原子力エネルギー問題に関する情報

杜撰で不経済極まりない原子力政策が、生存権を脅かし環境を汚染し続けていても、原発推進派の議員を選挙で選びますか?

日本の新政権←ドイツ人ジャーナリストのコメント

2012年12月19日 | 国外の情報
ドイツ人ジャーナリストのコメントを抄訳しました。

南ドイツ新聞は左寄りですが、ドイツのメディアは政治監視を使命としているので、イデオロギーや活字・映像メディアに関係なく、ジャーナリストのコメントはだいたいこんな論調ですね。


2012年12月17日 南ドイツ新聞
http://www.sueddeutsche.de/politik/parlamentswahl-in-japan-ruck-nach-rechts-in-die-vergangenheit-1.1552360

「過去に向かい右翼勢力伸ばす」Christoph Neidhart(クリストフ ナイトハート)

保守から直立不動のナショナリズムまで、日本の政権はこれまですべて右翼だった。
退場した野田佳彦もだが、まだ控え目だったといえる。それももう終りだ。

核兵器を必要とし中国との戦争も公然と口にする前東京都知事の石原慎太郎が、右翼のポピュリストたちと共に選挙戦にもたらした極右は、既存の政党の中で目立たなくなった。

以来、次の首相となる自民党の安部晋三は、やっと自らの考えを述べられるようになった。安部は最初に成果のない総理だった時期(2006年9月~2007年9月)には、まだ中国との間の調停役をやむをえず探していたが、それももはや考えられない。

安部は当時既に憲法改正を試みていた。9条は日本のいかなる戦争も禁じている。自国へのテロ行為に対する自衛に限り認められる。安部は、この平和条項の削減のみならず、基本的人権を制限し女性の同権を廃止しようとしている。外交においては、数十万人の従軍慰安婦に関する日本軍の強制性を認めた、いわゆる「河野談話」を撤回したい。

要するに、将来の首相は、過去の日本を夢見ているのだ。

日本政府は、第二次大戦中の日本軍による人間性にもとる犯罪に、本気で取り組むことを、今日までなおざりにしてきた。遠まわしの謝罪を述べた首相は少なくはなかったが、いずれも他の政治家が、ただちにその効果を弱めた。

ここ数年中国と韓国は、日本に対し不快な歴史を総 括するよう圧力 を強めてきた。20年来継続的な危機的状況から抜け出すことができない日本政府は、ナショナリズムという答えの中に逃げ込んだ。

多くの有権者は中国に対する怒りはあっても、決してナショナリズムを望んではいない。

日本には、特記するべき左翼がいなくなって久しい。日本の政治家は、我が国民は基本的に保守的だと好んで説明する。だが、強力な社会主義および共産主義政党と激しい学生運動が、戦後にあったことを忘れている。これらの左翼は、空中分解したのではない。一方では抑圧され、もう一方では政治の主流に融合し封殺されたのだ。

今日知られているように、CIAは日本の右翼が権力を持ち続けるよう資金援助をしてきた。保守的な日本だけが、アジア大陸に臨む太 平洋で信頼できる軍事基地なのだ。

フクシマ後、原子力産業、学界、政界、主要メディアによる「原子力ムラ」の存在がはっきりした。裏取引は、原子力政策に限ったことではない。大手メディアは、自民党と常に密接に結びついてきた産業界に依存している。2009年の政権交代後、権力への反論を書くほど親密だった。メディアは、民主党-決して左翼ではない-に、まったくチャンスを与えなかった。

日本では、大手メディアには出てこない情報を広める動きが、やっと徐々に生まれつつある。