ゆらぎつつゆく

添島揺之歌集。ツイッター感覚で毎日つぶやきます。色調主義とコラボ。

かきくらしふる白雪の下ぎえにきえて物思ふころにもあるかな

2018-06-13 03:16:44 | 古今抜粋

かきくらしふる白雪の下ぎえにきえて物思ふころにもあるかな    壬生忠岑



心の底に秘めた恋の歌である。

暗い空から降る白雪の積もった下の雪が解けて消えてゆくように、あなたを思う心が消え入りそうなほど苦しんでいることですよ。

雪の冷たさと白さが恋のつらさを引き立てる。表面上は何でもない顔をしておいて、恋は心の内でうずくものだ。それはなかなかに消すことができない。雪のように春になれば溶けてくれるものであればいいのだが。

恋によっては一生苦しむものもあるのである。



たまゆらの夢もかなはぬ恋なれば雪の降る間に凍てて果てなむ    揺之





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