原子力エネルギー問題に関する情報

杜撰で不経済極まりない原子力政策が、生存権を脅かし環境を汚染し続けていても、原発推進派の議員を選挙で選びますか?

脱原発を決めたドイツとベルギーの若者が読んだ原発事故小説と福島の女子高生の手紙

2011年04月20日 | 国外の情報
原発事故がテーマのドイツ映画「みえない雲」http://p.tl/nRSwの主人公を演じるパウラ・カレンベルクはチェルノブイリ事故で胎内被曝、心臓に穴があき、肺が片方しかありません。きょう、東京は雨です。おはようございます。4月19日

以上はドイツ文学翻訳家の池田香代子さんのTweetで、リンク先は、映画の日本語版予告編である。

このTweetで、以前友人の14歳の娘が借してくれたドイツ語の小説「Die Wolke(邦訳:みえない雲)」を思い出した。そのときのことは、もう一つのブログの(「ベルギー生活の中の脱原発」というエントリにも書いたが、1986年のチェルノブイリ原発事故翌年にドイツ人女性作家が出版、2006年には映画化され、日本語のDVDもある。

ちなみに、原作の題名「Die Wolke」のWolkeには、普通の「雲」という意味のほかに「放射性プルーム(放射性雲)」という意味もある。原子力防災用語集には、「気体・ガス・粒子状の放射性物質が大気とともに煙突からの煙のように流れる状態」とある。

友人の娘は、ベルギーのドイツ語圏にある進学系二次学校(7年~12年生)の8年生で、国語の教材としてこの原発事故を扱った小説を読んだと言った。小説の主人公は14歳の少女なので、同じ年齢の8年生に読ませるのだろう。ベルギーは、まだはっきりとした見通しは立っていないものの、ドイツと同様「脱原発」を目指すことはすでに決めている。

福島原発の事故後、ドイツの有力週刊誌「Der Spiegel」や有力日刊紙「Frankfurter Allgemeine(FAZ)」は、1987年に出版された原発事故小説「Die Wolke」に関する記事や著者Gudrun Pausewang(グドゥルン・パウゼヴァング)へのインタヴュー記事を載せた。「Die Wolkeが現実になった」という記事もあった。

FAZ紙によると、ドイツではこの小説が1988年に児童文学賞を受賞するという政治的意味合いの強い出来事があった。このドイツ唯一の国営児童文学賞は、連邦家庭・高齢者・女性・青少年省によって授与されるが、当時の大臣Rita Süßmuth(女性)が、同じ内閣の連邦環境・自然保護・原子炉安全大臣Klaus Töpfer の原子力政策を批判する本に、賞を与えたというのだ。その結果、この本は、現在20歳から45歳までの世代の多くから読まれたという。

そういえばドイツでは、政府の脱原発延期に抗議する10万人規模のデモが昨年2回あり、今年になってからは4大都市で25万人が抗議デモをした。ベビーカーや子ども連れも多く見かけたが、彼らの多くが多感な学校時代にこの14歳が主人公の原発事故小説を読み、普通の幸福な生活を奪う可能性が高い原子力エネルギーを拒む潜在意識が植え付けられたのではないかと思う。

著者Gudrun Pausewang(グドゥルン・パウゼヴァング)から日本に向けたメッセージ(英語)'I Hope the Japanese Will Be Spared'、も是非ご一読願いたい。
【追記】私がインタヴューした記事はこちら

日本語版「みえない雲」のあらすじは、ウィキペディアで読むことができるので、小説を読む前に内容がわかってもよいという方はどうぞ。

「みえない雲」はドイツでの原発事故を想定して書かれた小説であるが、福島では小説の内容のような惨劇が現実に起きている。

私たちが今すぐにするべきことは、福島の原発震災を他の原発で繰り返さぬよう日本中の原発を今すぐ止めさせることだ!

