今年の末で、もう、八年にもなる。
日光市(旧今市市)の大沢小学一年生の女子児童が、
下校途中に誘拐され、翌日、茨城県で、遺体で発見さ
れた。
胸を、何か所も刺されていたと聞く。
なんとも、いたましいと言うしかない。
私など、子どもとかかわる仕事をしているから、一
日としてこの事件を忘れたことはない。
ご両親の嘆きは、いかばかりだろう。
ご存命なら、十五歳になる。
今、書きはじめた拙作「ポケット一杯のラブ」の登
場人物、木下まどかとだいたい同い年である。
私のjukuの生徒にも、一歳年下の女の子がいる。
Yちゃんも生きておれば、この子くらいに成長して
いたのにと、悔しくてならない。
この一文を書こうと思ったのは、みなさんに、この
事件を決して忘れて欲しくなかったからである。
お忙しい毎日でしょうが、頭の片隅にしまってお
いてもらいたいと切に願っている。
みんなが覚えていることで、いつか必ず、手掛かり
が見つかると信じるからである。
他には、何らの他意はないことを、お断りしておく。
これだけの犯罪にもかかわらず、手掛かりが見つか
らない。
衣服やランドセル等、身につけていた物が失われ
たままだ。
警察の方のご努力も、未だに報われないようで、残
念なことである。
この事件の後、この県のみならず、全国で、生徒を
守ろうという意識が強くなった。
当然である。
登下校の際は、必ず「見守り隊」の方たちが、児童の
列につくようになった。
一日も早く、犯人が見つかればと願う。
寄り道できる自由さえ、子どもには許されない。
以前のように、大人が気楽に話しかけることすら、
出来なくなってきている。
外出するにも、誰かといっしょである。
異常と言えば、異常な事態である。
子供たちが、昔のように自由に野原で遊べる環境を、
大人は作ってやらなければならないだろう。
現場近くに、私も足を運んだ。
木々がうっそうと立ち並ぶ。
人気のない林の中である。
連れ去られるとき、Yちゃんは何を思っただろう。
さぞかし怖かっただろう。
大粒の涙を流したであろう。
まったく、残念でならない。
微力ながら、物書きの想像力で、犯人像に執念でせまっ
て行きたいと思っている。
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