秋晴れが続いたので、少しづつ着物の虫干しをしています。すっかり忘れていた帯が出てきました。
母が嫁入りの時用意してもらった帯でしょう。2本の丸帯を4本の名古屋帯に仕立て直し二人の娘と
二人の嫁にくれました。私は一度も締めたことがありませんでした。柄も古いし、色も今一と思って
箪笥にしまい込み、それ以来思い出すこともなく、しかし、この度見つけまして早速風を通すべくハ
ンガーにかけて今日で三日です。礼装用の帯ですが名古屋仕立てなので無地の着物にはいいかなと思
い、今年の新年会には締めたいと思っています。思えば80数年昔のものです。当時は化繊のない時
代です。100%絹で今よく見ると古典的で味のある帯です。帯は着物の顔、裸にも帯というじゃない
ですか。虫干をしたおかげで母を思い出しています。いつも裁縫をしていました。母の縫ったものは
丈夫で丁寧でほごすのが大変でした。私は今でも春から秋の終わりまでは、薄く綿を入れた母の縫っ
た丹前をかけて寝ていますが寝心地がよく、形も崩れません。