ぶろぐのおけいこ

ぶろぐ初心者は書き込んでみたり、消してみたり…と書いて19年目に入りました。今でも一番の読者は私です。

朝霧高原の朝  行き行きて駿河の国に至りぬ(3)

2021-01-03 15:10:45 | PiTaPaより遠くへ

 午前3時。トラックのアイドリングで目が覚める。折角なのでまた辺りを散策してみようとクルマを出て驚いたこと。ほぼ満車。私がいびきをかいている間も、クルマはどんどんやってきたわけです。気温は10℃。見上げると雲はまったくなく、満天の星。オリオン座が見えます。宝石箱をぶちまけたような…という言葉が思い出されました。そして、東側に見える大きな黒いシルエットは富士山。確かに近い。日の出が楽しみだと思いながら、もうひと眠り。

 

 今回、駿河の国にやってきたのは、富士山から昇る朝日を見たいと思ったことが第一の目的でした。ここ数年の私の年賀状は日の出シリーズとなっています。計画的なものではなかったのですが、結果的に日の出が続きました。今年(令和2年)は桜島。その前は郡山城址(大和郡山市)、その前は高ボッチ山(塩尻市・岡谷市)からの富士山。そうなると、令和3年度版も続けなければなりません。そこで、9月末に富山県の雨晴海岸に行ったのですが、これが雲ばかり。今回はそのリベンジでもあるわけです。

 では、富士山から太陽が昇る写真が撮れる場所はどこか。いつもお世話になっている「こよみのページ」に尋ねますと、私が訪れる日は「114度」の方角から太陽が昇ると書かれています。90度+24度が114度ですから、真東から24度南方面から昇るということでしょう。小学生程度の「さんすう」と「りか」の知識をフル動員させて考える。そして、分度器を借りてきました。Googleマップをプリントし、分度器を当て、富士山の上に東西の線を引き、富士山頂を起点に、真西から24度北方面(=北から時計回りに294度)に直線を引く。その線上にあるものを探したら道の駅朝霧高原があったわけです。これはめでたい!目覚めた場所から移動しなくてよいのですから。

 

 6時過ぎ。クルマから出る。3時間前にほぼ満車状態だったのに、もう半分くらいに減っています。早朝から次の目的地に向けて走っているのでしょう。

 そして小さな丘の上に作られた富士山展望台には、すでに日の出を待っている人が何人かいます。その向こうには富士の山。雲はまったくありません。「こよみのページ」では、静岡市の日の出が6時26分となっていましたが、富士山から昇るとすればもっと後になるはず。気温は8℃。先は長いぞ。

 今度は道の駅周辺を探索してみます。北側、道路の向こうには、教育訓練なんとかという施設があります。南側はあさぎりフードパーク。食品関係の工場や販売店が集められています。酒屋さんもあるみたい。キャンプ場もドローン飛行場もある。だだっ広い土地だけしか見えませんが、ドローンを気兼ねなく飛ばすにはだだっ広い場所が必要。借景は富士山なんていいですね。

 さて、いよいよ日の出が近づいてきた様子。展望台にも人がどんどん集まってきます。この時間帯ですから、ここで夜明けを迎えた人たちでしょう。ジンバルカメラをもったおじさんもいます。犬を連れている人も何組か。富士山のずっと右側。方角でいえば南側、富士市あたりと思われる方面には湧き上がる雲が低く見えます。三保の松原や日本平方面からは富士山は雲に隠されて見えないでしょう。

 頂あたりには、南側から風が吹いているように思われます。頂の左側に雲がわき、渦を巻いてまた消える。その雲の様子が、昨日ペッパーくんから聞いた「羽衣伝説」の天女の舞のようにも思えます。もしかしたら昔の人は、頂の雲の湧き上がる様子を天女の舞に見立てたのかもしれないと想像しました。

 太陽は富士山のどの辺りから昇るか。なかなかわからなかったのですが、頂の右側から昇るに違いない。それではと、ご来光を待つご一行さまから離れ、展望台を降りて左手のヘリポートへ移動。8時5分に日の出。

 小学生程度の知識でも、概ね富士山から太陽が昇るのを捉えることができました。

 撮り終えて、展望台を振り替えるともう誰もいません。この国の人たち(コロナ禍のこの時期、外国人はまずいません)は誰もかれも富士山がお好きだということ、そして、ご来光を拝むことに大きな意味を感じているということがよくわかりました。

 朝日の差す道の駅周辺をもう一回りして、私も移動することにします。

(つづく)


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 朝霧高原の夜  行き行きて... | トップ | 本栖みち    行き行きて... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

PiTaPaより遠くへ」カテゴリの最新記事