おまけに一カ所に腰を落ち着けていられない。
いつだってほどなく、ここにいたら駄目だと思い始める。
そのくせ何が駄目なのかなど皆目分からない。
仕事も人との関係もどれもがうまくいっている時でも、急にそんな思いに取り憑かれる。訳の分
からない強迫観念みたいなものだ。
そうなればまたぞろ、何もかもを放り出し行き当たりばったり、見知らぬ土地に流れて行く。
一番長く続いたのは、どこかの漁港の魚加工場だ。
毎日トラックで運ばれてくる魚が、コンクリートの床にドッと撒き散らされる。
それにホースで水をかけ、スコップで樋に入れる。樋を挟んで作業員たちが俎板の上で包丁をふ
るい、機械のように頭を落とし、内臓を取り除き背開きにしていく。
あるいは骨付きのまま、ぶつ切りにしていく。
魚種はいろいろで、大きなもの小さなものその時々時季によって変わる。
この仕事は飽きがこなかった。
単調な作業なのに気が付けば熱中している。
多分昔から魚が好きだったからだろう。
魚は見るのも釣るのも、食べるのも好きだ。
そのためだろう長続きしたのは。
それに漁港というのも好きだ。
気が付いたら漁港のある街をうろついていることが多く、そこで潜り込める所があるとしめたと
思い入り込む。
いつだってほどなく、ここにいたら駄目だと思い始める。
そのくせ何が駄目なのかなど皆目分からない。
仕事も人との関係もどれもがうまくいっている時でも、急にそんな思いに取り憑かれる。訳の分
からない強迫観念みたいなものだ。
そうなればまたぞろ、何もかもを放り出し行き当たりばったり、見知らぬ土地に流れて行く。
一番長く続いたのは、どこかの漁港の魚加工場だ。
毎日トラックで運ばれてくる魚が、コンクリートの床にドッと撒き散らされる。
それにホースで水をかけ、スコップで樋に入れる。樋を挟んで作業員たちが俎板の上で包丁をふ
るい、機械のように頭を落とし、内臓を取り除き背開きにしていく。
あるいは骨付きのまま、ぶつ切りにしていく。
魚種はいろいろで、大きなもの小さなものその時々時季によって変わる。
この仕事は飽きがこなかった。
単調な作業なのに気が付けば熱中している。
多分昔から魚が好きだったからだろう。
魚は見るのも釣るのも、食べるのも好きだ。
そのためだろう長続きしたのは。
それに漁港というのも好きだ。
気が付いたら漁港のある街をうろついていることが多く、そこで潜り込める所があるとしめたと
思い入り込む。