永遠。

2014-10-17 | ordinary world

 

タオは、軽率だと思う。

 

『けいそつ、って?』

 

タオみたいなこと。

 

『かんぺき、っていみ?』

 

その逆。

 

『そんなはず、ない。』

 

だってそうだもん。いつもいつも、タオは、軽々しく、口にしすぎなんだよ。

 

『いみ、わかんないよ。』

 

永遠なんて、ない。

 

『あるよ。』

 

なんでそんな言い切るの。ないよ。ないから、今があるんだ。

僕はもう、永遠なんて信じない。

 

『あるよ。タオが、永遠だよ。タオの気持ちが。』

 

やめて。

人は変わるよ。

タオだって、いつか、

 

『いつか、なに?』

 

いつか、いなくなっちゃうよ…

 

『フニ、お前はだれ?』

 

フニだよ。

 

『そう、フニだ。EXOのフニだ。おれも、EXOのTAOだよ。』

 

でも、

 

『おまえだって、毎晩お祈りしてたじゃないか。』

 

それは、「永遠」なんて、ないから。

ないから、ください、って、神様にお祈りしてたんだ。

 

『あるよ。』

 

もういいよ。タオと話しても、埒が明かない。

 

『またむずかしい言葉使って、はぐらかさないで。』

 

『こっちを見て。俺の目を見て。今まで、俺が、嘘ついたこと、ある?』

 

ない。ないよ。

 

タオ、君はいつだって、まっすぐで、嘘なんかつかない。

 

でも、

永遠は、ないんだ。

 

『フニ、ここに、ある。永遠は、ここにあるよ。』

 

 

…そう言って、自分の胸を、心臓の辺りを、綺麗な人差し指で、トントン、と叩く。

 

『それに、祈るものではないんだ。 永遠て。 信じるものなんだよ。』

 

『だからね、信じて。 永遠を。 タオを。』

 

 

…そうだね、タオ。もういちど。 信じてみようか。

 

…永遠を。

 

僕たちの永遠を。

 

 



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