特に、浜岡原発はいちばん危険だといわれている。「浜岡原発の運転停止を願う市民有志」が先月「予想される東海地震の震源域で運転されている浜岡原子力発電所の運転の停止を 願う要望書」を呼びかけ、わずか4日間で2万7000名余りの賛同者が集まり、3月18日に静岡県内外からの約90名によって静岡県知事に提出された。その後も賛同が寄せられ、3月22日には3万1000名を超えた。また、4月4日には「浜岡原発の稼働即時停止」を求める6500筆余りの署名が、約70名によって名古屋の中部電力本社に提出された。

中部電力に電話して、これほど多くの要望にどう対処するか尋ねたが、広報担当者は「現時点での対策は、ホームページに載せている3月23日の定例記者会見で社長が発表した内容がすべてであり、署名を持ってこられた方たちにも、よく読んでいただくようお伝えした」 と、50Hz地域に電力を融通しなければならないことを強調しただけで、原発停止については言及しなかった。信じられないことだが、今のところ原発停止は中部電力の視野にはない。

【2011年1月追記】浜岡は昨年菅前首相が止めさせました。現在九州と四国は脱原発中ですが、電力は足りています。4月までに残りの5基が点検に入れば全国で脱原発達成です。これから、再稼動をさせようとする国会・地方議員の動きに要注意!彼らは、次回の選挙で必ず落選させねばなりません!【追記ここまで】

「心援隊のブログ」4月17日付に、以下の被災地の女子高生からの手紙が載っていた。

国会議員や経産省・文科省他原子力関係省庁の官僚、原子力委員会、原子力安全保安院、電事連や経団連の原発関連企業の関係者たち、電力会社からの広告料欲しさに大本営発表しかしないメディア関係者全員が、自分の娘や孫の声だと思って読み、わずかでも想像力があれば、いますぐ全国の稼働中原発を停め、エネルギー政策を脱原発に転換しなければならないと思うはずだ。

地震がほとんどないドイツで、一旦は脱原発延期を決めた連邦政府でさえ、福島原発震災の収束がいつになるとも予測できない事態を重く受け止め、できる限り早期の脱原発に踏み切ると決めたのだから。


【以下転載】
559■真実

助けてください
福島県南相馬市の
女子高校生です

わたしは友達を津波で
なくしました
私の友達は
両親をなくしました
私の無二の大親友は
南相馬でガソリンが
ないため避難できずにいます

電話やメールでしか
励ますことしかできません

親友は今も放射能の恐怖と
戦ってます

だけどもう、諦めてました

まだ16なのに
死を覚悟してるんです
じわじわと死を感じててるんです

もし助かったとしても
この先放射能の恐怖と
隣り合せなんです

政治家も国家も
マスコミも専門家も
原発上層部も全てが敵です
嘘つきです

テレビでは原発のことが
放送されなくなりつつあります
同じ津波の映像や
マスコミの心ない
インタビュー
口先だけの哀悼の意
被災を『天罰』と言った政治家

政治家はお給料でも
貯金でも叩いて助けて下さい

彼らの贅沢をやめて
被災者を生きさせて下さい

命令ばかりしないで、
安全な場所から見てないで、
現地で身体をはって助けてください

私達は・・・見捨てられました
おそらく福島は隔離されます

完全に見捨てられます
国に殺されます

私達、被災地の人間は
この先ずっと
被災者を見捨てた国を、
許さないし恨み続けます

これを見てくれた人に
伝えたいです

いつ自分の大切な人が
いなくなるかわからないです
今隣で笑ってる人が
急にいなくなることを
考えてみてください

そしてその人を
今よりもっと大切にして下さい
今、青春時代をすごす
学校が遺体安置所になってます
体育や部活をやった
体育館にはもう二度と
動かない人達が横たわってます

どうしたら真実を
一人でも多くの人に
伝えられるのか・・・
一人でも見て貰えれば幸いです
考えた末、勝手ながら
この場をお借りしました
ごめんなさい、そして
ありがとうございます