ひさかたの月のいはほは落ちてこずしづかに光るはるかなる空 揺之
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薄れゆく夜明けの月を見上げては去り行く人の心を思ふ
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人去りてうれひにしづむむらきもの心にしむる花の色かな
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いにしへの魚は月夜を夢見つつはるかに深き海にいこへり
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苦き実をかみておのれのたかを知り骨のゆがみをなほす秋かな
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花を見る人は心を花に染めしばしこの世のうれひをわする
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すみそめのゆふべに光るひとつ星ながめては知るおのれの道を
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ふたつなき富士のたかねに降る雪の白きに神の御心を見る
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とほやまにしづむ夕月ながめつつこひのゆくへを頼む秋かな
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しらたまの君を思ひてとく髪の長きにそひてながるる心
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来ぬ人を待ちて窓辺にかほをよせ悲しくあふぐ有明の月
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