甘裸哲学

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詭弁とは何か

2013-02-15 22:55:52 | 痛烈な社会批判
詭弁(きべん)って聞いて、あなたはどう思いますか?

間違っていることを、あたかも正しいことであるかのように言って、相手を言いくるめる。
詐欺師が人を騙すときに使うのが詭弁。
最近、そういう風に考えている人をよく見ます。
果たして、本当にそうなのでしょうか?


そもそも、詭弁が流行り始めたのはギリシャ時代
相対主義の発生とともに急速に普及しました
全国各地で神話が崩れ去り、
皆さんご存知の通り、(価値)相対主義というのは
「全ての価値観は平等であり、それに優劣をつけることなど出来はしない」
という価値観ですね。
このように考えると、戦争や議論というのは単なる価値観の対立にすぎないので、どちらかが正しくてどちらかが間違っているなんてことはありえず、決着がつかなくなってしまいます。
そこで生まれたのが弁論術(詭弁術)です。
人々がより正しそうだと思うことを言って、相手を言いくるめたほうが勝ち。そうやって騙しこんだ人々による数の暴力を用いて相手を屈服させた方が勝ち。勝った方が正義であり、正しいということになる(多数論証? うるさいなあ)。それっぽいことを言って民衆を味方につける力、それが弁論術(詭弁術)です。

また、相対主義者の中には、当初の理念から「議論なんて無意味だ」と言う人間も出てきます。
勝った方が正しいのでなければ議論なんてする意味がない。しかし、勝つためには詭弁を用いるしかない。
この矛盾に苦しんだ結果、虚無主義者へと転向し、全ては無意味であると考える人々が生まれたはずです(たぶん)

とにかく相対主義が正しいとするならば、議論の際、必ず詭弁を使わなければならない、あるいは相手の詭弁を指摘し、自分の方がより正しいと思わせる必要があるのです。
つまり、議論に勝つためには、詭弁を勉強すべきだということが分かります。
自分で自由自在に使えるレベルにならないと、生の議論で相手の詭弁を見抜き指摘するのは難しいと思います。


少なくとも、この相対主義の時代においては、議論に勝つために詭弁が重要なはずです。
しかし、僕のことを反社会的だとして、お前の言っていることは全部詭弁だ。糞が死ね。と思っている方もいるでしょうから。
もう少しだけ、話を続けさせてもらいましょう。


「どうして人を殺してはいけないのか」
「相対主義に基づくと、殺してもいいという価値観も同様に認められるべきである」
しかし、実際に自分が殺されるのが嫌な人たちが多数決(数の暴力)によって法律を制定し
人を殺してはいけないという風に決めてしまいました。
「どうしても殺したいんだ。アイツだけは絶対に許せない。アイツさえ殺せれば、後はどうなったっていい」
こんな風に考える人間をどうやって止めろというのでしょうか。
そうです。自然法です。人間が定めた法(実定法)ではなく、神()が定めた法です。
これは絶対的な法であり、何人たりとも犯すことを許されません。
いや、相対主義の社会のはずなのに、そういう絶対的な何かの話を持ち出すことで、相手を無理やりにでも押し止めようとする。
これが詭弁ですね。憲法程度なら、そんなの間違ってる早く改正しろなどと言いつつ簡単に行動を起こせそうなものですが。
自然法は絶対ですからね。これに逆らうと人間ではないものと扱われ、人権を剥奪されてしまう。
いや、冗談だけど、とにかくこういう恐ろしい嘘をついてでも、犯罪を起こさせないようにする。(それでも犯罪は起こるが)

小さい頃は親によく騙されませんでしたか?
色々言われてお年玉を奪われたり、なんだかよく分からない仕事をさせられたり
全部、詭弁なんですよ。嘘も方便、とも言いますがね。
これらはとても社会的な詭弁、社会を維持するための詭弁です。
結局、人間はある価値観に基づいた社会に所属しなければならない。
しかし、その価値観が不安定だと、所属する人々の生活も不安定になる。
人々の安心のための詭弁なんだ。神は絶対だとか、その社会の人々の心を安定させるための詭弁なんだ。
正しいとは限らないことを、正しいことだとして、小さい頃から教育する。
そうやって育てられた子供が、大きくなって子供を産み、また同じように教育する。
この幸せが続くのは多元主義を取った場合に限るだろう。
文化相対主義により、様々な文化が混じりあった社会に生きる子供達の価値観は安定せず
毎日様々な価値観の人とコミュニケーションを取らねばならない。
何が正しくて何が間違っているのかはっきりせず、自分の価値観に自信が持てなくなってしまうかもしれない。
まあ、それが現代だろう。それっぽい極端な価値観に走り、右翼だとか左翼だとか言って、自分の価値観を確立し、相手側を徹底的に批判して、自分は正しいんだと安心する。

あれ、詭弁の話をしてたはずなのに......
まあいいや、疲れたから一旦ここで切ります。後で編集するかも
詭弁なんてwikipediaに載ってる例知っとけば充分だと思うよ、うん

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