とこやの3階から。

日々思うことを、あれやこれやとつづっていこうと思います。毎日どんどん過ぎていくけど、ときどき振り返ってもみたいから。

あわや爆発炎上?

2007-03-05 04:37:28 | 街-旅先から
先週末ヨルダンに行ってきたんだけど、しょっぱなからヤラレタ…

ヨルダンへは乗り合いタクシーで行ったのね。行き先が同じ客を集めて、人数がそろったら出発するっていうタクシー。それで、同じ職場の先生方(私入れて3人)とヨルダン人とシリア人の男の人の計5人プラス運転手の6人でヨルダンへ。じつはそのまえにもタクシー乗り場で客取り争いに巻き込まれて、なんだなんだって感じだったんだけど、まぁともかく朝10時まえにダマスカスの乗り場を出発したんです。それがけっこう立派なタクシーで乗り心地もなかなか良好。最初は順調に走ってたのよ。
それが…
乗り場とヨルダンとの国境との中間地点あたりで、なにやら異様な匂いが…。ゴムの焼けるような有害な匂いがしてきて、近くに工場でもあるんですかねぇって上司と話してたんだけど、どうやらその匂いは私たちが乗ってる車からしてきてたみたい。なーんにもない荒野の真ん中に車を止めて、運転手が車を点検。匂いはどうやら、左後輪のあたりからしてきている模様。で、しばらくしたら出発。え?何だったの??と思ったら、どうやら原因は「ブレーキ」とのこと。で?大丈夫なわけ?っていうこっちの不安をよそに何事もなかったように一路国境へ。
でも、臭い。
やっぱり臭い。
ねぇ、臭いよ、って言っても、大丈夫大丈夫、とかいう根拠のない自信。
しまいにはうっすらと煙まで出てきた。げっ!っと思って「煙!煙!!」って言っても、「大丈夫大丈夫」。そんな感じでなんとなくかわされて、ただただ走り続けるタクシー。このときの私たちは、まだ、ことの重大さに気づいていなかった…
臭い臭いっていいながら窓開けて、そうすると風が吹き込んできて寒くて、「臭い」か「寒い」かの2択の状態のままタクシーは国境へ。いよいよきたよっていう国境。でも、「いよいよキタ」のは車のほうだった…
国境の第一ゲートのところで止まるやいなや、モクモクモクモクと尋常じゃないほどの白い煙が車内で発生!!
うわぁ~~~~~
ってことで車を降りて、トランクからも急いで荷物を出してもらって、避難する日本人。とりあえず爆発はしなかった。よかったー。
運転手はその場で左後輪をはずしにかかる。同乗してたシリア人とヨルダン人もそれを手伝う。ジャッキをあげたり、工具を運転手に渡したりと、ものすごく協力的なアラブ人。すばらしい。えらいよねーこういうところ、と遠くから賛辞を送る日本人(←しかも、寒いからガラス張りの事務所みたいなところに避難)。
こういうとき、日本人だったら絶対に手伝いっこないよね。というか、運転手も自分で直せなさそう。とりあえずエンジニアを呼ぶ、とかしそう。まぁ仮に運転手がやったとしても、客は文句言うだろう。そんなことしてるひまがあったら代わりの車呼べ、とかさ。でも、こっちの人はそうじゃないんですよ、これがまた。困ってる人は助けるっていうのがイスラム教の基本精神にあるからさ。えらいよ、ホント。
それで20分くらいかな、待ってたら、運転手が「こっち来い」とのジェスチャー。戻ってみたらタイヤも元通りにはめられてて、もう大丈夫、とのこと。「本当か????」とかなーーーーり不安だったが、こっちも早く着きたいもんだから、とりあえず乗車。タイヤをはずして何をしたんだろう??ってのはいまだに謎。
それから出国入国手続きを済ませ、車は一路、ヨルダンの首都アンマンへ。
しばらく行くと、案の定、再び煙発生。
車外からもモクモクしてるらしく、追い越していく車が合図してくれる。そんなに注意するほど煙が出てるのか…と不安は増すばかり。そこで一時停車するも、再び発進。このあたりから煙に慣れてくる乗客たち。それもどうなんだ?
ブレーキを踏むたびに煙が発生するも、なぜか最初に比べるとかなり少量。最初は「ちょっとちょっと!!また煙出てるよ!」と言ってた私たちも、運転手に「見えてるからわかってる」とか、同乗のアラブ人に「大丈夫大丈夫」とか言われながらそのうちなぁなぁな感じでそのまま乗り続ける。でも、当然のことながら事態は好転するはずもなく、ブレーキを踏むたびに煙発生。アラブ人たちも、私たちには「大丈夫」とか言ってるくせにやっぱり不安の色は隠せないみたいで、ブレーキを踏むたびに左後方をチラリチラリと見てるの。やっぱり不安なのねー
で、そんな状況がそう長く続くわけもなく、街に近づいてブレーキを踏むことの多くなった我らの車(←もうそんな感覚)もさすがに煙が大量になってきたので再び(何度目だ?)停車。でもって降りて見てみたら、液漏れ発見。この液は一体何?そして、どこから????
その停車中にエンジニアが来るも、お手上げ状態なのか、しばらく点検したのちまたどこかへ。もう無理だよ~~~って言ってるんだけど、「でもここじゃタクシーは拾えない」とか言って、再度乗車、液漏れのまま発車。もちろん煙も出てる。相変わらずチラチラと左後方を見る乗客たち。もう、変な緊張感に包まれる車内。お願いだから爆発しないで…とアッラーだかなんだかにひそかに祈る私。たぶんみんなそうだったはず。運転も、かなり低速でおそるおそるって感じになってたし。
まぁ、そんなこんなで、液漏れ&発煙のタクシーは、別のタクシーが待つところへ到着。そこはアンマン郊外。で、当然のごとく値切ろうとした私たちを、説得するいい人(すぎる)アラブ人ふたり。彼はこれから修理代がかかって困るだろうから…だってさ。困ってる人は助けるべき、な精神のムスリムに説き伏せられてしかたなく最初に言った額を支払う日本人。でーーーもーーーー!!って気持ちはありながらも、えらいよねーとそのアラブ人に感心。そこから、5人乗りのタクシーに6人で乗って(運転手のとなりに先輩と私がすこしズレて座る)、当初着くはずだったアンマン市内の停留所へ。そこで感じる、妙な連帯感(笑)。危険な状況をいっしょに経験したからか、なんとなく仲良くなったような5人。ヨルダン人はあたりの建物の説明までしてくれた。最初にシリア人の男の人が降りたんだけど、「じゃー元気で!」みたいに、なんだか友だちみたいな別れ。他人な気がしなかったのよねーなぜか。
それで結局、当初は3時間で着くはずだったところを4時間半かけて目的地に到着。
ものすごーーーーく疲れた…
その後も私たちは道に迷い、さ迷い歩くことに。いろんな人に道を聞くも、言ってることが人によって違う…だから途中からは3人以上に聞いて多数決で決めることにした。
まぁそのあとは無事ホテルにも(超レアな)スタバにも行けて、結果オーライにはなったんだけど…。それにしても疲れた…
そのあともけっこう疲れることがあったし。見学だけのつもりで行ったスピコンで審査員もしちゃったし、帰りのタクシーの運転手がなんだか信用できないヤツで戦わなきゃいけなかったし…。

