goo blog サービス終了のお知らせ 

それはついさっきまでの話

これまで大事にしてきたものも
「今」ちがうならポイしていく。
そんな軽やかな決意です。

”社会をよくする”"若者"を理解するための3つの限界

2019-09-14 14:41:57 | SETの事業


NPO法人SETで活動をしている。
おかげさまで取材を受けることも増えてきた。
しかし、「”社会をよくする”"若者"」と価値観が合わず、双方ともにSETの良さを引き出すことに苦労することがある。

取材を受ける身分で恐縮だが、取材をする側、SETを理解したい側のみなさんに知っておいていただきたいことがある。
それは
従来型の経済的思考、フレームワークからなる3つの限界だ。
この限界を超えないと本質的には「”社会をよくする”"若者"」を理解できない。


①「持続可能性の限界」
持続可能な形は大切だ。継続的に対象に対してアプローチをしていきたい。共感だ。
しかし、そのためには
・お金を稼ぐ必要がある。
と結論づけてしまうのは短絡的であると思う。
going concern:これは企業体は出資を受けている以上、営利活動を継続し、出資者に配当を払い続け、再び出資を続ける必要がある。という前提のことである。
たしかに、この前提に立ってみれば、企業活動を継続するためには売り上げを上げ続ける(もしくは拡大し続ける)必要があるだろう。
お金を稼ぐことの重要性は否定しないが、これだけで事業は継続するわけではないだろう。

例えてみるとわかりやすい。
社会貢献意欲の高い若者Aくんがいるとする。
彼に、1日8時間椅子に座る仕事(要するに退屈)を与え、報酬として月給60万円を支払い続ける約束をする。
お分かりの通り、持続可能ではないだろう。
事業活動の継続には
売り上げもさることながら
やりがい。
も重要なのだ。
特に、「やりがい」への優先度が極めて高くなっている。


②「需要と供給の限界」
経済を成立させている最も基本的であり、重要な概念が需要と供給であろう。
需要があるところに供給があり、サービス、プロダクトに対してお金が交換されていく。
1対1でおこわなれる交換行為にのみ目を向けさせるのが「需要と供給の限界」である。
需給関係なく生じるデメリットを外部不経済、メリットを外部経済と呼び、
公共性の高い営みに対して発生しやすいが、SETをはじめとするNPOは小規模であっても"社会"を相手にしているため外部(不)経済が生じる


実際SETで起きていることで言えば
・自己成長のための時間、お金を投じて行われる活動
・人の役に立ちたいという欲求を満たすための活動
・チャレンジしてもいいという気運が町の中に醸成される
これらは需給関係なく、行われている活動、起きている現象だ


③「市場の限界」
需要と供給がバランスされる場所を市場と呼び、価格は市場によって決められる。
ポイントは
需要、供給共に「量」で表されるということだ。
この考えを元にすれば、需要層をセグメントで区切り、供給側が「これなら他の供給者に勝てる」という市場を削り出す。
行為が行われていく
しかし、実際はというと、ニーズの多様化により
需要側も、供給側も「量」だけでは価値を表しづらくなっている。
究極的に、需要者も供給者も1人格をもった個人であり、その個人が連なるだけなのである。

よって
CMSPの参加者は東京で自分探しをしたい若者。
その若者たちを呼び寄せることにCMSPは今後特化していくと良い


といった分析で
SETの活動を
需要量を層で捉え、今後の活動の展望を予測するのには限界がある。
なぜなら、
需要側の個人単位の人格と供給側の個人単位の人格を無視しているからである。


以上
・持続可能性の限界
・需要と供給の限界
・市場の限界
を挙げた。これら3つの限界が絡み合い、経済的フレームワークを「”社会をよくする”"若者"」の活動に押し当てると
なんだか大したことない活動に見えてしまう。





The Greatest Showmanと大魔神と原点

2018-04-03 09:43:05 | SETの事業
実に3ヶ月ぶり。大変お久しぶりの投稿になります
The Greatest Showman見ました。
いやー圧巻でした。

