とこやの3階から。

日々思うことを、あれやこれやとつづっていこうと思います。毎日どんどん過ぎていくけど、ときどき振り返ってもみたいから。

『目を閉じれば、いつもそこに』

2016-01-31 22:01:00 | つれづれ
やっと見れたよ!シリア難民のドキュメンタリー映画で、派遣時代の知り合いが出てて難民の現状について教えてくれる。日本人と結婚して日本に住んでるベドウィンの男性のコメントもあったりしていろんなシリア人の意見を拾おうとしてた。やっぱり出てくれる人探すの大変だったみたい。そうだよね、いつ政府関係者に見つかって本人だけじゃなく家族や親戚が被害に遭うともしれない。最初は本名でSNSしてた学生たちもアカウント閉じたり名前かえて復活したりしてるのを見ると、いくらファーストネームだけとはいえ、顔出して避難したいきさつとかも話してああやって不特定多数の人の目に触れる映画に出るっていうのは、私でも心配しちゃう。日本にいる人はさておき、ヨルダンで難民生活してるあの子たちは無事なんだろうか、とか思っちゃう。隠れて入国した秘密警察に捕まったりしてないんだろうかって。本当に何があるかわからない。電話だって盗聴されてると思って日本語のニックネームみたいなので大統領や前大統領のこと話したりしてたし、大統領の像の近くでは指差したり写真とったりしなかった。でも、最低限気をつければ、安全なところだった。2008年当時は。
その映画上映会のあとゲストスピーカーの人たちが話してくれて、ちょっと調べたらそのうちのひとりは会ったことがある人だった。派遣時期が1年かぶってて、うちの学生たちに放課後歌を教えてくれてた人だった。「翼をください」の歌、いい歌なんだけどやっぱり難しくてサビくらいしかまともに歌えてなかったけど、いつも楽しそうに練習したり口ずさんだりしてた。音程の取れない子はいつまでも取れなくて、自分が外れてるのすらわからなくて、みんなで苦笑してたけど、それもまた楽しい思い出。この歌の練習が始まるまえに、クラスに遅れて来たとき私もみんなの前で歌わされたのもこの歌。このころ、ジャパンフェスティバルの歌はこれにしようって友だちと盛り上がってたから毎晩のようにYouTubeで聞いて歌ってて、当時の「遅刻した人は前で歌う」という罰ゲーム?みたいなのになっちゃったときに、ちょうどいいやって思って歌ったら思いのほか好評で、当時の1年生は「すごくきれい!!!!!」って興奮して上級生にも言いふらしてたみたいだった。私も最初こそ声が震えたけど、みんなの前で、しかも大注目の中(みんな超真剣なまなざし!)歌うのは思いのほか気分が良くてけっこう楽しんで歌ってた思い出がある。その後みんなで練習したときに男子パートを教えてくれてたのが彼だった。2008年だから、もう8年前?早いなぁ。聞いたらそのころは大学出たてだったとか。
今はヨルダンのザータリキャンプで子どもたちに音楽を教えてるんだって。すごいなぁ。
イベントのあと、その時のことを話してたらいろいろ思い出してすごく懐かしくなった。
あぁ、そのまえのドキュメンタリーに出てきたシリア各地の写真が本当にもう懐かしい風景ばかりで、涙我慢するのが大変だった。カシオン山から見える緑色の光はモスクのミナレットの灯りだって言ってて、あぁそうだよね、たくさんあるなぁって実際見ながら話してたときのことを思い出した。その中でもひと際きれいだったのがウマイヤドモスクの灯りで、よく覚えてる。あまりに身近すぎて、余計につらかった。
あんなに日常にあったのに。
たかだか2年いた外国人でもそうなんだから、シリア人の想いはどれほどか。

人間生活の原点を教えてくれたシリアでの日々。いろいろ思い出せてよかった。ありがとうございました。

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