夜が来るのが怖い。
そんなことを思ったのは、生まれて初めてかもしれない。
あの、真っ暗で、ぱっくりと口を開けたような穴が、オレを飲み込みに来るから。
…眠れない。
このオレが、夜、眠れないなんて。
やっと眠りについても、
夢ばかり見る。
暗い、暗い穴に落ちる夢。
落ちながら . . . 本文を読む
そうこうしているうちに、デビューが決まり、
ぼくも卒業を迎えた。
兄さんたちがたくさん駆けつけてくれた。
もちろん、あなたも。
わざと膝を曲げて、ぼくの背に自分の身長を合わせてくる。
やだな。
なんだか子ども扱いされてるようで。
あなたが見ていないところで練習もたくさんした。
そんな . . . 本文を読む