まーでもおもしろかった!シリアにはない白菜もベーグルも購入できたし、免税店でワインもウォッカも安く買えたし、スタバの豆もちゃんと買ったし、都会的な町並みを眺めながらスタバでのんびりお茶できたし、西麻布的な高級中華料理店でのおいしい中華にもありつけたし、仕事的にもいろいろと勉強になったしね。さまよう自分たちもなんだかマヌケで笑えたしね。
なんというか、どこまでも油断できないところだよ、アラブ。

後日談としては、1日長くアンマンに滞在した上司が煙のタクシーの運転手にたまたま国境で再会して、タクシーは無事直ったと嬉しそうに言っていたとのこと。よかったねー。あのオヤジの対応からして、けっこうよくあることなのかも。それにしても一体あの煙の原因はなんだったのか?あの液体はなんだったのか?どこから出ていたのか?ブレーキパッドの磨耗か?って話もあるけど、じゃ、どこからあの液体が?あれはなに???…謎は残る。

貴重な体験だった。1泊2日で特に観光もしなかった今回の旅行だったけど、きっとずっと忘れないだろうと思う。

最新の画像もっと見る

3 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
タクシー (となかい)
2007-03-06 23:59:01
すごいすごい。

物語みたい。

ドラマみたい。

すご~い

よく、大丈夫だったね。よかったよかった。

日本じゃあありえない。

まあでも、高速でベンツが炎上してるところはよくあるらしい。

僕の予想では、、、ブレーキオイルが古いか、なくなっちゃってるか、もれてたのかと思う。

わかんないから、とりあえずJAF呼ぶ。即効で!

よかったね。おいしい料理たべれて。

炎上したら、たいへんなとこだったね。油断できないねえ
返信する
Unknown (rica)
2007-03-07 02:09:44
すごいよね、この体験。
なんか、外国だわ、そしてアラブだわ。
アッラーはいたね。無事でよかった。

しかしまた読んでて笑ってしまった。
惨事にならず、笑い事で済んでよかった、よかった。

それにしても今アラブは寒いの?
気候が全く想像できないんだけど。
返信する
慣れ (masumi)
2007-03-10 02:18:32
いろんなことに慣れてくるね。
慣れってすごい。

>となかい
ね、すごいでしょう?
一歩間違えたら笑えない展開だけど、
そのときはなんだか妙におかしかったよ。

>高速でベンツが炎上してるところはよくあるらしい。

ねぇ、これ↑って「よく」あるの??こんなんよくあったらやばいじゃん!!危ないよ!!
って、私が言うことじゃないが…
あ、そうそう、車も静かだったヨルダンだけど、ダマスカスに帰ってきて早々、家に着くまでの数十分のあいだに交通事故を2つ目撃したよ…
本当に交通マナーの悪い国だよ…
でもって、事故ってるのに全然懲りない。
いろんな意味で、すごい国だと思う。


>ricaちん
そうなのよね、なんだか笑えるの(笑)。
途中点検するのに車を止めたときも、他の客と目を合わせて苦笑いしたりしてたもん。
あと、そういえば車内で煙が出てたときも、、その煙の発生源に一番近い席にいた先輩が妙にいい姿勢で前をまっすぐ見てたのね。で、「大丈夫ですか?」って聞いたら、「(煙のほうを)見ない(ようにしてる)!」って言い切るから、おかしくて笑ってしまった。

気候はね、日本の関東とだいたい同じくらいだよ。
それより、冬はちょっと暖かくて、夏はちょっと暑い。湿度は断然こっちのほうが低いけど日差しは強いから、夏は日向は猛烈に暑くて、日陰は涼しいの。
いまは、日中は10度から15度の間くらいかなぁ。
さいきん朝晩が寒くて、10度きってると思う。
あと、花粉症もあるの~!!
早く4月になってほしい…
返信する