ロシアの巨匠ニキータ・ミハルコフ監督による、『太陽に灼かれて』『戦火のナージャ』に続く戦争巨編3部作の最終章。第2次世界大戦下で主人公とまな娘が生き別れる原因を作った秘密警察の男がたどる命運も交え、生きることの喜びや愛の美しさを描写する。3部作を通してニキータ・ミハルコフは監督と主演を務め、娘のナージャ・ミハルコフも全てに出演。厳しい運命に翻弄(ほんろう)されながらも必死に生きる父娘の姿が観る者の胸を打つ。
前作『戦火のナージャ』(2011年4月記事)概要。KGB幹部ドミートリは、スターリンから、記録上は政治犯として処刑されているはずのコトフ大佐の再調査を命じられた。一方、コトフ大佐は過酷な強制労働所生活を脱出した後、一兵卒として戦場の最前線に加わっていた。最愛の妻と娘ナージャはすでに処刑されたと思い込み、絶望の日々を過ごすコトフ大佐。しかし、実際には妻子とも秘かにドミートリの保護下にいた。父親が生きていることを知ったナージャは、従軍看護師となり激戦地で父親コトフを探し始める。ひと筋の希望だけを信じて……。
もともとの原題は「要塞」のようです。邦題は相変わらずの情緒の無さではないでしょうか。
アマゾンプライム特典無料映画に入っていました。他のハリウッド製戦争映画に隠れて気付かなかったので危うく見逃すところでした。貼ってあるポスター図柄が通常の戦争映画のようであったのも良くありません。公開時期2012年には知りませんでした。3部作の最終作のようです。最後のシーン、地雷を娘の代わりに踏んだコトフ大佐がどうなるかはよくわかりません。娘を助けて死んだのでしょうか。暗いシーンの雰囲気が変わらないロシア映画、時間が前後する、どうしてそうなるかよくわからないなど相変わらずのストリー展開です。スターリン役の演技は猜疑心深い性格をよく表しています。市民を徴収して前線に数として送り込む、武器はなく棒だけ与える、当時の赤軍の戦い方が表されています。これはスターリングラードの戦い(確かドイツ・スナイパーの映画)にもありました。武器は敵軍から奪って戦えということのようです。日本の軍隊のように三八式歩兵銃を天皇陛下の贈り物として敬って使うという概念とは相いれない世界です。
エンドタイトルに出てくるT-34戦車の隊列シーン、教会の残骸のある破壊された村を延々と通過します。実写かどうかわかりませんが30台以上(こんなにたくさん稼動可能な実車があるか?)が連なります。排気ガスの出方や車体が滑るさまなどよく撮影されています。
これで3部作完成のようです。最初の『太陽に灼かれて』は見ていないので何とか見てみたいものです。