大同大学-高森裁判 経過ブログ

「ペンネーム使えますか?」
問い合わせただけで契約を解除された高森が、支援者とともに裁判を闘うドキュメンタリー。

第1回公判 傍聴記

2009-04-21 03:48:35 | 裁判傍聴記
4月15日午前10:30から名古屋裁判所において、高森さんを原告、大同大学を被告とした第一回公判が開かれました。組合にとって初めての裁判であり、原告の高森さん自身も、傍聴する私たち(光沢、松岡)も裁判に臨むのは初体験でした。組合側としては高森さんの言い分が間違ったものでないという確信がありましたので、意外とリラックスした気持ちで臨みました。私たちのほかに7名の方がたが支援者として傍聴に参加して下さいました。

竹内弁護士はまず、大同大学に非常勤講師雇用に関する規約があれば、次回の公判までに出すように要請しました。また本件は今年度後期授業のための訴えなのでできるだけ速やかに裁定して欲しいなどを訴えました。高森さんは上申書において、非常勤講師は授業の依頼があった時点ですぐに授業に向けて準備をはじめ、また一生懸命授業を行う機会を与えられることによって、研究実績、著作、教育の実力などを培っていくのだ、そのために一つ一つの講義が賃金のためだけでない大切なものであるという主張をされました。ペンネーム使用の不許可の理由を聞いただけで雇用を取り消されるのは不当だ、言う主張はもちろんのことです。原告側のこれらの主張に対して被告側からの反論は、書類上で高森さんの採用に関しては、複数の応募者のひとりであったので、いったん採用したことを覆したわけではないという対応でした。私たち組合が認識していることとまったく違う主張でしたが、法廷内で被告側からとりたてて生の声が聞こえなかったのは、第一回の公判としてはある程度予測していたこととはいえ、竹内弁護士や高森さんの普段と変わらない声質でありながら断固とした様子と比較して、静かすぎるという印象が残りました。今後どのように展開していくか期待を持ちながら、非常勤講師全体のための裁判という意思を揺るがず持ち続けている必要があります。

初回はあっけなく終わると聞いていましたが、裁判所全体の雰囲気、法廷の様子、弁護士や高森さんの態度など肌で感じ見聞きして、私には思ったより満足のいく体験でした。退廷後、隣接の弁護士会館で傍聴者に対して竹内弁護士から、裁判とはどんなものか、また傍聴人としての心得などを聞いたことも、知識が増え理解が深まったという点で、満足度が高まった要因だと思います。愛知争議団から参加して下さっおふたりは労働問題のベテランで、弱者はひとりひとりで大きな力に立ち向かうとすれば、誰でも自信を喪失する、だからみんなで支えあわなければならない、今日の傍聴人は9人だが、もっともっと多くしてこちら側が大同側をぐんぐん押しやっって圧倒するくらいでないといけない、とのことでした。

裁判の最初に、裁判長が話し合いで和解はできないかと大同大学側に打診しました。これに対し大同大学側は雇用の意思はないと答えました。このことにもわかるように、今回の裁判官はあまり訴えの深刻性を認識していない傾向があるので、非常勤講師が簡単に解雇される立場にあるという問題を良く理解していないという側面がある、だからいろいろな材料でこの件の深刻さをアピールするべきだ、という忠告も頂きました。高森さんの若い友人が5人も関心を持って支援に駆けつけてくれたことは、組合にとっても励ましでした。「裁判とは法律世界のことで遠く感じていたが、ごく日常的な言葉で話されていたことが意外だった。」という意見が印象的でした。



傍聴によって裁判とはどのようなものか、そしてそれにまつわる社会情勢なども多く知ることができます。社会の中の教育、非常勤講師という社会的立場もひとまわり大きな目で見ることができるようになります。高森さんの友人や争議団で長く労働問題に携わって来られた方々と知り合えて人間関係も広がります。できるだけ多くの方が労働者として、ひとりの人間としての価値を確認するためにも傍聴をされることを希望します。 

平成21年4月15日  執行委員 松岡かおる



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