タオは、軽率だと思う。
『けいそつ、って?』
タオみたいなこと。
『かんぺき、っていみ?』
その逆。
『そんなはず、ない。』
だってそうだもん。いつもいつも、タオは、軽々しく、口にしすぎなんだよ。
『いみ、わかんないよ。』
永遠なんて、ない。
『あるよ。』
なんでそんな言い切るの。ないよ。ないから、今があるんだ。
僕はもう、永遠なんて信じない。
『あるよ。タオが、永遠だよ。タオの気持ちが。』
やめて。
人は変わるよ。
タオだって、いつか、
『いつか、なに?』
いつか、いなくなっちゃうよ…
『フニ、お前はだれ?』
フニだよ。
『そう、フニだ。EXOのフニだ。おれも、EXOのTAOだよ。』
でも、
『おまえだって、毎晩お祈りしてたじゃないか。』
それは、「永遠」なんて、ないから。
ないから、ください、って、神様にお祈りしてたんだ。
『あるよ。』
もういいよ。タオと話しても、埒が明かない。
『またむずかしい言葉使って、はぐらかさないで。』
『こっちを見て。俺の目を見て。今まで、俺が、嘘ついたこと、ある?』
ない。ないよ。
タオ、君はいつだって、まっすぐで、嘘なんかつかない。
でも、
永遠は、ないんだ。
『フニ、ここに、ある。永遠は、ここにあるよ。』
…そう言って、自分の胸を、心臓の辺りを、綺麗な人差し指で、トントン、と叩く。
『それに、祈るものではないんだ。 永遠て。 信じるものなんだよ。』
『だからね、信じて。 永遠を。 タオを。』
…そうだね、タオ。もういちど。 信じてみようか。
…永遠を。
僕たちの永遠を。