終わらない演奏会

不惑の道を歩みながらも未だ惑いっぱなしの筋肉おばはん帯の、ヘヴィーでメタルでどうでしょうな日常です。

狂気山脈

2010-08-19 07:24:02 | ただの日記
今から20年以上前の話。

当時、学生だった私は、アルバイト先の社員の男性に約半年間に渡ってつきまとわれたことがある。

その人は、その当時で30歳くらい。

いいトシをして酒癖が悪く、深酒しては暴力沙汰を起こしたり、何日も無断で仕事に来なかったり、職場の女性とトラブルを起こしたり・・・を繰り返した挙句、解雇された。

で。

解雇されたとたん、ウチに深夜、何度も何度も電話してくるようになった。

私はその人に電話番号を教えていない。

NTTの電話帳から、とってもありふれた姓の我が家を探し当て、電話してくるようになった。

職場の前で、私が帰る時間を待ち伏せて、なんだかんだ言ってくるようになった。

深夜、道路に面した私の部屋の窓に何かを投げつけてくるようなこともあったし、バイト先の前にとめていた自転車のカゴに言うのもはばかられるようなモノを入れられた事も。

しらふの時もあれば、泥酔していて怖いと思うこともあった。

当時、まだストーカーなんていう言葉はなく。

たとえば親にそういう相談したとしても、悪いのは相手ではなく、そういう隙がある自分だということにされてしまうような時代。

思い切ってバイト先の店長に相談しても・・・ああ、あいつ今までにも何回もそーゆーことあったんよハハハそれにアイツもうウチの会社と関係ないし・・・と、スルーされ。

当時の私には(というか、当時の時代背景では)警察に相談するなんて発想は全くなく。

仲の良い友達が私のバイト帰りの時間に合わせて店の前まで迎えにきてくれたり、23時過ぎには電話線を抜いたり、早くから部屋の電気を消したりして、どうにかこうにか半年たった頃、自然とそれはおさまった。

新しい仕事が決まって落ち着いたのか、それとも次のターゲットを見つけたのかはわからない。



で。



そんな事があったのも、すっかり忘れてたんだけど・・・



先月から、私の職場に、その男が出入りの業者として毎日やってくるようになった。

一目見た瞬間、20年前の恐怖がよみがえった。

あいつだ・・・

それから、会社に行くのが怖くてたまらない。

席の配置的にも、そいつが来たときの応対は、9割がた私がするようになるのだ。

すっかり忘れていたコトだったのに、顔を見た瞬間、心臓がドキドキした。

会社で、入口のインターホンが鳴るたびに、軽い貧血状態になり、全身からヘンな汗が流れる。

そんな状態なのに、表向きの態度はごく普通に、にこやかに応対する。

心の中で、思い出すな、思い出すな・・・と唱えながら。

毎日、たった30秒程度のやり取りが、怖くて怖くてたまらない。

私は、けっこう自分のことを強い人間だと思っていたけど、まさかこんなに弱いとは思ってもみなかった。

職場の人に相談して、席の配置を替えてもらうことも考えたけど・・・

相手の人間性にかかわることだし、ヘンなふうに社内に話が広まる不安もあったりで、まだ誰にも相談できずにいる。



おそらく、相手は私の事を覚えていないだろう。

姓も変わっているし、おばはんになってるし。

きっと、覚えていないはずだ(と、思いたい。)

けど。

した側は忘れてしまっても、された側は簡単には忘れない。



今日も、出かける支度をしながら、激しい頭痛と悪寒に襲われる。

いつか乗り越えられる日が来るんだろうか。




最新の画像もっと見る

post a comment