“プロレスの神様”ゴッチさん死去(スポーツニッポン) - goo ニュース
“プロレスの神様”として知られ、現在は無我ワールドの名誉顧問を務めるカール・ゴッチ(本名カール・イスターツ)さんが28日、米フロリダ州タンパで亡くなったことが分かった。米サイトが報じたもので、死因は不明。82歳だった。
この人が雑誌のインタビューをよく受けていた時期、つまり第一期と第二期のUWFが立ち上がった時期あたりに“活字プロレス”にのめりこんだので、この人のインタビューや評伝は数多く目にしました。
ですんで、実際に試合を見たことはないのですが、「弟子」たる猪木や前田、あるいは梶原一騎などを通して、“神様”たるゆえんを感じ取ることはできました。
「プロレスの神様」と言われているのは、たぶん日本だけでしょう(世界のマニアの間ではどうか知らないが)。
それは上記の猪木、前田、梶原一騎らによるところが大きく、その存在は当時根強く、当方も信奉者だった「プロレス最強幻想」に大いに役立ったのでした。
で、ゴッチがもたらしてくれた幻想で、当方のお気に入りが3つありました。
1つめは欧州出身であるということ。外人レスラーといえば米国人、つまりショーマンシップ全盛という中にあって、それを排した(それが出来なかった)と伝聞されるマーケット、さらに伝説の「蛇の穴」出身だったのは、ストロングスタイルの師匠としての説得力を高めてくれました。
2つめはジャーマン・スープレックスという技を紹介してくれたこと。この技はレスリングの基本であるバックをとる→ブリッジ→フォールが一体となった、無駄が無く、まさに「レスラー」じゃないとできない、ある意味究極の技。これまた「神様」としての説得力を高めたのでした。
そして3つめは、リンク先のwikipediaにあるように、「朝目覚めてから夜眠るまで常に『素手でいかに効率良く人を殺せるか』を考え続けている」という「神様」らしからぬ発想にありました。
ちなみに当方の記憶では、上記エピソードについて続きがあって、実際に犬を使って実験し、前足を両手で持って腹のうえにヒザを落とせば一撃で逝ったと大真面目に語ったという鬼畜のごとき話があって、この話を聞いた人(前田だったかな?)もドン引きしたといいます。
ゴッチ氏に限らないのですが、リアルなIWGPなど本当は出来なかった当時のマット界において、「最強」にハクをつけるのは、こうしたエピソードの積み重ねでした。
そしてこれをベースにやいのやいの語り合うのが楽しかったりしたのですが、ご承知のとおり、その楽しみと引き換えに、逆にあの頃ではファンタジーだった総合格闘技の現在の隆盛があるわけですね。
その一方で、まことにくさいまとめで恐縮ながら、死によって幻想が守られるという側面もあることは確か。
ぜひ猪木や前田、そして木戸氏にはゴッチ氏の逸話を語っていただき、再び氏を幻想の世界の真ん中にまつりあげて欲しいものです。
しかしプロレスラーとしては長寿でしたね。やはりナチュラルな強さだったのだなということで。。
もひとつ。
ネット時代の賜物か、ゴッチクラスであっても「神様」として訃報が紹介されたのは、元ファンとしてはある意味嬉しいことでもありましたね。。