフスカヤ(09:15)
09:59 6番通りの文房具屋
11:32 バシレオストラフスカヤ駅
  メトロ バシレオストラフスカヤ(11:37)→ガスティニードヴォル(11:41)
      ネフスキー通り(11:44)→セイナヤプロシャチ(11:45)
11:56 洗濯屋
12:28 カザン聖堂側の写真屋
12:37 ネフスキー大通りの本屋”Дом Книги”
13時過ぎ頃 テレモーク
14:05頃 日本センター
16:26 洗濯屋
16:40 セイナヤプロシャチ駅
  メトロ セイナヤプロシャチ(16:44)→テフノロギーチェスキーインスティトゥット(16:46)
  メトロ テフノロギーチェスキーインスティトゥット(16:51)→ボスタニヤ広場(16:56)
17:02頃 モスクワ駅
18:15 帰宅

 オリガ先生に先週紹介された別のクラスの授業は9時30分から、事務のある建物で行われる。今日はその1日目で、はりきって行ってみたものの教室が開いていない。近くにいたおばちゃんが、「今日は先生が病気(かぜ?)のため授業はない。」と教えてくれた。よく見ると、ドアに小さな貼り紙があり、今日はお休みの旨が記してあった。  
 
 いきなり月曜から休講というのは拍子抜けだったが、先生がいないのでは仕方ない。学校を出て6番通りの文房具屋へ向かう。
 この店は2階が本屋になっていて、私は独学でフランス語が学べる本を探す。フランスのIとともに、Iはフランス語、私はロシア語をやりながら、オプションとしてそれぞれロシア語、フランス語を同時に学ぶという大作戦を始めたため。
 ここはロシアだから、本はもちろん全てロシア語で書かれている。2つの言語を同時に学ぼうと考えている私には好都合だ。ロシア語で書かれていても、普段の授業で慣れているため幸い文法用語などはほぼ理解できる。ロシア語でロシア語を学ぶのと同じ感覚でフランス語も勉強できそうな予感。何冊か見てみたが、フランス語は発音が難しいので、音声教材は書かせない。CD付きの本のうち、手頃な値段の物を見つけた。が、他の店にも良い物があるかもしれないと思い、この時は買わずに店を出た。

 午後からは洗濯屋へ行ったり、また別の本屋を見に行ったりして、街の中心部を歩き回った。夏や秋ならいくら歩いてもさして問題はないのだが、この時期街を歩くのはなかなか大変。というのも、気温の上昇でぐちゃぐちゃのシャーベット状態になった雪が、歩道や車道に跋扈している。ただの白い雪ならまだ良いのだが、道路の汚れで真っ黒になっているから非常に立ちが悪い。ズボンに泥雪が跳ね上がったり、ひどいときには車が跳ね上げる泥雪が手の高さまで飛んでくることもある。
 もちろん、靴の裏や外側にも相当な汚れが付着する。そのため、店やレストラン、駅などの床は軒並みひどい汚れで、黒い水たまりができていることもしばしば。こんな状態よりは、-20℃で何もかも凍っていた方がまだましだと、心からそう思う。

 写真屋での出来事。119ルーブルの請求に対して、財布には500ルーブル札しかなかった。買い上げ金額が100ルーブルを超えているから大丈夫だろうと思い、500ルーブル札を出したところ、「お釣りがないからまた後で来い。」と店員は平気な顔で言う。もちろん、日本とは違ってすみませんの一言などあるわけがない。せっかく悪路を歩いてきたのにその態度。本当に釣りがないのか、ただ面倒なだけなのではないか。よっぽど一文句言ってやろうかと思ったが、こんなことで腹を立てていてはきりがないので我慢。
 結局テレモークで500ルーブル札をくずし、再び写真屋へ行ったのだった。ここでの買い物は、差し出す貨幣が大きすぎても小さすぎてもだめ。本当に苦労する。

 一連の用事を済ませた帰り道、メトロでいつもとは違う駅を経由した。ボスタニヤ広場駅に着いた後、ふとモスクワ駅に寄ってみることに。
 特にこれといった目的もなく、駅の放送を聞いたり、電光掲示板を眺めたりしていたのだが、初めて入ってみた長距離列車用のきっぷ売場で思わぬ発見があった。
 そのきっぷ売り場には、カザン聖堂の隣にある列車予約センターにあるのと同じ、時刻や空席検索の端末があった。モスクワ駅にこれがあるとは知らなかったのだが、驚くのはまだ早かった。その端末に任意の区間を入力して列車を表示させると、列車を選んで料金を表示させることが可能なのだ。しかも号車ごとに異なる料金が、コペーカ単位で、空席数と一緒に表示されるのである。これは大変便利。窓口でいちいち係に聞かなくても料金が分かり、いろいろな列車を比較できる。謎が多かったロシアの鉄道料金だが、この端末のおかげで一気に解明が進みそうだ。

 とても嬉しくなった私は、早速モスクワやムルマンスクへ行く列車の料金を比較してみる。私が昨年モスクワへ行った際は、片道1032.5ルーブル。モスクワ往復の鉄道料金については、いろいろな情報を耳にしていた。片道300ルーブルだったとか、窓口で3000ルーブルと言われたから諦めたとか、いったいどれが本当なのか嘘なのか、人の話を俄に信用できないと思っていたのだが、今日端末で調べてみて分かった。どの話も本当なのだ。同じモスクワ行きの夜行列車なのに、3000ルーブルを余裕でこえるものから300ルーブルちょっとのものまで、その差は実に十数倍。列車によって、あるいは同じ列車でも車両によって料金にかなりの差があり、実に複雑怪奇。
 窓口でいくつも料金比較ができるわけではないから、これまで料金は運次第だった。何も知らずにうっかり高い列車を予約すればいくらでも高くなるし、幸運にも安い列車を予約すればいくらでも安くなる。でもこれからは違う。なにせコペーカ単位で料金を詳細に知る方法が分かったのだ。
 この時心に決めた。モスクワ行きの全列車の料金表を作ろう。でも端末の数は限られていて、一人で長時間占領するわけにはいかない。こんな素敵な端末が一家に一台あったらいいのになあと、本気で願わずに入られない。