とこやの3階から。

日々思うことを、あれやこれやとつづっていこうと思います。毎日どんどん過ぎていくけど、ときどき振り返ってもみたいから。

肌に合う文章

2004-12-14 12:45:35 | つれづれ
きのう久しぶりに村上春樹さんの小説を読みました。
「国境の南、太陽の西」
彼の作品は大学時代にそれこそとりつかれたように読破したんだけど、ここ数日あまりに暇すぎて図書館で小説を物色してたらたまたま目についたので借りてみたのね。タイトルからしてたぶん読んだことあるかなーと思ってたんだけど、中身をパラパラみたらうまく思い出せなかったので改めてと思って。そしたら読んだことなかったみたい。あのころはけっこういろんな本にしかも同時に手を出したりしてて乱暴に読んでたから抜けてたのね。ここで会えてラッキー。いや、運命かしら?(笑)
ともかくそれは私に合っていて、すーっと入ってきた。きのうの夕方から読み始めて夜中1時までかけて結局全部読んじゃった。本当によかった。彼の文章は私の肌に合っているんだなって改めて感じたよ。使われている語彙や表現のひとつひとつ、文章がもつ比較的くっきりとした印象、全体を通して感じられるおおまかなイメージというかニュアンスというか、空気のようなもの、それらすべてが信じられないくらいスムーズに自分のなかに入ってくるのがわかるの。そういったあまりの影響力というか浸透力に自分でもびっくりしたよ。もちろん外面的な表現だけじゃなくて、そこに描写されている緻密な心理的変化やうねりのようなもの、抽象的な表現であったり比喩であったりするんだけど、共感をもって理解できるものがけっこうあるの。ひとりで考え続けていてうまくまとまらなかったり自分でも理解できなくてぐるぐるしていたことを整理するきっかけになるようなキーワードというか、ちょっとした概念というかアイデアみたいなものがところどころにあってすごくありがたかった。
たとえば他人に何かを尋ねるということだったり、吸引力であったり、意味のない会話の役割であったり、自分のなかにおける他者の本質的な位置づけであったり、ほかにも直接的な言葉からじゃないイメージみたいなものからの喚起もあったりして、とにかくとても気持ちよかった。読書って、本質的に気持ちのいいものだったよなぁなんて思い出しました。
そんなわけで貸し出し中の「アフター・ダーク」をリコール。借りてた人、ごめんね。
同じく春樹さんをすきな友達から、彼の文章は変わりつつあるしそれは本人も言っている、というようなことを聞いたので、ぜひとも最近の作品が読んでみたいなぁと思いまして。
楽しみ楽しみ♪

さて、それじゃ。
本の中だけじゃなく現実社会とも接触しなければいけないのも事実で…(汗
つまり、
遊んでばかりもいられないのでバイトを探しまーす!

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