kochikika ノート

旧「こちら某中堅企業企画室」。リーマン話、時事の話、パリーグ話など。ぼちぼちやってます。

NPB選手の海外流出・高額契約についての話

2007-12-26 21:37:59 | スポーツ

米の高額契約、日本球界に術は?

こんな状況が続くようでは、日本の“常識的な”選手評価基準は完全に崩壊してしまうだろう。というか、すでに選手たちがメジャー流の評価基準を目の当たりにしてしまった以上、もう遅いのかもしれない。選手たちが契約交渉の度に(メジャーとは違う)という不公平感を抱くようになってしまえば、選手たちのメジャー志向は加速度を増していくだけだ。とはいえ、日米球界の年俸格差はどうしようもない問題だし、日本人選手のメジャー挑戦は絶対に途絶えることはないだろう。だからといって無為無策で現状に甘んじているようでは、日本球界は本当にメジャーリーグに飲み込まれてしまう。早急に対策を講じるしかない切羽詰まった状況なのだ。

個人的には今回のサブプラ問題かなんかで米国経済が低空飛行に入ったとしたら、タイムラグ後に多少はこっちのバブルも落ち着き(日本の場合は10年かかったけど)、MLBの収益源がテレビであることを考えれば、IT化の更なる進展がその落ち着きを促すかもしれないと思っております。そうなるとまたストも起こりそうだし。
とはいえ、こっちの経済も超低空状態が続きそうだから、ここでいう格差は、最低でも両国の経済規模程度には残るんでしょうけどね。

そういうことなので、基本的に「正面作戦」を挑むのは無理ではなかろうかと思いますよ。
かといって、選手の権利を侵害する方向での防衛策は、肝っ玉の小ささを世間に印象付けてしまいよろしくないでしょうから、もうFAについては去るものは追わず、でいいんじゃないでしょうかね。

このように鷹揚に構えていられるのは、例え野球がマイナースポーツに落ちたとしても、もともとのパリーグ好きからすれば問題ないこともさることながら、いくつかの理由があるから。

まず第一に、ここに掲げられているような金銭面、あるいはスターシステム以外の価値観をNPBが掴みつつあること。長々と書かずとも、北海道や福岡や仙台のスタンド風景を見れば答は出ております。大阪桐蔭高校じゃなく、佐賀北高校でも甲子園は埋まるということ。

第二に、MLBの時差&ライブ観戦不可の壁の存在。上記記事でも「このままじゃMLBに飲み込まれるぞ論」が一部出てきますが、巨大な蛇でも口を空けてるのが太平洋の向こうではしょうがない。長い舌で一匹ずつ持ってかれてますけど、大事には至らんだろうと。

第三に、詳細はわからんけど、たぶんNPB側にある程度の生産性向上・コスト削減の余地がありそうだということ。格差を埋めるまでには至らないでしょうけど、子供が学校行く年頃の選手なら、引きとどまるくらいの条件はだせるかもしれない。

第四に、最近の若い子の発育が非常によろしく、主力選手誕生のサイクルが早まっていること。これはFA早期取得と裏腹ですけど、高卒1年目でローテの柱という流れが続くなら、高額年俸の中堅選手は場合によってはMLBに行って頂いた方が双方傷つかないという。

第五に、第四に伴って、観る側の方も、ちょうど活躍7,8年目くらいで観る側としてのストーリーが描きづらくなってきているのではないかと(かなり間接的な表現)。例えば、優勝のためにはコバマサは欠かせない戦力であることは確かだけど、選手としてのコバマサに従来以上の何を期待するのかということ。

そんなこんなで、安易な飲み込まれ論には与しないのですが、ただし「自滅シナリオ」の危険性がない訳ではないので「リスク情報」も開示しなくてはいけません。

その1、毎年「佐賀北高校」では飽きられるのは明白。猫の目長期化でも困るが、戦力分散によるある程度の均衡化が必要。一般経済政策と混同して、MLBと商品価値を争ってるときに共食い政策などとらぬように。

その2、球団の生産性向上・黒字化のためには人件費抑制&選手会との調整は不可避。ここで労使正面激突となれば、野茂渡米以前のMLBのようにファンから見放されるリスク。

その3、上記第四は若い子の早期戦力化を前提としているが、それの推進のためにはプロアマ間の一層の協力が必要ながら、改善されてきたとはいえ現状はあの有様。少子化もリスク要因ではあります(野球についてはあまり心配していないが。しわ寄せはマイナースポーツに行くだろうから。ラグビー、相撲など)。

何かこうしてあげてみると、トップの指導力が問われるという話になってきてしまうという。
しかしいまだにトップの肩書きは「代行」だもんなあ。最大のリスク情報か。。



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