2020年の梅 宝積寺・大念寺 京都府乙訓郡大山崎町・・・やはりなかなか無いよ

　梅のあるお寺や神社でマイナーなところを探すというのは、やはり難しい。ネットも含めて情報がなければ、かつて行ったお寺などを思い出して、ひょっとして梅があるんではないだろうかと見当をつけていくことになる。
　この日は大山崎町の宝積寺とすぐ隣の大念寺。
　どちらも既に当ブログで紹介済みのお寺だ。大山崎町そのものは以前にもこのブログで述べたが、私自身が採用されて初めて赴任した町。一応小さな町の中なので、だいたい端から端までは知っている。したがってどちらのお寺も地図で確認さえすれば、ナビなしでも簡単に行ける。

　宝積寺には無料駐車場があるので、そこに車を置いて先に宝積寺から回る。この日は家を出る時には青空だったものが、現地に到着した時にはすっかり曇り空。残念ながらよくあるパターンだ。従って撮影した写真も全体的に暗い感じになってしまった。
　宝積寺には重要文化財の建物などが数多くあり、また仏像等も文化財指定されている。見所がたくさんあるところだ。
　しかし今回は梅が中心。境内を回って見つけた梅はただの一本。この一本の梅を、様々な角度からいろんな背景を入れて撮るという形で、宝積寺の梅ということにした。やはり一本だけではなかなか情報にも載ってこない。
　大豊神社などはここも一本の梅だが、しだれ梅の素晴らしさがあって名所の一つに数えられている。非常に珍しいケースだと言える。宝積寺のこの梅は小さくてただ一本だけではあったものの、植えられている場所が良くて、バックに様々な風景を入れて撮ることができて、それはそれで十分満足できた。

　続いて坂道を少し降りて大念寺へ入る。1年前にブログに載せているが、梅らしきものはなかったように思った。人の気配もなく、境内はひっそりしていた。
　さて梅の木は・・・残念ながらなし。桜や紅葉は多い少ないの差はあっても、大概のお寺や神社に見られる。やはり梅の木というのは少なくて、改めて貴重なものだとわかった。
　せっかく来たので写真を掲載だけしておく。大念寺の沿革については既に紹介しているので詳しいことは省くが、一応駒札の再掲載をしておく。ここの阿弥陀如来立像は鎌倉時代のもので、国の重要文化財。一度拝観したいと思っているが、事前予約制ということでなかなか一歩が出ないのが実情。


宝積寺



『宝積寺
　一般には宝寺の名で知られており、本町に現存する寺院の中で最も古い歴史を誇る。
　寺伝によると奈良時代に聖武天皇の勅願寺として僧行基が開創したと伝え、その後、長徳年間(九九五～九九九)寂照が中興し、室町初期には八幡宮油座からの寄進も多くあり寺運は大いに盛りあがった。さらに嘉慶三年には定額寺にも列し、多くの子院をもつに至る。
　戦国時代の終り、山崎合戦の折には羽柴秀吉が一時当寺を陣所とし、合戦後宝寺も山崎城の一部として利用されたと伝えられる。
　しかし、幕末の動乱は宝寺にもおしよせ元治元年(一ハ六四)の兵火と廃仏毁釈で寺運はす
っかり衰徴したがじょじょに寺観、寺域も復興され、今日にいたった。現在、乙訓地方で最
も多くの文化財を保有する寺院で、見るべき仏像が多くある。
　　昭和六十一年三月
　　大山崎町教育委員会』　　（駒札より）
　　　　　　　　　　　


大念寺



『大念寺
　宗派　浄土宗知恩院派
　開基　徳誉光然上人
文化財　 (重文)阿弥陀如来立像
　弘治元年(一五五五)、大山崎荘在住の井尻但馬守長助が京都知恩院の徳誉光然上人を開山と して建立した。そのころ大山崎の油座はすで に衰退期にあったが、大念寺の場合、さらに末寺を建立するなど財力に余裕があったようである。しかし、元治元年(一八六四)禁門の変の動乱に巻き込まれて全焼し、明治十二年現在の規模に再興された。
　さて、大念寺には鎌倉時代造仏の重文・阿弥陀如来立像がある。この像は元、西山往生院の証空上人の念持仏として作られたが、院の衰微にあたり数奇な経路をたどって同時に納まった。像高八十一cm、漆箔を施し、鎌倉時代の新様である玉眼を用いている。その他
は天台系阿弥陀像の古様を忠実に表現している優れた仏像である。
　　昭和六十一年三月
　　大山崎町教育委員会』　（駒札より）