ぶろぐのおけいこ

ぶろぐ初心者は書き込んでみたり、消してみたり…と書いて19年目に入りました。今でも一番の読者は私です。

続 道の駅雨晴  そうだ 富山、行こう。(5)

2020-11-06 20:50:23 | PiTaPaより遠くへ

   目覚め。雨の音はしていないみたい。とりあえず様子を見に行こう。

   雲はびっしり空を覆っていますが、雨は上がった模様です。TENTMUSHIキャンパーは、食事のあと昨夜の間に移動してしまったようです。アルファードもいなくなっていました。駐車場は昨夜よりもクルマが増えています。私が眠った後着いたクルマか、朝になってこの道の駅に寄ったクルマなのか。釣りに出かけるグループもここで休憩の様子です。海に縁遠い生活をしていると、早朝の釣り人が新鮮に見えます。

   太陽が昇るのはあの方面かな?と考えていると、話しかけてきた人がいます。「今日も見えませんね」なんて、日焼けした肌、坊主頭の30代くらいの兄ぃです。彼と話していてはっとしました。私は日の出を見たいと思ってここまでやってきました。しかし、兄ぃの狙いは、海の向こうに見える(はずの)立山連峰だったのです。彼はそのために二晩ここで過ごしたそうな。兄ぃの説明では、3000m級の山が海の風景と同居しているのは、世界中を探してもとても珍しいらしい。私からすれば雪を頂いていない立山連峰は魅力的ではなかったのですが、こういう狙いをもって雨晴で朝を迎える人もいるわけだ。兄ぃはどうやら旅を続けるために仕事もやめたらしい。もう長いこと家には帰っていない様子でした。今日は立山連峰の眺めをあきらめて、千里浜に走りに行くと言ってました。いろんな人があるんだ。

   この道の駅は、風景を眺めたい人にも鉄道ファンにも、釣り人にも魅力的なところ。人気があるわけですね。

 

   こころ旅の火野正平氏は、2019年9月、ここからすぐの雨晴駅からスタートしています。900回以上、全国のあちらこちらを尋ねているわけですから、たいがいどこででも彼の足跡?車輪跡?(=轍)があることになります。

  少しずつ明るくなり、北のほうには虹が見える。つまり雲が切れているところがあるということでしょう。氷見線の列車が走る。海辺にはカメラや三脚を持った人がいる。列車が通った後の線路を、クーラーボックスを下げた釣り人が水辺を目指して歩いている。道路の側からも、列車や風景を撮影する人がある。道の駅の展望デッキには海を眺める人がいる。決して「密」ではないけれど、さまざまな目的を持った人がこの周辺にいます。

 私も水際に出てみました。浜辺から眺める道の駅もその白さが美しい。太陽は海の向こうの陸地から昇るようですが、雲のせいでどこにいるのかわからない。女岩の向こうに日が登ればいいなと思っていましたが、すでにもっと高い位置まで昇ってしまったようにも見えます。今回の旅の一番の目的だったのですが、仕方ありません。

 駐車場まで戻ると、私のクルマの傍に碑がありました。説明書きに「この石碑は昭和44年5月26日に昭和天皇皇后両陛下がホテル雨晴にご宿泊された記念に製作されたものであり、ホテル跡地のこの場所に再設置したものである。」と彫られています。ここにホテルがかつてあって、その跡地にこの道の駅ができたのだとわかりました。そのホテル雨晴。1967年創業、2011年5月に廃業。16室の高級ホテルだったらしいことは、帰ってからわかりました。

 朝日を浴びて氷見から高岡に向けて走るディーゼルカーを見送って、もういちど、展望デッキに戻ると、立山連峰のてっぺんが雲の上にひとつふたつ見えます(山の名称までは私にはわからない)。そして峰が道の駅の窓ガラスに映る。旅をすみかにしている兄ぃはこの景色を見たかな?いや、たぶん見えないうちに千里浜に走ったことでしょう。

(つづく)

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 道の駅雨晴  そうだ 富山、... | トップ | 越中国分付近  そうだ 富山... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

PiTaPaより遠くへ」カテゴリの最新記事