Janetがタイに行った時のビデオを、彼女のパソコンで見せてくれた。1ヶ月間の旅行中にvideographerが撮影して、それを彼女が購入することによって手に入れたものらしい。さすがに手が込んでいて、いい感じの音楽も編集によって組み込まれている。かなり大柄のJanetが、熱帯魚の泳ぐ珊瑚礁を優雅にダイビングしているのには驚かされた。それを指して"That's me!"と年齢にそぐわずはしゃいでいた。この"That's me."はよく聞く英語であるが、ふとおかしいことに気付いた。自分の辞書で確認してみると、意外なことが書かれていて、この"me"は"I"の目的格でなく、どうやら"I"そのものの代わりに使われるらしいことを発見した。別の言い方をすれば、"I"の口語が"me"ということである。実際、"That's me."は第2文型であるから、主語、be動詞、補語の順に並ぶはずで、最後の補語は目的格にする必要はない。本来ならば"That is I."が正しい英語のはずであるが、いったいどうなっているのか。Janetは僕の論文を書き直す仕事をしているので、そんなことをちょっと聞いてみた。ChristianやAndrewよりもかなり英文法は詳しい彼女であるが、「最後は目的語だから目的格の"me"にしなければいけない」などとあやふやに言い、やはり奴らは英語の文法なんて分かっていないようだ。後日、英語の文法書で確認してもらい、ノン・ネイティヴの僕の言い分が正しいことを認めてもらった。とにかくはっきりしたことは、"That is I."が正しい英語でも、こんな言い方をする人は誰一人いない。"That's me."がインフォーマルであることを知りつつ、みんな"That's me."と言う。"That's he."も同じで、誰しもが"That's him."と言う。
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