過去の事例をつらつら眺めて思う話

たまに観にいくサイトにこちら様がある。特に今回のような事件が起こったときはつい長居してしまう。

ここのサイトで取り上げられている８０年代以降の重大事件、川俣軍司の事件や金属バット事件から、最近の西鉄バスジャックや奈良の女児殺人事件などの概要をつらつら眺めていると、いくつか気付くことがある。

まず目に付くのは、犯人の生い立ちなどを見てみると、進学校出身とか大卒とか、成績は優秀だったとか、少～青年期までは表向き順調だったという記載が多いということ。

戯れに８０年代以降の事件について、そういった記述がある例とない例、そしてそうでない例を数えてみたところ、順調だったという事例が一番多かった。

それから家庭環境も普通、もしくは裕福だったという事例も多いと感じたので同様に数えてみたところ、劣悪と思われる環境とほぼ同数の結果となった。

また最近よく出てくる「子供の頃は真面目で大人しい…」といった事例はどうかということで、それに類するような記述と、名古屋のアベック殺人事件の暴走族のようにいかにも素行に問題ありと思われるような記述の例を数えてみたところ、これまた拮抗する結果となった。

考えれば現在崩れかかっているとはいえ、つい最近までは１億総中流と言われていたのだから、犯罪者もそういった家庭から多く出てきてしまうのは必然と言えなくもないということなのだろうと。

じゃあそこで何が明暗を分けたのかというと、いじめとか、成績下降や受験失敗などの挫折とか、厳格な家庭での教育とかが思い浮かぶので、これまた粗々ながら数えてみたところ、挫折を感じさせる事例が圧倒的に多かった。

でも今回の凶行の矛先は、挫折の直接の原因には向かわないんだよね。そこは自分の力が及ばなかったことを認めてる。じゃあ力のない自分に矛先が向かうかというと、そこは向かわない。

直接の原因がたくさんあって拡散しすぎてしまったからなのか、土壇場の責任転嫁＆自分可愛さが出ているのか、その辺はその筋のプロにお任せするとしても、世相を眺めるに、両者ともすぐには減りそうもない感じ。

話は飛ぶが、今回の件は新自由主義志向への強烈なダメ出しになりそうな気がする。確かに国民の８割くらいが貧乏になってしまえば安心する人も多くはなるけど、それはそれで昭和型の陰惨な事件（昔のほうが陰惨だと思う）が増えそう。
荒み方も時代によりけり。