それ以来朝はyoutubeのサウンドトラックを流しながら支度をします。曲目で経過時間がわかるのでオススメです。高揚します。


さて以下はそのサウンドトラックのコメント欄のものですが共感するものが。




そうですよね。
ストーリー自体はみなさんが想定する通り進んでいきます。
(以下、ネタバレしてしまいますが、それでも感動します)
「起」
貧乏な少年、商売を志す、苦難はありつつサーカス団を結成。成功
「承」
軌道に乗ってきたところで、ビッグスターを迎え入れる。大成功
→転、結がどう進むかここですでに予想できちゃいます
「転」
しかし、もともと大切にしていたもの(マインド、創設時の仲間、奥さん)を大切にできなくなる。
劇場が火事になり、破産か・・・
「結」
本当に大切なものを取り戻し、再スタート。想いは引き継がれていく

うん。だよね。といったストーリー。
(細かい描写、人間模様はあれど、つまりはこういうことです)

ですが感動する。
魂込めるとはこのこと。

わかってるけどすごい。
フォークだ。ってわかるけど打てない大魔神(横浜ベイスターズ佐々木投手)みたい。

挟んで(ボールを指で挟む:フォークの投げ方)ますね

さて
ぼくが運営に携わっているChange Maker Study Program
1週間大学生が岩手県陸前高田市広田町にきて町のためにアクションをするというもの。
初めてくる大学生が、初めてのメンバーとアクションを起こす挑戦は町の人からも感動をよびます。
しかもプログラム後半はほとんど設計されていないため、ガチンコでそこに集まったメンバーとつくりだします
一生懸命人のためにやる。って気持ち良いし、楽しい。
CMSPの参加メンバーのうち約3割がその後運営側に回ってくれます。

その半年ごとに開催されるCMSPですが次回12回目。
毎回大学生にとっては新鮮なのですが、町の人にとっては「飽き」ちゃうところもあるので
プログラムのおもしろさを高めるために、より難しい試みをしています。


例えば。
従来、7日間の前半で行われていた「生活体験」を
・町のユニークさに触れられる体験にしたり、
・町の方とより親密になれるようにしたり
はたまた
・その企画自体に面白さを追求したりするものもありました


移動式の「駄菓子屋さんセット」を開発し地域の子供と高齢者の交流機会を設ける試み


自分の夢を語る:10ばーちゃん(通貨単位)」といった
独自の地域通貨を設定し、楽しく交流が生まれるような仕掛けも。


大変評判がよかったです(´▽`)


すると運営の難易度が上がってきました。
そこで思いました。
・難易度をますます高めることを実現させるように頑張る
・難易度はこのままで(むしろ下げてでも)、もともと大切にしていたもので勝負する

自らの原点に回帰してイバラの道に飛び込めば大人はいつまでも成長できる
こちらの記事には
成長段階4の人が、成長段階1、2、3を完璧にマスターしているとは限らない。
1、2、3をマスターするからこそ4も「マスターできる」そのうえで5に行く「挑戦権」があるのだ
という趣旨が書いてありました。

次が12回目のCMSP
当初年間15人だった参加者は200人超になり、半年間コミットする運営チームも50人弱の組織になりました。
しかし、プログラム難易度を上げようとも、主となる学生メンバーは入れ替わるシステムになっています。
さらに拡大させることも様々な要素がからみ簡単なことではありません
8、9、10、11回目はほぼ同規模、次回も同規模での実施が決まっています(13回目以降は拡大方針をとります)

そこで原点にたちもどると、CMSPは1期から
「感動と挑戦」をテーマに「都会の若者と町の人が出会ったら互いにとってのきっかけが生まれる」ことを目指してやってきたのでした。



ラ・ラ・ランドの製作陣だから今回もミュージカル形式でしょ。
とされ、
ミュージカルで挑み、わかりきったストーリーで心を揺さぶってきたように。
CMSPは改めフォークを磨く時かもしれません。