六時に起きて、庭先の縁台にすわった。
突然わたしが歩いてきたのに驚いたのだろう。
小さな茶色のかえるがぴょんぴょんはねた。
家の裏が水田。
春から夏にかけ、おたまじゃくしがすいぶん
と泳いでいた。
かれらが今では成長し大人になったのだ。
かように田舎は生き物が豊富で、朝から晩ま
でにぎやかなものである。
稲の穂がこうべを深く垂れ、稲刈りを催促し
ている。
ちょっと危険な田んぼ。
猪よけの電気柵がまわりをかこんでいる。
それでもかまわず、モミ食べたさに、果敢に
イノシシがつっこんでいるらしい。
あちこちで、電線が垂れ下がっている。
空はいまだ曇っていて、そよとした風もなし。
とても涼しい。
ゆうべは音立てて雨が降っていた。
ひと雨ごとに秋がしのびよってくる気配あり。
きのうは壬生のおもちゃの街をたずねた。
大きな園芸店で、塾ののぼりを物色したが、お
目当てのものは見つからず、がっかり。
通路を歩いていると、小学一年生くらいの女
の子が室内用の運動具で遊んでいる。
足ふみベルトが動いている。
その速さが尋常ではない。
子どものこと、間違えて、設定してしまった
のだろう。
「あぶないよ」
声をかけるひまもない。
彼女が片足をのせたとたん、勢いよく転んだ。
ガンッ。
はねるように小さな体が飛んだ。
ほっそりした顔面を、したたかうちつけた。
彼女はびっくりして、鼻の下を、ほっそりした
両手でおさえた。
わたしをみて、目を丸くしている。
わたしはあたりを見まわした。
しかし、親らしき方はおられない。
運よく、店の女性スタッフさんが通りかかった。
「口もとをぶつけたようです。みてあげてくだ
さいね」
わたしがそう頼むと、はい、と応えられ、
「どうしたの。顔をぶつけたの」
優しく尋ねられた。
うれしかったのだろう。
彼女の顔がパッと明るくなった。
にこりともせぬじいちゃんが、訊ねないで良かっ
たなと、思った次第である。
長年子どもを観てきた。
やはり、どこに行っても、子どもが目に付くので
ある。
突然わたしが歩いてきたのに驚いたのだろう。
小さな茶色のかえるがぴょんぴょんはねた。
家の裏が水田。
春から夏にかけ、おたまじゃくしがすいぶん
と泳いでいた。
かれらが今では成長し大人になったのだ。
かように田舎は生き物が豊富で、朝から晩ま
でにぎやかなものである。
稲の穂がこうべを深く垂れ、稲刈りを催促し
ている。
ちょっと危険な田んぼ。
猪よけの電気柵がまわりをかこんでいる。
それでもかまわず、モミ食べたさに、果敢に
イノシシがつっこんでいるらしい。
あちこちで、電線が垂れ下がっている。
空はいまだ曇っていて、そよとした風もなし。
とても涼しい。
ゆうべは音立てて雨が降っていた。
ひと雨ごとに秋がしのびよってくる気配あり。
きのうは壬生のおもちゃの街をたずねた。
大きな園芸店で、塾ののぼりを物色したが、お
目当てのものは見つからず、がっかり。
通路を歩いていると、小学一年生くらいの女
の子が室内用の運動具で遊んでいる。
足ふみベルトが動いている。
その速さが尋常ではない。
子どものこと、間違えて、設定してしまった
のだろう。
「あぶないよ」
声をかけるひまもない。
彼女が片足をのせたとたん、勢いよく転んだ。
ガンッ。
はねるように小さな体が飛んだ。
ほっそりした顔面を、したたかうちつけた。
彼女はびっくりして、鼻の下を、ほっそりした
両手でおさえた。
わたしをみて、目を丸くしている。
わたしはあたりを見まわした。
しかし、親らしき方はおられない。
運よく、店の女性スタッフさんが通りかかった。
「口もとをぶつけたようです。みてあげてくだ
さいね」
わたしがそう頼むと、はい、と応えられ、
「どうしたの。顔をぶつけたの」
優しく尋ねられた。
うれしかったのだろう。
彼女の顔がパッと明るくなった。
にこりともせぬじいちゃんが、訊ねないで良かっ
たなと、思った次第である。
長年子どもを観てきた。
やはり、どこに行っても、子どもが目に付くので
ある。