大同大学-高森裁判 経過ブログ

「ペンネーム使えますか?」
問い合わせただけで契約を解除された高森が、支援者とともに裁判を闘うドキュメンタリー。

被告大学の主張検討(第3準備書面) ②

2009-10-10 13:43:01 | 裁判の経緯
 さて、つぎの内容を検討しようと思います。

「そもそも原告は、被告との間の雇用契約関係の成立を主張するものであるが、雇用契約とは継続的契約関係であり、いったん雇用契約が成立すれば、使用者側としては、当該契約を解除するためには解雇権濫用法理等の厳しい制約を受けることになってしまう。」

 ということを根拠に雇用契約の不成立を主張しています。

 しかし、そもそも「期間の定めのない雇用契約」と「半年~1年の有期雇用」を同列に論ずることはできません。「期間の定めのない雇用契約」では上記のような解釈が成立することでしょう。したがって、大学側でも採用に際して慎重に候補者の選定をすすめることと思います。なにしろ、一般の会社が22歳の若者を雇用し、定年まで雇用を継続するとすると、平均年収600万円*40年=2億4000万円くらいは支払うという契約なのです。ところが、週1コマの非常勤講師は半期でわずか15万円の契約であり、それも有期雇用ですから、なんらかの理由をつけて契約を継続しないということも可能です。2億4000万円と15万円を同じ論法で考えていいのかどうかのか? 学説としてはこれは同列に論じられない、というのが主流のようです(菅野和夫『労働法』など)。非常勤講師と専任の教員の採用手続きが大学内で異なるのは、この違いを反映していると考えられ、そもそも大学側も「期間の定めのない雇用契約」と非常勤講師のような「低額かつ有期の雇用契約」は異なると考えており、「低額かつ有期の雇用契約」についてはより簡便な形で雇用契約を締結してきたということにほかならないわけです。
 裁判になったとたんに、そういう実態を捻じ曲げて自分たちに都合のよい主張をしているように思われます。

 このような主張をするならば、非常勤講師も専任教員と同等の採用審査を行い、いったん採用したら専任教員の解雇と同等の条件でしか雇用契約の更新打ち切りをしないと確約し、就業規則に盛り込んでからにしてもらいたいと思います(そもそも非常勤講師についての就業規則すらないのですから……)。つまり整理解雇の4要件を満たすとともに、経営側が教授会側の決定なく解雇できないなどの条件を整備すべきです。

 このあたりもこれから大同大学側の意識も明らかにされていくことと思われます。

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