感動は命の肥し

曇りなき眼で、物事を見つめるなら必ずや真実を見極めることができる。覚醒の時を生きた記録として。

アメリカに残る人種差別

2012-02-16 | 日々思うこと
去年の10月3日、アフガニスタンで一人のアーミーの兵士が、自分で頭を撃って自殺しました。名前はダニー・チェン、19歳でした。名前から分かるとおり彼はニューヨークで生まれ育った中国系アメリカ人で、高校を卒業してアーミーに入り、初めての海外遠征であるアフガニスタンでのことでした。

彼の日記に書かれていた内容の一部はこうでした。
兵士達は彼を引きずり回し、逆さ吊りにして口に液体を流し込み、石を投げつけ、ジャッキー・チェンと呼びつけ…中国系である為に、軍内部で同僚からひどいいじめを受けていた事が、日記の内容でわかりました。

彼への仕打ちに加担したと思われる8人の兵士が捕まり、調査を受けているとニュースで報道されました。皆、彼より5歳以上年上の兵士です。彼は殺されたのではなく、自殺したのだけれど、彼を自殺に追いやったのは、外地のアフガニスタンで共に戦うはずの同僚から受けた酷いいじめが原因でした。自殺するのは、弱いからだと言う人もいます。間違いではありませんが、外地の戦地の逃げ場のない環境の中での日常茶飯事、どんなにか苦しかったか…。

彼は、ご両親の一人息子でした。将来はアーミーを終えてニューヨークの警官になるのが目標でした。軍隊出身者は、優先的に警官に採用されます。どれほど大きな夢を持って、軍隊にいく事を決心し、厳しい訓練にも耐えてきたはずを、死を選ぶしかなかったなんて…。テレビの中のご両親の力を落とされた姿が忘れられません。

ミリタリーの中で、マイナーな人種の兵士達のなかには、酷い扱いを受けている者がいる事を現しています。
昨年、もう一人中国系アメリカ人の海兵隊員がやはり、外地でいじめを苦に自殺しています。かれも20歳を少し超えたばかりの未来ある青年でした。

ここのところ、バスケットボール界で、リン選手が活躍していますが、彼は台湾系アメリカ人、ハーバード出身の23歳。
彼の名前の入ったチームのシャツが売り切れるほど、この数週間の勢いはすごく、新聞やニュースに出ない日がないほどですが、やはり彼に対しても人種差別的な言葉を浴びせるアメリカ人がいます。このリン選手のニュースを見ながら、ダニー君の事を思います。お墓がここから車でいける場所にあるらしく、なぜか、気になって仕方ない彼です。端正な面立ちに可愛らしさが残るまだたったの19歳、ユニフォームを誇らしそうに着た姿が凛々しく、ご両親もどんなにか自慢の息子さんだったでしょうか。なぜ、死ななければならなかったのと、彼の写真を見ながらつい、涙してしまいます。







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